太陽「あ…あ…」かぼそく、今にも泣きそうな情けない声。そんな声が自分の口から出ているなんて思えなかった。
カヒュー、カヒューというかぼそい息が食いしばった歯の隙間からもれる。
俺の目の前はまさに地獄だった。
こぼれでる臓器、むき出しの骨、真っ赤な血の海。必死に助けを求める声。命乞いする声。
「やめてくれぇ…」「命だけは…命だけは…」「かわいいかわいい娘がいるんだ!!許してくれ…」耳にこびりついて離れない。
太陽「お…俺が..やったのか…?」
涙が止まらない。顔をぬぐおうとしてかたまる。手が赤く染まっていた。
太陽「うああああああああああ」
太陽は赤い手を何度も何度も服にこすりつける。しかし返り血をたっぷり吸った服は太陽の手をさらに赤くするだけだった。
太陽「ハァ、ハァ、」息が乱れていく。(ころした…?おれが…?)
「こっちに来るな、人殺し。」 二刃姉さんが俺を睨んでいる。「人…殺したの…?」辛三兄さんが俺に銃を突きつける。
「人殺し、人殺し」四怨姉さんと嫌五が軽蔑した目で俺を見ている。「お前なんか兄ちゃんじゃない」七悪が俺に殺意を向ける。ゴリアテさえも俺を睨んでる。「お前は六美にふさわしくない。」凶一郎兄さんが俺を睨みつけながら言う。「来ないで!!!」六美は俺を突き飛ばした。
太陽「う”ぁあぁぁあぁあぁぁ」
太陽はそのまま気を失った。
嫌五「…あの量ぶっ殺すはすげぇわー。」
二刃「トラウマになるかもしれないねぇ…」
太陽「う”…」
六美「太陽!!」
太陽「ひっ…ごめんなさい、ごめんなさい!!」
六美「え??何が??」
太陽「嫌わないで…お願い….お願いします….」
六美「….太陽。大丈夫。私たちがついてる。」
二刃「あたしたちは太陽を嫌ったりなんてしないよ。」
嫌五「だって家族だろ??」
六美「大丈夫、太陽。泣いてもいいよ。」
太陽「うぁぁあぁぁぁああああああ」
俺は子供みたいに泣きじゃくった。
六美「辛かったね…辛かったよね…」
何度か、あの後もこんなことはあった。でも、俺はもう大丈夫だ。
だって家族がいるから。凶一郎兄さん…二刃姉さん….辛三兄さん…四怨姉さん….嫌五…七悪…そして…六美。
六美を守るため。家族を守るため。
俺は人の命を奪う。
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わぁお