コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
目を覚ますともう陽が傾きかけていた。まもなく夕飯の時刻だ。夜に眠れない分、どうしても日中間うとうとしてしまう。
机の上にシュークリームが置いてある。ホワイトクラウドのものだ。
自分でもあからさまなほどがっかりする。
せっかく来てくれたなら、遠慮せずに起こしていけばいいものを。変なところで気を使われるので、こちらも困る。
昨夜、またパニックになって鎮静剤を注射された。
夜、暗い部屋で目を瞑ると思い出す。
骨と皮がチグハグになるほど歪んだ顔を。何度も、何度も繰り返される痛みを。
ここから出たくない。逃げ回る必要もなく、誰のことも巻き込まず、安心できるこの場所を。
傍らに置いてあるガラス玉を見る。
私には、二人の男がたまに持ってきてくれる甘いお菓子と、この綺麗なボールがあれば、他には何もいらない。