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レオと明の校舎の裏には沢山の桜が植えられていて、今は散り際真っ最中だ
桜の木の下は一面まっピンクの絨毯が敷かれている
チラハラ舞い散る桜の下に、ランドセルを背負ったアキが佇み、キラキラした瞳で桜をじっとみていた
「よぉ!何してんだ?」
「あっ!レオくぅ~~ん(はぁと)」
下校時間レオが明を見つけて駆け寄って来た、しばらく二人は桜の下に佇んでじっと桜を見た
「あのね!あのね!桜がとっても綺麗だからアリスに持って帰ってあげたくてね!でも沢山採っちゃうと可哀想だから、アレならいいかなって・・・ 」
レオが明の指さす方を見る
「ああ・・・あの折れかけのヤツ?」
「そうそう!でもすっごい高い所にあるから無理かなって・・・ 」
「ふぅ~ん・・・ 」
よっとレオがランドセルを肩から外し、サルのように素早く桜の樹に登って行った
「レオくん気を付けて~~ 」
ハラハラしながら明が下からレオを除いている。ピョンとジャンプしてレオが、高い桜の樹から飛び降りた。右手には明ご所望の桜の枝を持っている
「ほらよ!」
「ありがとう~~~~!」
レオから受け取った顔ぐらいの大きさの、桜の枝を見て明がとても喜んでいる。桜の花越しに嬉しそうな明の瞳がキラキラしてる。それを見ると特に理由もないのに、レオの体に小さなさざ波が起こる
カエルが騒ぎ出す前兆だ
「お前、姉ちゃん好きだな 」
「うん!僕!アリス大好き!」
あはは「レオ君耳に桜がついてるよ~ここにも、ここにも 」
「ふん!お前が取らすからだろ」
耳についてるレオの桜を取ってあげてる、明は声をあげて笑った、レオはわざと明を睨みつけたが、しかめっ面の上に笑みがじわじわと広がった
磁石の陰と陽が近づくとぴったりくっつくのと、同じ力に動かされ、二人は視線をピッタリ合わせ、お互いを見つめ合う
ふいに明が微笑んで言った
キラキラキラ・・・「僕!レオ君だぁ~~~い好き!」
ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!ぴょこ!(レオの腹カエルぴょこ度MAX)
―バタンッッ―
キラキラした明の笑顔が天使すぎて、それをまともにくらったレオがバッタリ後ろに大の字になって倒れた
「わーっレオ君!どうしたの?」
口を半開きにして無表情のままレオは、宙を見る
「・・・やめろ・・・そのキラキラを俺に振りまくな・・・ 」
「れおく~ん(困)大丈夫~? 」
明がレオの両手を持って、レオを座らせ、両手でレオの顔を挟み、自分のおでこをぴったりとくっつけた
ピトッ「お熱ある?」←アリスにいつもやられてる
たちまちレオがはじけ飛んで明と距離を置いた
「おっ・・俺に近づくな!」
「え~?どうしてぇ~?」
「お前が近くに来ると腹のカエルがうるせ~んだよ!!(怒)」
「言ってることがわからないよぉ~レオくぅ~~ん 」
苛立ちを隠せないレオがドンッと明を突き飛ばす、ぜんぜん応えていない明が、レオにさらに近づいて顔を覗き込む
「離れろっっ!触るな!」
「え~?なんでぇ~?」
しばらく二人はわちゃわちゃしながら、転がるように下校して行った
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それは また
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その頃アッキーズの皆さんはというと・・・・
ー兵庫県立辰巳小学校生徒会室―
放課後の生徒会室の入口には、大きな張り紙が貼られていた
『アッキーズ運営対策幹部交流会』
バンッ「くやしいわっ!レオのおかげでアキ君に、近寄れない!」
野々村さんが悔し気に、会議室のテーブルを叩き無念の表情を浮かべる
「そうよ!レオのヤツ!いったいなんなの!」
「私なんてレオのおかげで一週間、アキ君と話せてないのよ!」
浜田さんと野々村さんが憤慨している、永原さんは我関せずに、カメラのレンズを拭いている
「よぉ~し!こうなったら何がなんでも、アキ君とレオを引き離さないと 」
「アッキーズ存続の危機よ!」
「そうよ!そうよ! 」
えいえいおーっと、野々村さん浜田さんが結束を硬くする
「私は反対だわ 」
その時会議室の向かいに座っている、いつも無口な永原さんが口を開いた
「・・・まぁ珍しい」
「いつも発言をしない、永原さんがしゃべったわ」
「どうして?永原さん?、レオにアキ君を取られて悔しくないの?」
「あら!私だってレオにはずっと、腹を立ててたわ 」
永原さんが悟ったような目で遠くを見つめる
「・・・少し・・・・考え方が変わったの・・・・ 」
「・・・・・・ 」
「どういうこと?」
永原さんが、ipadをみんなの前にすっと指し出す
「こっ!これは!!」
「まぁ・・・ 」
ipadのページ一杯に、桜の花を間に挟んで見つめ合うレオと明の写真が広がっていた
ホォ・・・「なんということでしょう・・・・」
「・・・美しい」
三人全員があまりの美しさにため息をつき、そのipadに食い入るように見つめる
その写真は桜の花の背景が綺麗にぼかされ、明とレオの瞳に見事に焦点が絞られている、そしてアキレオのお互いが、ハッキリ瞳の中に映っている
永原さんの腕はたしかによかった、二人への愛がなければこんな写真は撮れない
明がレオを見る顔はいかにも親し気で、レオに穏やかな笑みを浮かべている
タイミングを見計らって、スッと永原さんが画面を横にスライドした
次の写真もまたよかった、レオの背中におんぶされている明の表情、こぼれそうな笑みを浮かべている
次々に永原さんが画面をスライドしていく
そこには体育後お互いの汗を拭き合う二人
机に突っ伏して寝ている明の枝毛を隣で裂いているレオ
明が苦手な給食のグリーンピースを、レオに無理やり食べさせている所、嫌々ながらもレオは口を開けている
体育の時間グランドに座って、お互いを枕にして寝っ転がって待機している、明とレオ
あまりの驚きに固まっている、野々村さんと浜田さんに永原さんが言う
「この他にも加工バージョンを入れて200枚ほどlineグループでご披露しようかと、アカウントを作ったわ、完全な招待制、無断転載も出来ないようにセキュリティもバッチリよ、私が認めた人でないと絶対入れないの 」
パタンとipadを閉じてさっと永原さんが、ランドセルに隠す
「あっ!」
と二人が震えて、物欲しげにipadを見つめる浜田さんはまだ見たそうに手まで出ていた
二人はおあずけを食らった、犬のような目で永原さんを見る
「私達はあくまで二人の愛のお裾分けを、少しだけ頂くの・・・・」
キラリと永原さんの黒ブチ眼鏡が光る
「私達の応援する方向性を大きく修正しないといけなくなるけど・・・とりあえずは今いるアッキーズに振るいをかけて
ごくごく少人数で・・・・守秘義務を守れるメンバーだけに厳選して、あくまであの二人を純粋に陰から見守るの。野暮な考察はしないで、ごくごく自然に・・・ありのままを受け入れるの、どうかしら? 」
しん・・・・と会議室は水を打ったように静かになった
「おっ・・・おっ・・・ 」
野々村さんと浜田さんがプルプルして震えている
キャー―――ッッ!「『推し』がBLなんて最高じゃーーーーっっ(泣)」
「見守りましょう!ええ!!私達!これからもあの二人を見守っていきましょう!!」
バンザーイ!バンザーイ!「腐女子の我々に幸あれーーーっっ!!」
「バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ」
新たな方向性でアッキーズの楽しみ方が増えたことに、三人は万歳三唱をいつまでも叫んだ
アッキーズに幸あれ (笑)
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