斎藤悠真様のお話
それは突然だった。
大型客船「ノーザン・ホープ号」は、晴れやかなクルーズの真っただ中。
乗客のひとり、大学生の**斉藤悠真(さいとう ゆうま)**は、卒業旅行で南国の島々を巡る最中だった。
ところが、夜中に突如として空が荒れ狂い、船は巨大な嵐に巻き込まれた。
雷鳴と大波が船体を打ち付け、数時間後には甲板すら傾き始めていた。
「まさか……沈むのか……!?」
救命ボートに乗る間もなく、悠真は海に投げ出された。
次に目を覚ましたとき、悠真は白い砂浜に打ち上げられていた。
目の前には青く透き通った海。背後には、密林のようなジャングル。
「……ここはどこだ?」
周囲を見渡しても、人の気配はない。携帯も、時計も、靴さえも失っていた。
唯一残っていたのは、防水ポーチに入れていたポケットナイフと濡れたライターだった。
「助けが来るまで……生き延びるしかない」
悠真の、長いサバイバル生活が始まった。
最初の一週間は過酷だった。飲み水の確保、食べられる植物の見分け方、
雨風をしのぐためのシェルター作り。全てが手探りだった。
2週間目には、魚の取り方も覚え、木の実の毒見も習得していた。
人は、必要に迫られれば、こんなにも強くなれるのか。
孤独と戦いながらも、悠真は日記代わりの木板に日数を刻み続けていた。
ある夜、焚き火のそばで眠っていた悠真は、物音に気づいた。
草むらがガサリと揺れ、小さな人影が飛び出した。
それは少女だった。痩せ細り、髪は伸び放題。
だが目には確かな知性と警戒心が宿っていた。
「……誰だ?」
少女は、言葉を話さなかった。
しかし、悠真が差し出した水と果物を受け取り、黙ってうなずいた。
それが、無人島に2人目の”生存者”がいると分かった瞬間だった。
少女の名前はマナ。事故でこの島に漂着して3年が経っていた。
彼女と協力し、悠真は救助信号を大規模に発信する方法を探した。
ついに100日目、大きな煙を上げた焚き火が、遠くのヘリコプターの目に留まる。
「おーい!ここだ!!」
無人島生活、100日と3時間目。
2人はようやく、人の世界へと帰還した。
日本に戻った悠真は、生きる意味について深く考えるようになった。
マナは、遠い島国で保護され、新しい家族と暮らしている。
悠真の日記の最後のページには、こう書かれていた。
「あの島で、僕は“生きる”ということを知った。」
コメント
4件
あおいさいっていやなwwwwwwwwwwww
今からパクらせていただきまーす!
おもろいからパクっていい?????