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brfr 紫桃 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
仕事が終わった控室。
メンバーたちは次々と帰っていき、気づけば残っているのはひづみとネイロだけになっていた。
「じゃあ、俺たちもそろそろ帰ろっか」
ひづみが立ち上がる。
――けれど。
「……っ」
足元がふらついた。
「ひづみちゃん?」
「……大丈夫」
とっさに机へ手をつく。
「今の、全然大丈夫じゃなかったよね?」
「いや、ちょっと立ちくらみしただけ」
「本当に?」
「本当、本当」
ひづみは笑ってみせる。
けれど、その笑顔にはいつもの元気がなかった。
ネイロは少し黙って、ひづみの顔を見る。
「……ひづみちゃん」
「ん?」
「こっち来て」
「え?」
「いいから」
ひづみが不思議そうに近づく。
するとネイロは、ひづみの額に手を当てた。
「……熱っ」
「そんなに?」
「うん。かなり熱い」
「でも、俺そんなにしんどくないよ」
「その言葉、信用していい?」
「……」
「目、赤いし。声も少し変だよ」
「……ばれた?」
「最初から怪しいと思ってた」
ひづみは困ったように笑う。
「ちょっと喉が痛いくらいだったんだけどな」
「それを早く言って」
「心配かけたくなかったから」
「心配するよ」
ネイロは少しだけ困った顔をする。
「ひづみちゃんが具合悪そうにしてるほうが、よっぽど心配」
「……ごめん」
「謝らなくていいって」
ネイロは近くのソファを指差した。
「座って」
「でも、帰らないと――」
「今日は帰る前に休憩」
「えー……」
「えー、じゃない」
「ネイロちゃん、なんかお母さんみたい」
「誰がお母さん」
「ふふ」
「笑ってる場合じゃないよ」
そう言いながらも、ネイロの声は優しかった。
ひづみは観念してソファに腰を下ろす。
「……ほんとにちょっとだけだからね」
「はいはい」
「子ども扱いしないでよ」
「じゃあ大人しくしてて」
「それ、子ども扱いじゃない?」
「いいから」
ネイロは水を取りに行く。
戻ってくると、ひづみはソファにもたれたまま目を閉じていた。
「ひづみちゃん?」
「……ん」
「寝てた?」
「ちょっとだけ」
「はい、水」
「ありがと」
ひづみがペットボトルを受け取る。
しかし、キャップを開けようとして手を止めた。
「……あれ」
「どうしたの?」
「力入らない」
「貸して」
ネイロが代わりにキャップを開ける。
「はい」
「……ありがとう」
「どういたしまして」
ひづみは少しずつ水を飲んだ。
「おいしい」
「それならよかった」
「ネイロちゃん」
「ん?」
「もうちょっとここにいて」
ネイロが目を瞬く。
「もちろんいるよ」
「……よかった」
ひづみはまた目を閉じる。
ネイロはその隣に座った。
「寒くない?」
「ちょっと寒いかも」
「じゃあ、これ使って」
ネイロが上着をひづみにかける。
「ネイロちゃんは?」
「俺は平気」
「でも……」
「今はひづみちゃんのほうが大事」
「……そういうことさらっと言うよね」
「何が?」
「なんでもない」
ひづみは少し照れたように顔を背けた。
しばらく静かな時間が流れる。
すると、ひづみの身体が少しずつネイロのほうへ傾いていく。
「……ひづみちゃん?」
「ごめん」
「ううん」
ネイロが肩を貸す。
「寝てていいよ」
「……いいの?」
「うん」
「じゃあ……ちょっとだけ」
ひづみはネイロの肩に頭を預けた。
「……あったかい」
「ひづみちゃん、熱あるからね」
「ネイロちゃんのほうがあったかい」
「そう?」
「うん……落ち着く」
ネイロは小さく笑った。
「じゃあ、好きなだけ使っていいよ」
「……ほんと?」
「ほんと」
「じゃあ、もう少し」
「うん」
ひづみは目を閉じたまま、ネイロの袖をそっと掴む。
「ネイロちゃん」
「なに?」
「今日、帰らないでほしいかも」
「……そんなにしんどい?」
「そうじゃなくて」
ひづみは少しだけ黙った。
「ネイロちゃんがいると安心するから」
「……そっか」
「変かな」
「全然」
ネイロはひづみの髪をそっと撫でる。
「じゃあ、元気になるまで一緒にいるよ」
「ほんとに?」
「うん」
「約束?」
「約束」
ひづみは安心したように笑った。
「……よかった」
「ひづみちゃん」
「ん?」
「今日は無理しなくていいからね」
「……うん」
「いつもみたいに頑張らなくてもいい」
「……ネイロちゃん」
「なに?」
「ありがとう」
「どういたしまして」
ひづみはネイロの肩に寄りかかったまま、ゆっくりと眠り始める。
ネイロはそんなひづみを起こさないように、静かにその髪を撫で続けた。
いつもは誰よりも明るく振る舞っているひづみ。
そんな彼が安心して甘えられるように。
今日はネイロが、そばにいる。
「……早く元気になってね」
眠っているひづみに、ネイロは小さく呟いた。
控室には、二人だけの静かな時間が流れていた。
コメント
1件
ああ、もうこの空気感、たまらないですね……。普段はあんなに明るいひづみちゃんが、無理してるのを隠してるところ、胸がぎゅっとなりました。ネイロちゃんの「心配するよ」って一言が、ほんとに優しくて。熱で力が入らないって言うひづみちゃんの声も、ネイロちゃんが代わりにキャップを開けてあげる仕草も、全部が愛おしい。最後に「好きなだけ使っていいよ」って言うネイロちゃん、かっこよすぎます。あったかくて、ちょっと泣きそうになりました🌷
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