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桃李「なんでだよぉ…(泣)!!」
ないこ「だからぁ…」
起き上がって、俺は桃李に養子縁組届にはまだ署名しないと伝えた。
それは決して桃李と家族になる気がない、と言うわけではなくて、今俺が桃川家の一員になるのは余りにも不相応だと思ったからだ。
第一、俺は桃李の両親にも会った事が無い。
ないこ「別に嫌なんて言ってないじゃん!!!、うれしかったし…(小声)、、、それに!お義母さんとかにも挨拶してないんだから…いきなりってのはちょっとダメでしょ…」
そう言うと桃李は安心した様な顔をして、俺の頭をわしゃわしゃと撫でた。
桃李「そうだな!お前が安心すると思ったけど、もうしてくれたみたいだし、よく考えりゃこんな紙切れ無くてもないこは俺の弟だ!!」
でも、と桃李は続けた。
桃李「お袋達に会えるのは、いつになるかな…」
桃李は、ふっと悲しそうな表情を浮かべ、釣られて俺が不安そうな顔をした瞬間パッと顔を戻した。
桃李「んな顔すんなって!!…俺が、正式に当主になったら、この用紙を役所に提出しよう!!そしたら俺も頑張れるし、お前も兄が偉大な男で嬉しいだろ?笑」
ないこ「うん、」
太陽みたいに笑う兄に、俺は心底この人の弟で良かったと思えた。
桃李「あ!!」
不意に桃李が大きな声を出す。
桃李「三番街!!着いていてくれるよな!?!?」
ないこ「ぇ、、あぁー、、桃李が良いなら?」
覚えてたのか…正直俺は忘れてた。
桃李「良いに決まってるだろ?俺が紹介したいんだ!!それに、お前実は興味あるだろ?三番街。」
そうして、桃李は俺の部屋に置いてあった筈の旅行パンフレットの付箋の貼られた19ページ、「三番街」特集を開いて見せた。
ギクッ
ないこ「な、んで桃李が持ってんの、?笑」
桃李「んー?笑、なんでだろぉなぁ??まー、誰かさんがグースカ寝てる間に覗き見たとかぁ…じゃないと良いなぁ?笑笑」
ニヤニヤしやがって…!!
最初から俺はコイツに負けていたのだ。
悶々とした気持ちが胸の中で渦巻く。端的に言えば恥ずい。メッチャはずい。
ないこ「うがぁあああああーーーー!!!!!///」
桃李「はっは!笑!」
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ないこ「…ってな感じで…って、」
初兎「ニコニコ」
ないこ「随分うれしそうだね、??」
起こった事を簡潔に話し終えると、しょうちゃんは何故かにこにこと微笑んでいた。
初兎「はい!うれしいんです!…ないこさん、くん?」
まだ呼び方に戸惑っているらしい。首を傾げながら考える姿は可憐だ。
ないこ「ないちゃんで良いよ笑、俺も初兎ちゃんって呼ぶし。」
初兎「ないちゃん…と、桃李さんが、お互いの事大好きなのが伝わってきて…」
伏せた大きな目が細まって、笑みを作る。
きっとこれは純粋な、本心からの言葉だ。
ないこ「…//」
ちょっと照れ臭い。
ないこ「でも、分かってくれたよね?」
初兎ちゃんが顔を上げて俺を見つめる。
ないこ「絆に血は関係無い。…って言ったら語弊が産まれるかもしれないけど…そうだな、、初兎ちゃんがいむくん、?を好きって気持ちと、これからも一緒に居たい、って言う気持ちは、全然悪いものじゃないんだよ。」
「だから…」と俺は続けた。
ないこ「初兎ちゃんはどうしたい?」
真っ直ぐに目を見つめて言った。
初兎「ぼく、、、、僕っ…!!」
ないこ「…うん」
初兎「‘‘これからもいむくんと一緒に居たい!’’」
初兎ちゃんは眉を下げ、今にも泣きそうな顔でそう言った。
ないこ「わかった。」
こんなに小さな子がこんなに悩んだんだ、もう十分だろ。
俺は腰を上げ、喫茶店の会計を済ませた。
ないこ「行こっか!」
初兎「どこ、に…?」
ないこ「決まってんじゃん…笑」
俺は悪い笑みを浮かべた。
ないこ「その宗教とやら、ブッ潰しにだよ。笑」