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黄色い勇者 side――――――――――
──翌朝
「……ねむ」
目を覚ますと見慣れない天井が目に入った。
「そうだ…昨日ここに泊まったんだっけ」
隣を見ると紫色の魔法使いはまだ寝ている。緑色の聖職者は布団にくるまっている。赤色の弓使いは――
「……どこ行った?」
俺はベッドから降り、店の方へ向かった。
カウンターの向こうには、店主がいた。
朝から何か作っているらしい。
黄色い勇者
「おはよう」
店主
「……おはよ」
黄色い勇者
「眠そうだな」
店主
「誰かさんが昨日遅くまで起きてたからな」
黄色い勇者
「俺のせい?」
店主
「半分くらい」
黄色い勇者
「半分かよ」
そういえば昨日の質問なんだったんだろう。
黄色い勇者
「昨日の夜さ、なんであんなこと聞いたんだ?」
店主
「……あんなこと?」
黄色い勇者
「俺たちはこれからも戦いに行くのかってやつ」
店主
「なんとなく」
黄色い勇者
「なんとなく?」
店主
「なんとなく聞きたくなった」
黄色い勇者
「へぇ…?」
何かが引っかかると思いつつも出された朝食を食べ始めた。朝食を食べ終える頃には他の3人も起きてきた。
赤色の弓使い
「おはよー……」
紫色の魔法使い
「おはようございます」
緑色の聖職者
「……お腹すいた」
紫色の魔法使い
「お前は起きて第一声それかよ」
黄色い勇者
「赤色の弓使いはどこいってたんだよ」
赤色の弓使い
「あぁ、トイレ」
黄色い勇者
「トイレかい」
朝食を済ませ、俺たちは出発の準備を始める。
赤色の弓使い
「今日はどうする?」
赤色の弓使いが机に地図を広げる。
黄色い勇者
「南の森を抜けて、その先の街まで行こう」
紫色の魔法使い
「魔王城に近づくなら、そのルートが一番早いね」
緑色の聖職者
「途中に魔物が多い場所があるけど」
黄色い勇者
「なら俺が先に行く」
紫色の魔法使い
「お前また一人で突っ込むつもり?」
黄色い勇者
「今回は大丈夫だって」
紫色の魔法使い
「昨日もそう言って死にかけただろ」
黄色い勇者
「あーぁ、紫色の魔法使いがあの時後衛ちゃんとやってればなー?」
紫色の魔法使い
「なんだとこの野郎!?」
その様子を店主は少し離れたところから見ていた。
黄色い勇者
「じゃあ、行ってくる」
俺がそう言うと、
店主
「気をつけてな」
店主が返答してくれた。
黄色い勇者
「分かってる」
店主
「絶対無理するなよ」
カランコロン、と鈴が鳴った。
紫色の魔法使い
「行ってきます!」
赤色の弓使い
「行ってきます!」
緑色の聖職者
「また帰ってくるからね」
そうして俺らは町を出た。
目的地は南の街。魔王城へ向かうための大事な中継地点だ。魔王城に行くのはまだ先だが、中継地点の安全確保のため、今日はここに居る魔物を狩るだけだ。
俺たちは歩きながら話をしていた。
紫色の魔法使い
「そういえばさ…あの店、結局何の店なの?」
全員
「……」
赤色の弓使い
「分からない」
緑色の聖職者
「俺も」
黄色い勇者
「店主に聞いたことないの?」
紫色の魔法使い
「ない…」
赤色の弓使い
「じゃあ今度聞いてみようよ」
緑色の聖職者
「今度っていつ?」
黄色い勇者
「帰ってきたら」
紫色の魔法使い
「そうだね」
俺は振り返った。遠くに小さな店が見える。店主はまだ外に立っていた。
俺たちが見えなくなるまで、見送っているらしい。
紫色の魔法使い
「……変な人だよな」
赤色の弓使い
「優しい人だよ」
緑色の聖職者
「まあ、それはそう」
俺達は前を向く。そして仲間たちと一緒に歩き始めた。
――――――――――
コメント
1件
おお、第2話! 勇者たちの旅立ちの朝って感じで、出発前のほのぼのした空気感が良かったな。特に店主との「半分くらい」とか「なんとなく」みたいな会話の節々に、何か隠された事情を感じさせるミステリアスな雰囲気があって、めっちゃ気になるわ。 あと、パーティーのメンバー同士の軽口叩き合ってる感じが自然で、漫画の一コマみたいな想像しやすい描写だった。店主が見えなくなるまで見送ってるってところ、くるものがあったな…。この店、普通の宿屋じゃなさそうだし、今後が楽しみすぎる🔥
78
蒼乃
1,271
翠(´・ω・`)
30,294
#我々だ