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【side:壮一】
年末年始はデータの納品に追われて忙しかった。
やっと一区切りついた…。
12月に入ってから一度だけ行ったツキの家で…あいつに会った。マジマジとツキの他の相手に会うのは、いくらそれも込みの関係だとしても正直気に入らない。しかも、ツキを傷付けたヤツ。でもツキはそいつの話しを一切しなかった。
そいつとツキを取り合う気も無い。でもツキをこれ以上傷付ける事は絶対に許せない。ツキに嫌われたくない。俺はツキが望む通りに動くだけだ。
久しぶりにツキへ連絡をし、会う約束をした。クリスマスも終わり、正月が過ぎても街路樹のイルミネーションはまだやっているらしい。久しぶりに会う特別感もあり、待ち合わせをした店の近くに飾られているイルミネーションを夕飯を食う前にツキと見に行った。
「ずっと部屋に篭ってたからなんか開放されたわ。清々しい気分で見るイルミネーションって綺麗だな。」ツキと並んで歩きながら話しかけた。
「そうだね。壮一、そんなに忙しかったの?」
珍しくツキに仕事の事を質問された。
「そうだな。俺みたいな外注請負のSEは自由な様でいて結構納期とかもきっちり決まってたりするから。今回は上の会社からの大きい案件だったから手こずったよ。ってか、ツキに仕事の話し聞かれたの初めてだ。」
「そうだっけ?そういえば壮一の仕事の事全然知らなかった。本当は大変だったんだね。お疲れ様。」
久しぶりに会ったツキは昔よりも人間っぽくなっていて、俺の事を知ろうとしている。この短期間での変化に驚いた。
『あいつか?』
気に入らないが、あの男の顔がよぎった。
「なぁ、今日はやっぱり家行って食おうよ。俺、酒飲みたいから。たくさん買って帰ろ。」
「うん。いーよ、そうしよ。」
一緒に俺のマンション近くのスーパーに寄る。
酒のコーナーで選んでいると、珍しくツキが酒の缶を手に持って「このデザイン可愛い。」と呟いていた。その缶はイルカが泡の間からジャンプしているデザインのサイダー味の酒だった。
「イルカ好きなのか?」
「うん。」
「アルコール3%とかだし、一本だけ飲んでみるか?無理だったら俺が飲むし。」
「…じゃあ、たまには飲もうかな…。マスターには内緒にしてね。僕、怒られちゃう。」そう言って俺の持っているカゴへ入れた。
家に着き、自分の部屋の中の定位置に座るツキの姿がある。本当はずっと会いたかった。自分の部屋にいるツキを見て、久しぶりにツキに会った事を実感すした。俺にはツキの存在が特別なご褒美だ。
仕事を頑張って良かった。頑張ったからツキに会える。
ツキはポケーっとソファに膝を立てて座りながらスマホゲームをしている。今夜はツキとの時間を過ごせる。やっと抱ける。それだけで幸せだと思えた。
風呂に入った後、買って来たつまみや軽食をテーブルに出して乾杯をする。
じーっとツキを観察していると、来た時と同じ場所に座りながらチビチビと酒を飲み始めた。たまに缶のデザインを見たりしている。
「ツキ、飲めそうか?うまい?」
「一口飲む?」ツキに缶酎ハイを渡された。
「なかなか甘いな。」
「ふふふ。」
俺の反応を楽しそうに笑っている。
「なぁ、もしかしてもう酔ってる?三分の一も減ってないけど…。」
「わかんなーい。」
あ、これもう酔ってるわ…。
「つまみも食いな。」
「あーん。」口を空けて食べさせてもらいたがっている。
『えーっと…ツキって酔ってるとこんな感じだったか…?』
ツキとはほとんど酒を飲まないから、ツキの限界がわからない。指でチーズを摘んで口に入れてやると指ごとパクっと食べられた。そのままにっこり微笑んでいる。一年半も前からセフレの関係なのに、不覚にもドキドキしてしまった。
今すぐ抱き潰してやろかと思ってしまったが、まだ飲み始めたばかりだし、とりあえず気持ちを落ち着けて自分も飲む事にした。
「何か映画つけるけど、何が良い?」
「何でも良いよ。」
カーアクションの映画に集中していたら思ったよりハイペースで飲んでしまっていた。1時間以上経っているのにツキはまだあの酎ハイを飲んでいる。
「ツキー?おーい。大丈夫かー?」ツキの顔の目の前で意識確認をする様に手を動かしてみた。すると、缶をテーブルへカツンと置くと急に立ち上がった。
「おろいれいく…」
遂には呂律が回ってない。しかも立ち上がったのに一歩目でズッコケていた。『このツキは新しい!!』ヘロヘロなツキをトイレへ連れて行った。
ドアの前で待っているとなんとか出て来て、やっぱりフラフラしている。「ツキー。おトイレ行ったらこっちで手洗おうなー。」
「はーい。」右手を挙げて返事をしている!
めちゃくちゃ素直な反応が面白い。
「ツキくん、もう飲み終わったんですか?」
「まだれす。」
「残したらダメですよー。」
両手をグーにして胸の前で「がんばりますっ。」とやっていた。保育園モードのやつだ…。
反応が可愛いツキを肴に俺もかなり飲んでしまった。
「のみおわりましらー」
ツキが誇らしげに缶を上げて宣言した時には俺もかなり出来上がっていた。観ていたはずの映画もエンドロールが流れ始めている。
適当に空き缶をキッチンへ捨ててからリビングへ戻るとツキはすでにソファの上で小さくなっている。
ツキの上に跨り「エッチしても良いですか?」と耳元で聞いてみた。
「ん?…いいれすよー」と言って、にこにこしながら自分のスエットのズボンを脱ぎ始めた。
下半身丸出しでにこにこしているツキを抱き抱えてベッドへ連れて行き、邪魔な布を全て脱ぎ捨てた。
「そーいちぃ…ずっときもちぃ…。あっ、あんっ。イっ、イク、イクっ!!!!」
気持ち良さそうにしているツキの胸元には見た事の無いネックレスが揺れていた。
ツキがイッた瞬間、俺も持っていかれそうになった。トロトロになりながら締め付けるツキの奥まで打ち付ける。
『マジで久しぶりに俺も飲み過ぎた…』
「あーなんでそんなエロいんだ?!くそ!もたない。い、く…っ。はぁ、はぁ、はぁ、ヤバい、止まらない。」
久しぶりのツキの中の気持ち良さとアルコールの相乗効果で何度もツキの中へ出した。
・・・・
翌朝、「うー…頭がぁ…痛い〜…。」とベッドの上でツキは苦しんでいた。
「ははっ、やっぱり酒はダメだな。」
「もう飲まないぃ…。」
「また飲もうな。」
「やだぁぁ…。」
その日はツキの具合いが良くなるまでベッドの上でダラダラと過ごした。
ツキのスマホの画面が昨日の夜からよく光っている。
『ツキはまたあいつとも会うのか。』と、憂鬱な気分になった。今は俺だけのツキだ。
ずっと一緒にいたいと思いながら、まだ頭痛で苦しんでいるツキに薬を渡してからしじみの味噌汁を出してやる事にした。