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『自分のために生きられないのなら、僕のために生きて』 この言葉、とても心に染みました😢 自分のために生きて欲しいと言われるような人に会えたら…と羨ましくなってしまいました。
続きです
「今日はもう寝ようか……
明日ゆっくりお話しようね」
「うん…..」
お話…..か……
「おはよう若井」
「おはよう……」
「朝ごはん食べれる…..?」
「ちょっとキツいかなぁ…..
ごめんね…..」
「大丈夫だよ…..ココアとかコーヒーは飲める?」
「ココア飲む……」
元貴なんでこんなに優しいの……
「(グスッ うぅッ」
「えぇっ焦
若井どうしたのっ?」
「元貴が優しくて…..」
「ありがとう笑
ほらっココアいっしょに飲も?」
「うん…..
おいしい……(ニコッ」
ココアあったかいなあ……
「よかった…..
若井の話せるタイミングでいいからお話できる?」
お話…..怒られる……?
「怒る…..?
お説教するの?
自傷してごめんなさい…….
(グスッ」
「怒らないよ(ギュッ ナデナデ」
「苦しい夜をひとりで耐え抜こうとしたんでしょ?
そんな若井を怒るわけないじゃん」
「元貴…..泣」
元貴優しいなあ…….絶対怒って捨てると思ったのに
「なんで切っちゃたのか、
なにが苦しかったのか、教えてくれる?」
話したら楽になれるかなあ…..
元貴、助けてくれるかなあ……
「大丈夫。僕に話して。
僕は若井の味方だよ」
(ギュッ
もときに抱きしめられると安心する
もときの匂いが、
声が、
体温が。
俺をゆっくりと包み込む
話す前から泣きそうだよ
「ありがとう」
「…俺ね、たまにね、夜になるとなんとなくしんどくなるの。」
「昼間はいつも通りでも、夜は無性にね、死にたくなるんだよ」
「うん…..」
死にたくなるとか言ったのに受け入れてくれるんだ…..
「なんとなく、こう、なんていうのかな」
「夜に呑み込まれる、みたいな」
うまく話せないし、言葉が詰まっちゃうなあ
伝わらないかな…?
「伝わらないよね、ごめんね、」
「大丈夫だよ。伝わってる。ゆっくりでいいからね」
「ありがとう….」
「それでね、呑み込まれそうになったときね、」
「包丁をいつも出してるんだよ」
「ッ………」
「切ろうとして出したんじゃなくて、」
「なんか包丁みると、安心するんだよ」
「いつでもここに逃げられるんだって思えて、気持ちが、楽になるの」
「そっか……」
気持ち悪いと、思ったかな?
「変だよね、気持ち悪いよね、ごめんね、」
「全然そんなことない。大丈夫だよ」
「(グスッ
うん….」
やばい泣きそう
「それでね、いつもはね、包丁眺めて終わりにするんだけど」
「今日はね、切りたくなっちゃったんだよ」
「うん…….(グスッ」
もとき涙目になっちゃった。
俺のせいで
申し訳ないなあ
「今日はね、いつもより、しんどいのが大きかったの、」
「なんかわかんないけど、無性に不安で、息苦しい感じで、」
「消えたくなっちゃったの、」
「もう俺はこの世に最初からいなかったことにならないかなあって、」
「若井っ….」
あぁ、話しちゃった、
こんな話をしたら、元貴まで嫌な気分になっちゃうよね、
「(ギュウッ
若井……頑張ったねえ………….」
「え?」
「ホントによく頑張った。
泣いていいんだよ」
「若井が泣くの我慢してること、知ってるよ」
ああ、もときはホントにすごい
もうだめだ
涙が止まらない
「う”ぅ”ッ泣(グスッ
泣いてもいい…..?」
「もちろん。好きなだけ泣きな
(ナデナデ」
「う”わ”あ”あ”ッッあ”あ”あ”ッッ泣」
我慢して、心の底に押し殺していた感情の蓋が音を立てて、決壊した
「しんどいよぉッ泣
まいにちッッ」
「(ギュウッ」
もとき、なにも言わずに抱きしめてくれてる
大好き、
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッッ泣」
「(若井がこんなに泣いてるの、
初めて見た、)グスッ」
「もときッッ助けてッ……
もうッ辛いよぉ……」
「ほんとにつらいッ
もう何もかもいやだよぉッッ泣」
「あ”あ”あ”あ”ッッ泣
もうッ限界なのッ泣」
「あのままッ首切ったときにッもっと深く切っておけばよかったよぉ泣」
「若井…..そうだね、
辛かったもんね、」
「でも、あのまま僕が若井を見つけられずに死んでたらって思うと、」
「怖いし、かなしいよ、」
「だからいなくならないで……」
「自分のために生きられないなら、
僕のために生きて、」
元貴……自分のために生きられないこと分かるの?
もときが言ってること何もかも図星だ
「僕はずっと若井のそばにいたいからさ、
僕と僕のために生きて、」
「うんッ泣」
「もときッ……
だいすきッ
ありがとッ」
「うんっ(ニコッ」
元貴に抱きしめてもらえると、
元貴に俺の存在を肯定してもらえると、
めちゃくちゃ安心する
もとき、ありがとう
虫の息で、夜に埋もれていた俺を見つけ出してくれて。
お話ししてる間にココアは冷めちゃった
でもその温かさはたしかに俺の心に灯っていた
いかがだったでしょうか。
以上すとむ🌸でした