テラーノベル
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・d!様の二次創作です。御本人様とは関係ありません。
・軍パロです。
・zmci描写があります。
大丈夫な方だけお進みください!
わんくっしょん
**
ciは、いつも心のどこかでzmを追いかけていた。
基地内での生活は戦闘、書類仕事、訓練と慌ただしく、幹部としての責任は重い。
だが、その忙しさの中で、ciの心は常にzmの方を向いていた。
zmは、誰にでもフレンドリーで、特にemとよくつるんでいた。
軽口を言い合い、笑い合う二人の姿は、ciの胸に小さな痛みを刻む。
(……俺じゃ、あかんのかな…)
思わず俯く。心の中で何度も問いかけるけれど、やはり答えは出ない。
**
ある日の外出任務後、ciは基地近くの市場を一人で歩いていた。
人混みを抜けると、少し年上に見える男が声をかけてきた。
「君、夢見たくないか?」
その手には小瓶が一つ。中の液体は淡く光っていた。
「……夢?」
ciは警戒しつつも、その日の疲労と心の弱さから、つい頷いてしまう。
「これを一錠飲めば、君の見たい夢が見られる」
普段なら断るはずだった。
でも、その日は心が疲れきっていた。
“zmと過ごす、あの夢を見られるのなら……”
ciは小瓶を受け取り、手のひらで温めた。
**
その夜、ciは布団に入り、小瓶から一錠取り出して飲み込む。
目を閉じると、世界は柔らかい光に包まれた。
気づけば、目の前にはzmがいた。
現実では絶対にできない距離感で、zmは笑いながら手を伸ばす。
「よく来たな、ci」
声は温かく、まるで現実の世界とは別の時間が流れているようだった。
ciは心臓が跳ねるのを感じながら、夢の中でzmに抱きついた。
キス、手のぬくもり、言葉の優しさ___
夢の中のzmは、現実以上に甘く、まさにciが求めているものだった。
**
翌朝、目を覚ますと現実のzmはいつも通り。
emをからかい遊ぶ姿、emと笑い合う姿____ 夢の中のzmとはあまりにもかけ離れていた。
「emさん、今日はたくさん食べさせてやるからな!!」
「やめてよぉzmさん…」
(……夢みたいに甘くない……)
心の中でため息が漏れ、再び薬に頼ろうとする。
次第に薬の効果が薄れ始め、zmと会える時間は段々と少なくなっていった。
「…もっと、zmと会いたい」
その日から、薬を複数服薬するようになった。
現実の生活は、夢の中の幸福を補うための苦行のように感じられた。
**
(……まだ、あの夢の続きが見たい……)
その願望は理性を押しのけ、体を震わせながら薬をもう一錠口に放り込む。
現実の痛みや眠気も、夢の中で感じる温もりのためにはどうでもよくなる。
「……これが、依存ってやつなんか……」
胸に冷たい恐怖が走る。
だがその恐怖よりも、心の奥で芽生えた甘い期待が勝る。
そのとき、静かな足音が廊下から聞こえた。
ciはすぐに体を固くする。
「……誰や……?」
呼吸をひそめ、身を起こそうとした瞬間、扉が静かに開き、zmの姿が現れた。
軍服を脱ぎ、ラフな格好のまま、懐中電灯を手にしている。
「……ci。大丈夫か?」
zmの声は低く、揺らぎのない強さを帯びている。
その声だけで、ciの体は小さく震え、薬の影響でふらついた視線が彼に吸い寄せられる。
「……zm……」
言葉が震え、涙が頬を伝う。
夢で何度も抱きしめてもらった温もりよりも、現実で目の前にいるzmの存在は、心を揺さぶる。
zmはciに近づき、手を差し伸べた。
その手は優しく、でも迷いは一切ない。
「手ぇ出せ。ci。」
ciは少し躊躇したが、すぐにその手を握る。
握り返す力の弱さに、zmは眉をひそめるが、決して怒らずに静かに抱き寄せた。
「……ci、お前……夢に溺れとるやろ?俺、気づいたんや」
胸に頭を押し当てられ、ciは小さくうめいた。
薬の影響で視界がぼやけ、心臓は早鐘を打つ。
「……夢……見て……あの……あの人に……」
言葉は途切れ途切れだが、真実を隠すことはできなかった。
zmは軽く息を吐き、頭を撫でながら優しく囁く。
「もう、ええ。俺がおるから、そんなもんに頼らんでええ」
その言葉に、ciの心は少しずつ解けていく。
胸に刺さった棘が、ほんのわずか、溶けるような感覚。
「……でも……でも、俺……あの夢で……」
ciは必死に抗おうとするが、薬の影響で思考はまとまらず、涙が止まらない。
zmはその肩を抱き、軽く揺すりながら言った。
「夢の中の俺は、俺自身やない。お前が必要なのは、現実の俺やろ。」
その言葉の強さに、ciは息を詰め、震えながら目を見開く。
現実の温もりが、夢よりも確かで、強く、そして優しい。
**
ciが少し落ち着いたところで、zmはベッドに腰を下ろす。
背後に回り、肩に手を回し、そっと抱き寄せる。
「お前、夢に逃げて、俺に触れた気になってただけやろ?」
ciは小さくうなずく。
現実の自分と、夢の中の自分の差に、胸が痛む。
「……zm……俺……」
言葉が途切れ、涙が溢れる。
zmは顔を近づけ、静かに額に唇を当てた。
「泣いてええんや。俺がおるから、誰も責めへん」
その温かさに、ciは初めて心の底から安心を覚える。
夢の中の甘い時間ではなく、現実で抱きしめてもらえる幸せ。
しばらく二人は黙ったまま、互いの存在を確かめるように抱き合う。
「……ありがとう、zm……」
ciのかすれた声に、zmは笑みを浮かべる。
「当たり前や。お前を守るのは俺の役目や」
そのままzmは、ciの髪に軽くキスを落とし、耳元で囁く。
「これからは、夢なんかに頼らんでええ。俺が現実で、ちゃんとお前を抱きしめとく」
**
翌朝、基地の廊下にはまだ静けさが残っていた。
ciは布団の中で少しうつらうつらしている。
昨夜の夢の残滓と薬の余韻で、体はまだ完全には目覚めていない。
zmはそんなciをそっと見下ろし、息を整える。
胸の奥にある、言葉にできなかった気持ちが、今は静かに膨らんでいる。
(……俺は、もう隠さん。ciに、はっきり伝えなあかん。)
昨夜のこと ____… ciが夢に溺れ、自分に本心をさらけ出してくれた瞬間 _____その温もりと表情が、zmの心を決定づけていた。
友達として好きだけじゃない。守るだけじゃなく、側にいたい。ずっと。
zmは少し視線を逸らし、手をもじもじと動かす。
「……あ、あの……その……」
ciはzmの声で完全に目を覚ます。
「……ん?」
「えっと……その、俺……お前のこと、好きや……友達以上に……」
言葉が小さく、恥ずかしそうに震えている。
普段の淡々とした姿からは想像もつかない表情に、ciの胸はきゅんと締め付けられる。
「……本当に?」
ciの声に、zmは一瞬目を逸らし、頬を少し赤く染める。
「……ああ、本気や……だから……俺と……付き合って、ほしい… 」
震える声と照れた表情。
それでも真剣な瞳がciを見つめる。
ciはすぐに笑顔になり、そっと手を握った。
「…うん、お願い…!」
ciが小さく頷くと、zmは少し照れたまま微笑んだ。
「……よかった、ほんまに……」
その声には、普段の冷静さや強さはなく、ただ安心と少しの恥ずかしさだけが残っていた。
ciはその表情を見て、胸の奥がじんわりと温かくなる。
「……zm、手、握ってくれる?」
照れながらも、zmはゆっくりと手を差し出す。
ciがそっとその手を握ると、二人の間に静かな温もりが流れた。
「……うん、これで、もう大丈夫やな」
zmの声は低く、でもしっかりとciに向けられている。
部屋の空気は少し緊張していたが、それは甘くて柔らかい緊張感。
互いに手を握り、視線を合わせるだけで、何も言わなくても心は通じ合う。
「……ci、夢見るん、やめてもらってもええか?」
突然、zmが照れくさそうに呟く。
「……え?」
ciが首を傾げると、zmは顔を真っ赤にして目を逸らす。
「いや、その……夢の中で俺に甘えてくれるんは、嬉しいねんけど……現実でも、俺に気持ちぶつけてくれるほうが、俺はええねん……」
その言葉に、ciは思わず笑顔になる。
「……俺も、そう思ってた」
照れた二人は、少しずつ距離を詰めていく。
zmの頬にciの指が触れ、ciの頬にはzmの手の温もりが伝わる。
「……俺だけで、ええんやな?」
zmが少し恥ずかしそうに尋ねる。
「うん。zmだけで、ええ」
ciは自然に答えた。
その瞬間、部屋の空気が一段と柔らかくなる。
zmは軽く息を吐き、照れながらもciを抱き寄せる。
「……俺が、守るからな」
ciはその胸に顔を埋め、小さく笑った。
「……ありがとう、zm」
二人の手は離れず、時間だけがゆっくりと流れていく。
夢の中でしか触れられなかった甘さが、現実の温もりとしてここにある。
**
完全に日が昇った、朝の時間。
基地の食堂には幹部たちが集まり、いつものように朝食が並ぶ。
朝は幹部全員で食堂に集まる____これは規則でもあり、自然と情報交換の場でもあった。
ciは眠そうな目を擦りながら、席に着く。
今日もいつも通り、自分の定位置 ____
しかし、今日はなぜかzmの隣だった。
「おっ、今日は珍しい席やな?」
rbrがにやりと笑い、ciをからかう。
「ci、なんでzmの隣に座っとるんや?」
shoも笑いながら腕組みをし、じっと二人を観察する。
「うわ、これ絶対照れとるやん」
ciの顔が瞬時に赤くなる。
「……べ、別に……ただ、席が空いてただけや!」
しかしzmは落ち着いた表情のまま、静かにciを見下ろして微笑む。
「……そうか?俺には、わざと並んで座ったように見えるけどな」
その言葉に、ciはさらに顔が熱くなる。
手元のトレイを握りしめ、箸が小刻みに震える。
「そ、そんなこと、ない……!」
utが後ろから笑い声をあげる。
「おー、これは見ものやな。ci、完全に照れとるやん」
knも笑いを堪えきれず、にやにやと声を出す。
「まぁまぁ、仲良さそうでええやんけ!」
周囲の視線とからかいに押され、ciは思わず顔を背ける。
しかし、zmは少しだけ体をciに寄せ、さりげなく手を重ねるような仕草を見せた。
食堂のざわめきの中で、二人だけの静かな時間が流れる。
ciとzmにとって、この瞬間は甘くて大切なものだった。
コメント
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ウホホウッホホホホウッヘヘェ( ◜ω◝ )ゾムニキ最高ぅ゛チノちゃん可愛い~( ´ཫ`)