※nmmn
※捏造あり
※🟦🏺、🦀🏺
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その日の集中力は散々なものだった。
いつもよりダウンが多く署員に笑われている力二を、理由を知っている青井だけがニヤニヤと嘲笑している。
つぼ浦と顔を合わせる度( らだおはもうさっきの事伝えたのか? )ということしか頭に無く、上手く話せない。そんな力二のいつもと違う様子を見て、
『カニくん、今日何かあったのか?体調悪いのか?』
と気を使ってくれるつぼ浦先輩の眩しいほどの優しさに、力二は罪悪感を覚える。
何も大丈夫では無いが、「大丈夫ッス。」と答えた。
あっという間に一日が終わり、退勤した力二は軽く着替え、愛車に乗り込む。
伝えられた時間に間に合うよう退勤したが、青井とつぼ浦はそれよりもかなり早く退勤していた。
今までも2人がほぼ同じ時間に退勤することがあったが、その理由を知ってしまった力二は、さらに嫉妬が募る。
「クソっ、なんとか俺の物にできねぇかな、、」
青井よりも愛と優しさだけは勝っている自信がある力二は、タバコを吸いながら悪態をつく。
「そもそもあいつ性癖歪んでるし、つぼ浦先輩が可哀想すぎる。」
青井と仲が良い力二だからこそ知っていることだが、青井の性癖はかなり特殊、と言うより変態。その欲望を受け止めているつぼ浦先輩は一体いつも何をさせられているのか。また妄想してしまい頭を振る。
「アッ、もしかして、、あいつ口封じのためじゃなくて、実は3Pしたくて俺を呼んだのか?!最低すぎる。」
悶々とあれこれ考えているとすぐに目的地に着いてしまう。道中青井からの電話で伝えられた部屋へと向かう。
部屋を何度も確認し、何度も深呼吸する。一日中、力二の中の天使と悪魔が戦っていたが、天使はもうKO負け寸前だ。最後のミリなライフで力二に「帰った方がいい。」と伝える。が、力二はドアノブに手をかけた。
つぼ浦先輩と対面する覚悟は決めていたが、出迎えたのは風呂を済ませた青井だけだった。いつのも仮面は無く、整った素顔を晒しバスローブだけ身につけている。
「やっほー。やっぱり来たんだ(笑)」
悔しいが、悪魔に負けたのは力二だ。言い返せずベッドの脇のソファーに黙って座る。
「成瀬、男抱くの初めてでしょ?起たなさそうだし酒飲んどけば?買っといた。」
と青井は備え付けの冷蔵庫に入っているたくさんの酒を指さす。飲まなくても多分、いや100%大丈夫だがその本音は隠して、ひとつ度が強そうな酒を取り出す。冷静さを失いたかったからだ。力二は1口呷り、
「らだおの割に気が利くなー。」
と軽口を叩くと「えへん」と返ってくる。
いつも通りのやり取りのようで少し緊張がやわらぐが、青井の次の一言で酒を吹き出してしまう。
「あ、でもこの辺はつぼ浦に飲ませる分ね。
あいつ飲ませると感度上がるんだよねー(笑)」
やっぱり最低だ。こいつ。
酒の力のおかげか、力二は昼よりもオープンな質問をしてしまった。
「つぼ浦さんがこうゆうこと好きなの意外なんだが。」
「そう?俺が初めてだったらしいけど、誘っても用事ある時以外断ってこないよ。」
「それはらだおの圧が強すぎるだけだろ。」
青井に無理やり付き合わされている、そうであって欲しい力二は反論してしまう。
「えー?あっちから誘って来る時もあるし。」
力二の完敗だ。つぼ浦は完璧に青井に落とされている。
しかし体の関係だけなら、心を奪えば良いのでは。この最低な先輩から、愛しの先輩を奪い取ってやる、と力二の闘志がみなぎる。
力二だけ酒を飲みつつ、しばらく青井と談笑する。チルい時間を過ごしていたが、カタンと風呂場からドアの音がし、「お。上がったかなー。」という呑気な青井の横で、今の状況を思い出した力二は硬直する。
『青セン、お待たせしました〜。』
髪を軽く拭きながら出てきたつぼ浦は、青井と同じくバスローブを身につけ、色つきサングラスを外した姿だった。
ぴかぴかと光の宿った幼げのある瞳に、紅く染まった頬、ご機嫌そうに笑うその姿を見て力二の心臓はどくりと鼓動する。
しかしつぼ浦の表情は一瞬にして困惑と驚きを表した。
『?!っえ、なん、?カニ、く、、ん。』
「お前まだ伝えてなかったのかよ!」と力二は青井にツッコミたかったが、風呂上がりのつぼ浦を見て、これから行われる行為を想像してしまい頭が真っ白になる。
固まるつぼ浦と力二を面白そうに見た青井が口を開く
「とりあえず成瀬は風呂行ってきてー。つぼ浦には説明しとくわ。」
力二を風呂場に押し込んだ青井は、困惑するつぼ浦の手を取ってベッドに沈める。
「つぼ浦、今日はいつもより頑張ってね。」
にこりと笑みを浮かべる青井につぼ浦は息を飲んだ。
コメント
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本当に最高です、ありがとうございます…。 こさんのイラストも大好きなのにまさか文字書きもこんなに素晴らしいとは…!!!🟦🏺も🦀🏺も大好きなのであまりの嬉しさに一瞬天へ昇りました。 次回にどれくらい時間がかかろうと楽しみに待っています!ありがとうございます!!!