いくら読み書きが出来て秀才だとしても、彼は思うように他人に自分の気持ちを、伝えられない・・・
もしそれでクラスでいじめなどにあったら・・・アリスはその場をウロウロしながら、手を口元に持って行った
直哉にはああ言ったものの、明のことが心配でたまらない
もうすぐ集団下校で帰ってくる明を待っているが、やっぱり学校までお迎えに行った方が、よかったのだろうか・・・
そう心配していると、明が走って帰って来た
「ありすぅ~~~ただいまぁ~~~」
「まぁ!おかえりなさい!アキ君 」
「ばーん!」
と思いっきり明がアリスに抱き着いてきた、興奮にほっぺをピンクに染めている、キャハハと二人は笑った
「学校どうだった?」
「もう!すっごく楽しかった!ぼ・・ぼく学校大好き!」
「そう!よかったわねーーー!」
ホッと一安心した、二人で手をつないで母屋へ帰る
「お昼ごはんにしましょ、宿題ある?」
「あ・・・ある!、あのねぇ~隣の席のユカちゃんがねぇ~僕字が書けるって言ったらユカちゃんのお名前書いてって言われてねぇ~僕漢字で書いてあげたの 」
「うんうん 」
「そしたらまどかちゃんがねぇ~私も書いてってねぇ~ 」
プッ
「アキ君のお話に出てくるお友達みんな女の子なのね」
「それでねぇ~さなえちゃんのおうちはね~ドーベルマンがいるんだってぼ・・僕ん家は馬が沢山いるってい・・・言ったら知ってるって―」
「ふふふふ♪」
..:。:.::.*゜:.
「そうか・・・アキは学校を楽しんでいるのか・・・」
両手にゴミ袋を持った北斗が星空を、見つめながら言う
二人で牧場の焼却炉に、ゴミ出しをしにいく道すがら、夫婦の会話に花が咲くもちろんアリスは手ぶらだ
「ええ・・担任の先生もさりげなくみんなに、アキ君はゆっくりお話しするからみんな辛抱強く聞いてあげて欲しいって言ってくれたみたいでね・・・アキ君喜んでたわ 」
ホッ・・「じゃぁあの担任はちゃんとアキの事、理解してくれたんだな 」
その時アリスは思い出し笑いをした、直哉よりも遥かに若い新人の男性担任が、うっかりつかまって顔を引きつらせて、明の症状を話す北斗にビビり倒していたのを
クスクス・・・
「可哀想に・・・近藤先生、入学式の前にあの出で立ちの北斗さんに、上から見下ろされてあんなに凄まれたんですもの、一歩間違えればモンスターペアレントよ」
北斗がバツが悪そうな顔をして言う
「近藤先生・・・そんなに・・・・俺・・・怖かった?、まったくそんなつもりは・・・ただ・・・アキのことを理解してもらおうと・・ 」
無理もない・・・彼自身も吃音症を他人に理解してもらうのに、大変な思いをしていたんだ、自分の子供時代と明が重なるのだろうとアリスは思った
なぜだか貞子の出産シーンを見てから、もし自分が母親になったら・・・・と、最近ではそんなことばかり考える
先日貞子の病院にお見舞いに行ったら、彼女も赤ん坊もとても元気そうだった
涙ながらに貞子がアリスの両手を握って言った
グスッ・・・
「アリス・・・あなたはうちの娘の命の恩人よ・・・約束するわ・・・この町で困ったことがあったら何でも言って!、私は何があってもあなたの味方よ!」
「私も貴重な体験をさせていただいたわ」
そう言って二人はまた泣いて笑った
「はぁ~い!(百子)ちゃ~ん、アリスおばちゃんですよぉ~!」
きゃ~!!「なんだか大きくなってない?」
「すごくおっぱいを飲むのよぉ~」
新生児室から連れて来た貞子の子(百子)をアリスが喜んで抱っこする
アリスが取り上げてから数日で顔も何もかもすべて変わっていた
ピンクの産着に今はツルツルのほっぺ、赤ちゃんらしくふっくらしてとても可愛らしい
産後の肥立ちも順調な貞子はとても幸せそうで、母子供に幸福に輝いていた
アリスは百子を見て、未来の自分達の子供に夢を描いた
それを思い出して、アリスは後ろからゴミを出す、北斗の背中にギュっと抱き着いた
「うん?なんだ?ゴミを出す男がそんなにそそられるのか?」
北斗が笑う
「私も北斗さんとの赤ちゃん欲しいわ」
「よしきた任せろ」
北斗がアリスのおでこにキスをする。アリスが北斗の冗談に笑う、手をつないで夜空の小道を二人で歩く
夜の素敵な二人の散歩は、ゴミ焼却炉から薔薇園に向かった、アリスは初めて愛を交わした、薔薇園のガゼボのベッドに腰掛けて言った
「その他にも今の子供達は色々と大変だから・・・アキ君の他にもASDの、障がいを持っている子もいて、ねじっと座って授業をうけられないんだって、でも今日はアキ君がその子のお世話をしてあげたみたいで・・・ 」
アリスの服を脱がしている、北斗が感心したように目を見開いた
「アキが?・・・へぇ~・・・そうなのか・・・、なんだか俺達が子供の頃とは色々違うんだな」
「それにアキくんは案外逞しいかもね」
アリスも北斗のジーンズのベルトのバックルを外す
北斗がアリスのむき出しの肩にキスをする
「でもとにかくアキ君が楽しそうに、学校に行ってくれるのが何よりよ!それに上級生の女の子達にモテてるみたい」
プっ!
「そうなのか?」
北斗が笑う
「あら!私は予想していたわよ学校に行き出すと、きっとアキ君の周りは騒がしくなるってね」
当然とばかりにアリスは得意げに言った
「へぇ~・・・将来が楽しみだな」
月光に照らされた温室で薔薇の香りを浴び、アリスは北斗の口に目を向け、舌を出して自分の唇を湿らせた
それを見た北斗の下半身に火がついた
彼はアリスの頬を両手で包んで顔をあげさせた
アリスはゆっくり目を閉じた
今日は北斗さんが射精をしても、両脚でがっしり彼をつかまえて、すぐに離さないようにしてみようか・・・
それともどうやって、離れないまま続けて二回戦に持ち込めるか・・・
「その可愛い頭で何か悪だくみをしているな」
クスクス・・
「してないも~ん」
「よ~し吐かせてみせるぞ」
..:。:.::.*゜:.
そして その数日後
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