「ねぇ鈴!」
「…何?」
「ちょっ何でそんなにテンション低いわけ?」
この子が言うとおり私はテンションが低い。何故か、それは簡単だ。
「分かった!国語の点数悪かったんでしょ!」
…合ってる
「そうだね」
「え~~っあんたがテンション低いのとかマジ萎えるんですけど」
「うるさっ」
「おーいお前らどうしたの?」
「また増えた…っ」
「オウオウ遠藤ー。何か鈴が国語の点数が低くてテンション低いんだわ」
「ふーん…あっじゃあさ、立花さんに教えてもらえば?」
「えっどうしてそうなるの?バカなの?」
「ウンウン、遠藤良いと思うよ。それ」
「は?」
「は?、とか女の子が言わないの!えー、遠藤君が思うにですね。立花さんは国語が凄くできるし、教え方も上手なんですね」
「ナルホド!」
「しかも可愛いし優しい」
「ホウホウ」
こいつさっきから適当に反応してるだろ。
「俺から頼んでおきますよ!」
「ちょっと!」
「行ってきまーす」
「ハイ!行ってらっしゃい」
コイツらな…
マジでどうすんの?遠藤は「放課後に教室で待っててね」って言ってたけど…
(ガラッ)
「あっ立花さん」
「ごめんね、ちょっと遅れちゃった」
「いや、全然!こっちが勝手に誘ったから、むしろごめん」
「フフッ」
「えっどうかした?」
「ううん、礼儀正しいなと思って、話しやすそうで安心してるの」
と言いながら立花さんは私の横に座った。
「本題に入ろっか、どこが解らないのかな?」
「お、うん、ここから…ここかな」
「ん、分かった。じゃあまずここからだね」
「うわぁ、すごっめっちゃ解る!」
「本当に?!なら良かった!」
「うん、」
自分の事のように喜んでくれる立花さん。
私は立花さんはもっと高嶺の人だと思っていた。どんな奴にも負けずに、高いところで綺麗に咲いているんだと、…そう思っていた。
実際はどうだろう?ちょっと天然がありそうだけど…良い子だな。高嶺よりそこら辺にある小さくて可愛らしい誰にでも愛されるぐらいの花が似合うな。
「これで次のテスト大丈夫だね!」
「頑張るよ」
「うん!」
確かに男子はこういった女子が好きそうだ。
あっ!
「立花さんって他校の男子と仲良いんでしょ?」
「え?」
「あれ?違った?」
「間違っては…ないかな」
「そっか…やっぱりそん中で好きな人とか出来んの?」
「うっ…う~ん、私はあんまり恋愛は…」
「意外だな…」
「えっそうかな…」
「うん、勉強も恋愛も両立してそう」
「ふふっそんな器用なこと出来ないよ」
困ったように笑う立花さん。困らせてしまったか…
「そっか笑」
「…あっ私もう行かなくちゃ…」
「あっもうそんな時間か、長話しててごめんね」
「ううん、私話せて楽しかった!ありがとう」
そう言うと立花さんは走って行ってしまった。
「こちらこそ、ありがとう」
「はぁっはぁっ」
急げ急げ!ただでさえ遅れてるんだから!
私、立花彩は帰り道を自転車で全力疾走中です。
一応勉強会前に忍に連絡しておいたけど、遅くなるのは良くないっ
家に着くとすぐに準備して自転車に飛び乗る
「はぁっ…若武の家まで気が遠い…」
「着いたっ!」
少し息を整えて
コンコン
「こんにちは、皆さんお待ちですよ」
島崎さんがにこやかに答えてくれる
「いつもありがとうございます!」
階段を急いで上がる
(ガチャ)
「遅くなりましたっ」
「っアーヤ!」
若武が大きく私を呼ぶ
「はい!」
反射で答える
「遅ぇ…男だらけの密室なんて何が楽しいんだ…」
「…ごめんね」
「あらかじめ連絡しといてくれて助かったよ」
と笑顔で黒木君
「だね。でも、アーヤがいないから会議なんて出来なかったけど」
ははっと苦笑いをする小塚君
「取りあえず、座れ。いつまでつっ立ってんだ?」
と涼やかに上杉君
「何か忙しかったんでしょ?お疲れ様アーヤ!」
翼がフォローを入れてくれる
「俺、ちゃんとみんなに伝えた!」
と忍が褒めて欲しそうに言う
「うん、ありがとう」
上杉君に言われた通り席に着く
「では、KZ7会議を始める!」
この後はいつも通り上杉君が若武に何かしらの言葉を吐くんだろうな
「ケッ、セブンセブンってうるせぇ」
ほら、ね
私はこれが一番落ち着く。だから恋愛はまだ先かな
「ん!どうしたアーヤ?」
「え、いや、特には」
「じゃあ何でそんな安心するって感じの顔したんだ?」
「え~と、私にはKZがあるから恋愛は当分良いかなって」
しーん…
「えっと…?」
「マジかよ…」
「何か複雑…」
「もうこれは…」
「あははは…」
え、何?どうしたの?表情がかたいよ!
「まぁ、アーヤだしね」
「そうだね、アーヤだしね」
!?
「どういうことよ!」
「…いや~、…ねぇ?」
「あぁ」
何かイラついてきた…
「はっきりしてよ!」
まあまあ、と黒木君がおさえる
「特に意味はないよ。な?」
みんなが一斉に首を縦にふった
「…なら早く会議を始めて下さい」
…みんなあからさまにほっとして、もうっ
「おう!じゃあまず今回の事件についてだ!」
何だかんだ言ってやっぱりみんなと居ると楽しい。
「だっから!何でそんなに曖昧なんだ!」
「しょうがないだろ!情報の出所が難しいんだ~!」
「そんな事件持ってくんなよ!」
ギャー!ギャー!!
…この数秒で何でこんなになるのよ
f i n
コメント
3件
みんなもぞもぞとした反応で可愛い
なんで皆反応かっこよくできないの? 「アーヤが恋愛について話したぞ!」とかも良かったよ!!!
アーヤの鈍感なところ大好き! これからも鈍感でいてね!