「奏、大丈夫か?」
「なんとかね…それよりさ、僕…花月のこと…。」
「それ以上言うのはやめなさい、奏。」
「でも…皆も花月のこと好きなんじゃないの…?」
「そんなくだらないことを考えたら、また同じ思いをするだけです。」
「なんで好きじゃダメなの…?僕は隠したくない…。」
「柚のときのことを忘れましたか?」
「花月は柚の時みたいにはならない…それならいい?」
「柚の時みたいにはならない…?そんなもの今の状態では言えないでしょう?」
「悠夜は、皆にあんな思いをさせたくないのよね…そして彼女にも。本当は花月チャンのことが大切なんでしょ。」
「別に嫌いではありませんが…。」
「少しは自分に正直になったらどう?花月チャンを巻き込みたくないから、裏庭でわざと怖い思いをさせたんでしょう?劉磨クンは気づかなかったみたいだけど…。」
「でもそうやって…いつまでも隠してるから…劉磨は苦しんでる…失った記憶を取り戻そうとして必死にもがいてる。」
「では言えというんですか…?私たちが柚を追い詰めて苦しめたと…柚を殺したと言えばいいのですか?」
「それは……。」
「少し…頭を冷やした方がいいのかもしれませんね。愛に溺れるなど…下等生物のすることです。最近の私たちはどこかおかしい…手遅れになる前に…戻らなければ…。」
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