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隣の席の松田くん
僕の名前は雨宮渚(あまみやなぎさ)。
伸びた黒髪にぱっちりした瞳は赤。身長は女子の平均。勉強、運動は、下の上。友達は親友が一人。
恋愛は……した事がない。
高校二年生だ。
始業式から一週間。クラスは一組。席は窓側の端っこ。
いきなりだけど僕は最近、気になる人が居る。
女子に抜群の人気で一年生の時、噂にされていた僕の隣の席の
松田蒼斗(まつだあおと)くんだ。
男子だけどまつ毛が長くて、肌は白く、瞳は澄んだ青色。髪はセンター分けで少しくるっとしていて色は落ち着いたクリーム色だ。
さらに身長は女子が理想とした高さぐらいある。
まさにイケメンの鏡だ。
そして、僕の超どタイプな顔をしている。
だからめちゃくちゃどんな人か知りたい!そして近づきたい!
…って思うんだけど…
周りに女子の軍団が居て喋りにくい。眼がガチ勢だ。まだ一週間しか経っていないのに告白された回数は数え切れない程あるとか何とか…。
そして全員振られている、らしい。
あんま女子に対しても松田くんが喋っているところ見た事ないし。
しかも笑顔はもっと見たことがない。
でも女子が言うには
「見てるだけで幸せ〜」なんだと。
それに対して僕は始業式から一週間経過して、今だに喋れてないって辛いなー。話しかけてもないもんなー。
授業も集中できないよ〜…!
ってかもう昼ご飯の時間だし!!
ムムム…と悩みに悩んでいるとギギッと椅子がこちらを向いたのを感じた。
「ーさっきから…って言うかこの一週間、俺のことずっと見てるけど…何?」
「んえっ?!あっ!いやっ!べ、べつに!その、僕…!!」
気づかれてたーーー!!さすが松田くん!
気配を感じ取るなんて!
でも、どうしよう…。こんがらがって思考回路がうまくいかない。
い、イケメンがこっちをじーっと見てる!!マジちょータイプ!
しかも初会話!
やばい!緊張して、変な感じに!!
「ほんと、変な意味は無くてね?!ただ松田くんの顔がすっごいタイプでー。話しかけたいなーって!思いましてですね…」
「…ふーん」
うわあああ!!
何だよ。「すっごいタイプでー」って!
どストレイトに言ってどうするんだ!自分!
絶対めっちゃ引かれてるじゃん!
汗もやばいし、顔赤くない?!大丈夫?!
いや、こんな時こそポジティブに考えよう。
タイプの人に話しかけられてよかったね、自分!
まあ、悪い方向にだけど…。
ああああ!!!マジで後悔ばっかりだ。
全然違うから訂正したいのに口が上手く動かない!!
明日からどう生きていけばいいんだ!!
少し間が空いて、慌てている自分に今まで見た事がない顔でクスッと笑った松田くんは一秒後とんでもない事を提案をしてきた。
「じゃあ、俺と一緒に昼食食べない?」
「……えっ?」
ーこうして僕は、顔が超タイプの隣の席の松田くんと昼食を食べる事になりました。