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『”僕の世界”は、僕が絶対で、僕がトップなの!』
彼は私に良くしてくれた。
転校してきた子だと思った。
でも実際には元からいるらしい。
途中から私は入ったから、知らなかった。
と言っても、私は休むこともなかったから、なのに1ヶ月待たないと会えない、それだった。
でも、成績優良。(勉強のみ)
彼にとって学校はなんなのだろう。
休み時間、よく私の席に来た。
なんだか、私も楽しくなった。
そうして彼は、タケルは教えてくれた。
学校にあまり来ないのはしんどいからだと。
それだけだ、と。
そうして、話してくれたよねタケルは。
『”僕の世界”は、僕が絶対で僕がトップなの!』
『それがなきゃ僕はここにこれない。』
それで、その”世界”を教えてくれた。
他人にこんなに話していいものなのかな。
でも、きっと、彼に間違いはないのだ。
夏休み明けから、彼はまた来なかった。
普段でもひと月1回のペースだから、まぁ…。
なんて思ってたら早4ヶ月。
ふと、思い出す。
“世界が彼を創る”……つまり、そういうこと?
あなたの世界は壊れてしまったのでしょうか?
もう、来られなくなるほどなのですか。
………あぁ、あ。あれも、そう?
『もう死にたい。』
「学校が嫌なの?」
『学校も、家も。』
「そう。」
『居なくなれるなら、どれほど』
「…転校は?」
『する前に死にたい。』
「素敵ね。」
『とめてくれないかな、いつか。』
「私がその時、そばにいられたら喜んで。」
『もう、…ごめんね。』
夏休み直前に、出会して話したの。
あれが最後だなんてね。
ね、最期だったのね。
とめられなくてごめん…って言おうとした。
でも、出来ない環境を作ったのはタケルだ。
私は悪くない。私は……。
ねぇ、あなたの話してくれる世界は大好きだったよ。本当に、心の底からね。
でも、私も世界を失った。
私の世界の支柱はあなただったみたい。
私の世界が、自ら壊れようとしたのよ。
動けない身体を重んじた砦。
ねぇ、一度も会えなかったね。
指の感触さえ知らないの。
きっと誰かの世界に、今の私は生まれるの。
その人には、必ず、私の指の感触を。
心がさびたみたい。
世界が半壊したみたい。
大好きなあの人は死んだみたい。