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夜11時過ぎ。
そろそろ寝ようかな、と思ってスマホを置いた瞬間。
ぶるるっ。と通知が来た。
画面を見ると――たっつんさん。
『起きてる?』
こんな時間に珍しい。
『起きてるよー!どうしたの?』
送って数秒。
すぐ既読がつく。
でも返信が来ない。
「……?」
首を傾げていると、今度は通話画面。
「えっ!?」
慌てて出る。
「もしもし!?」
『……あー、よかった』
電話越しの声は、いつもより少し低くて静かだった。
「どうしたの?」
『んー……』
珍しく歯切れが悪い。
少し沈黙。
そのあと、小さく。
『……会いたくなった』
「え」
心臓が止まりそうになる。
『なんか今日ずっと考えてまうねん』
「え、えっと……」
『困らせたいわけちゃうで?』
少し笑う声。
でもどこか甘えるみたいな響き。
『ただ、声聞いたら余計会いたくなった』
ずるい。
こんなの反則。
「たっつんさん今日甘えん坊?」
そう言うと、
『……悪い?』
拗ねたみたいな返し。
でもそのあと
ぽつり。
『会いたい』
『ぎゅーしたい』
「っ……!!」
顔が一気に熱くなる。
電話の向こうで、たっつんさんが小さく笑った。
『絶対今赤いやろ』
「たっつんさんのせい!」
『はは、ごめんごめん』
笑ってるくせに、声がやたら優しい。
それから少し他愛ない話をした。
今日あったこと。
メンバーの話。
好きなお菓子の話。
でも途中でふいに、
『……ねぇ』
「?」
『今度会ったらいっぱい甘やかして』「え?」
『今日無理やった分』
照れ隠しみたいに笑う声。
だけど最後に、すごく小さく。
『……ほんま好きやなぁ』
その一言で。
もう完全に眠気なんて吹き飛んでしまった。
通話が終わったあとも、心臓だけずっと騒がしかった。