物語始まる前に
⚠︎︎注意書き⚠︎︎
この物語は元垢、麗奈@ペア画中/桃裙リアコのひとつの物語。”救いの手”の修正版です
麗奈@ペア画中/桃裙リアコは自分の元垢のため、パクリ疑惑はお辞め下さい。
自分が苦手だな、などと思いましたら読むのを控えください。
本人様はご関係ありません。本人の名をコメントに出すのはお控えください。
ここまで読み、大丈夫だと言う人は物語を
楽しみください。
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七瀬(ナナセ)桃 16歳
蒼猿(アオザル)青 18歳
紅葉(クレハ)赤 17歳
樹原(キハラ)黄 17歳
徒波(トハ)橙 18歳
時雨(シグレ)紫 16歳
薄暗い夜の中
周りは家のライトで光っている
俺を、導くように。
?「大丈夫?」
一人の青年が俺に話しかけた。
こんな、汚く
誰も俺を見もしてくれなかったのに
?「裸足だし、家はどうしたの?」
次の質問
そういえば、俺裸足だったな
靴とか、履くひまなかったし。
そしてなりより…
桃「おい…だされた…」
小さく俺は呟いた
その後に、目からたくさんの水が垂れてきた
こんなことははじめてだ
どうして止まらないの
俺は涙を止めるのに必死だった。
その時、青年は呟いた
?「僕の家においで」
光が青年を照らすように
その誰も悲しませない笑顔を
青年は見せ、俺を連れ出した。
青年の家につき
リビングというところに行かされた
?「まずは僕の名前からだよね。」
青年は呟き
優しげな声でこう言った
青「僕の名前は、蒼猿 青。よろしくね」
青年は蒼猿 青と言い放った後
俺を優しく包み込むように、こう言った
青「君の、名前も聞かせて?」
俺の事をじっとみながら
青「ゆっくりでいいからね。」
そう呟いて、俺を待ってくれた
少し、心を落ち着かせ俺は放った
桃「七瀬…桃。」
俺の名を聞いた時、蒼猿さんは頷き
桃くんね、よろしく。
そう言った
俺は思った
この人は違う、と
今まで会った人の中で、この人は違う
俺を包んでくれる、その言葉を
今日、はじめて受け取ることが出来た。
蒼猿さんは、言い放つ
青「僕の家族、紹介するね!! 」
にっこりと微笑み、俺の手を優しく掴み
次の部屋へと進む。
向かった先には
襖があり
蒼猿さんはロックをし
ドアを開ける
青「お二人さん、桃くんを手当てしてくれない?」
蒼猿さんの前に居た人は
黄色髪をした人と
赤色髪をした人がこちらを見ていた
?「その子、どうしたの?」
赤色髪の人がそう言った
俺を見ながら
少し視線は強かったが
なぜか優しげの感じがした
だが、俺にはその視線が怖く
蒼猿さんに抱きついた
青「大丈夫、怖くないよ」
青「二人とも自己紹介しなよ。桃くん怯えちゃうでしょ?」
蒼猿さんがそう言ってくれて
相手二人は怖くなくなった
そして、黄色髪の人が言い出した
黄「そうですね、僕は樹原 黄です。」
黄色髪の人は樹原 黄さん。
赤「俺は紅葉 赤!!よろしくね!!」
赤色髪の人は紅葉 赤さん
どれも知らない名前の人達だったが
この人たちは、なぜか信頼出来るという気持ちが少しあった
青「この子は七瀬 桃くん、今日拾ってきたの!!」
そう聞き、樹原さんと紅葉さんは驚きが隠せていない
そう聞いた紅葉さんはすぐ救急箱を取り出し
赤「確か、傷があるんだよね!!手当てするからおいで!!」
と、言い俺の事を手当てしてくれた
この人たちは暖かい、そう感じた
少し時間が経った時だった
?「あれ、この子誰?」
?「俺知らん〜」
紫色の髪の人と
橙色の髪の人が出てきた
見たこともない
聞いた事のない声のせいで
俺は動きが出来なかった
その時。
赤「こら!!二人とも何してるの〜!!」
さっき俺を手当てしてくれてた
紅葉さんが襖から出てきた
どうやら二人は知り合いらしい
?「この子誰なん?見たことないねんけど」
指を指され、俺は怖くなった
この人、身長高い
なんか俺より年齢高い気がする
と、思っていると紅葉さんが言い放った
赤「この子は七瀬 桃くん!!青ちゃんが拾ってきたんだよ」
紅葉さんが俺の事を説明してくれた
だけど、少し罪悪感がある
俺が自己紹介してれば、紅葉さんは言わなくてよかったのに。
紫「桃くんか!!俺、時雨 紫!!よろしく!!」
紫色の髪の人が、時雨 紫さん
橙「徒波 橙、よろしゅう」
橙色の髪の人が、徒波 橙さん
時雨さんは、優しく見えて怒ると怖そう
逆に徒波さんは、時雨さんの守りみたいな
なぜかそんな感じに見えてくる
これが想像力ってもんなのか。
黄「あれ、全員集合ですか?やけにリビングに集まってますね」
騒ぎを聞いたのか、隣の部屋に居た
樹原さんが顔を出してきた
その後ろには、蒼猿さんもいる
赤「おや、全員集合しちゃったね〜」
紅葉さんが一言言う。
そして、徒波さんが 俺は部屋戻る といい
部屋に帰ってしまった
紫「にしても、桃くん服汚れてるよね〜」
時雨さんに言われた
確かに思えば服は汚れてるし
匂いもあまり良くない
外見から見ると、とても気持ち悪い人にしか見えない
桃「…」
何も言えない
お風呂もあまり入ったこともないし
なんなら、ご飯だって…滅多に…
桃「…っ?!」
急に頭に刺激が走った
この感覚、どこかでなったことがある
それに、考えたくもない記憶
気持ち悪い。
呼吸が出来なくなって
周りは何も見えない
みんなの顔、見えなくなった…。
俺は地面に倒れ込み、その後の記憶はなかった。
目が覚めると
ベットの上だった。
青「あ、大丈夫?」
蒼猿さんがベットの隅に居て、俺に声をかけた
何があったのか覚えてない。
そう伝えると、蒼猿さんは頷き
覚えなくていいと思うよ。
と、言われた
だけど、そう言われると地味に気になってしまう
また後で、違う人に聞こう
と、思っていた時だった
青「やっぱ、気になるよね」
そう言われ、俺は首を縦に振った
俺の聞きたいということがわかったらしく
蒼猿さんは話をはじめた
俺が倒れた瞬間。
周りにいた人達はパニックになったけれど
紅葉さんが対応してくれて
一人一人の役割をつけて
俺をベットまで運んだらしい
そして、樹原さんにはどうしてこうなったかの原因を突き止めようとしているらしく
申し訳なさと、罪悪感が残っている
桃「後で…謝らないと。」
みんなにこんなに動いてもらった分
感謝をしないといけない。
俺はそう思った。
けれど、蒼猿さんが
謝らなくていいよ。
大丈夫、桃くんのことはみんな気にかけてるよ。
と、俺に慰めの言葉をかけてくれた
リビング
ドアを開けて
周りを見渡すと
ソファに寝転んでいた。徒波さんがこちらを見る
橙「体調はよくなったん…?」
さっきのことだろう。
部屋に戻っていたはずだけれど、騒ぎを聞いて戻っていたらしく
俺の事を一番心配してくれたみたいだ
桃「大丈夫…さっきは、ごめん…なさい」
やってくれたことには感謝をしないと行けない
そのため、俺は徒波さんに謝った
すると徒波さんは笑顔でこちらを見て
謝ることはあらへんよ。
と、話してくれた。
橙「そ~いや、お風呂入っとらんよな」
言われてみればそうだ
お風呂のことを話していたけれど
話が急変してたからな…
橙「俺も入る予定やし、一緒に入ろ。」
そう言い、徒波さんは俺の手を掴み
風呂場へと連れて行った
橙「…傷だらけやな」
お風呂なんて、いつぶりだろ
ちゃんと入ったこと無かったし
何より、傷が合ったから入れなかったし
どうか、染みりませんように
桃「あつ…」
湯船…?って言うものにまず浸かるらしいけど
掛け湯もするらしいけど、お湯の温度が高くて
入るまでに時間がかかった
橙「熱かったよな、ごめんな」
徒波さんのお風呂のお湯度らしいけど
俺にはまだ早かった。
少し時間が経った時だった
鼻から何か出てると気づいた
赤いのが垂れている
鼻血…?
俺はすぐさま鼻を抑えて
徒波さんに合図する
すると、徒波さんは風呂場を出て
タオルを持ってきてくれた
お風呂って、ずっと入ってたら鼻血出るのかな
久しぶりだったから、わかんないや
鼻血が少し収まった時
徒波さんから言われた
橙「のぼせたみたいやな。」
のぼせた…?
なにそれ
俺は混乱した
聞いたことない言葉
桃「のぼ…せたって、なに…?」
俺がそう言うと
徒波さんは驚きながら、俺に説明してくれた
橙「服少しでかいな…」
時雨さんの服を借りているけど
袖が長い。ダボダボしてる。
けど、暖かいから別にいい。
青「あ、ちょうど来たね。ご飯食べよ!!」
リビングに居た蒼猿さんがご飯の合図をして
ダイニングテーブルでご飯を食べることになった
桃「これ…なに?」
机に置かれているものは全て俺は見たことがない
なにも、知らない
紫「これはね、オムライスって言うの」
赤「俺の手作り!!食べてみてっ!!」
時雨さんと紅葉さんが隣に来て
俺を食べさせてくれた
この”オムライス”と言うのは俺が知ってるのではなかった
とても、美味しかった。
いつも、残っていた余りご飯を食べていただけ
それなのに、このご飯は美味しいと思えた
赤「美味しいでしょ〜?」
紅葉さんにそう言われ
俺は迷うことなく首を縦に振る
その後、ゆっくりオムライスを最後まで食べた
食べた後、のことだった
胃の様子がおかしい
いつもはそんなことないはずなのに
なのに、どうして…?
青「大丈夫?顔色悪いけど…」
反応する暇もない
呼吸もきつくなってきて
口呼吸が出来なくなった
桃「けほ”けほ”…っ!!」
口からさっき食べたオムライスが出てきた
こんなこと、前までなかったのに
美味しかったのに
全て、吐き出してしまった
青「なにか入れたの?」
赤「入れてないよ…いつもの具材。」
桃くんがオムライスを食べた後
急に嘔吐をした
わけは分からない
ご飯に何か入ってたのかしか考えられない
青「アレルギー?」
と、一瞬は思ったけど
アレルギーだった場合、食べることをやめてたはずだ
じゃあ、原因はなんなんだろうか
そして、なぜ吐いてしまったのか…
紫「…起きた後、少し聞いてみよっか。」
台所で洗い物していた紫~くんが言った。
確かに、その方がまだいい方だ
紫「とりあえず、青ちゃんは桃くんを見てあげてね。」
僕は紫~くんの方を向いて頷いた
桃。もう私の目の前に現れないで。
顔も見たくない!!
どっか行ってしまえ!!
桃「どうして…」
目を開けた時
蒼猿さんがこちらを覗いて、心配そうにしていた
大丈夫?
その言葉を聞いた時、俺は分からなかった
何が大丈夫なのか、一体寝てる時に何があったのか
何も分からなかった
青「吐いたり、魘されてたりしたけど何かあった?」
嘔吐した記憶はある
けれど、魘されてた記憶はあまりない
暴言とか、言われたのはわかるけど
誰が言ったかは分からない
でも、俺ここに来てからみんなに迷惑かけてるなと思ってる
どうしてこんな人に、なってしまったの
あの時、蒼猿さんと合わなかったら
みんなに、迷惑かけることなんてなかったのに
桃「あの…」
俺が話しかけると蒼猿さんはこちらを見て
ゆっくりでいい
と、言ってくれた
桃「本当に、ここにいて…いいの?」
蒼猿さんに、そう聞くと
どうしてそう思うの?
と、帰って来た
俺は本当のことを話した
桃「だって…俺のせいで、みんなに負担かけるし…」
桃「帰った方が…いいかなって」
そう話した時
蒼猿さんは笑顔でこちらを見て
青「そんなこと、誰も思ってないよ。」
桃「蒼猿さんが思っていないと思っていても、絶対誰かに思われてる!!」
俺は感情がめちゃくちゃになった
その言葉が信じれなかったから。
本当に信じていいのか、分からないから
青「自分で決めないで。」
蒼猿さんは俺のことを抱いた
抱いた時、体が暖まったかのように
心が暖まった
青「桃くんはここにいていい存在。誰も桃くんを見捨てたりはしないよ。」
俺はいつの間にか目から涙が出ていた
こんなに泣いたのは、これが初めてだ。
青「…って話なってたんだよ」
ドアから覗いていた4人に
桃くんに何かあったのかを説明していた。
赤「やっぱ何かあったんだよ」
途中から来た赤くんが声を出す
さっきの話で大体わかったみたいだ
紫「…学校かな、それとも両親関係?」
橙「急に怖いこと言うやん…」
隣にいた紫~くんが、そう話した
確かに、それも有り得る
あんな時に、裸足でそれに傷もある
絶対に何かがあったのに違いない。
黄「…はぁ、だめです。手掛かりがありません」
パソコンで見ていた黄くんが
さっきの発作や、急な吐き気
などを、調べているけど
特に手掛かりはないみたい
青「ごめんね。こんなに調べ物を要求しちゃって」
僕はたくさん要求した罪悪感に
謝った
黄「別に大丈夫です。気にしないでください」
笑顔でこちらを見て、また作業に戻った
次の日
紫「あ、そ~だ桃くん学校って行ってた?」
桃「え…?」
朝起きて
リビングで寛いでる時だった
傍に居た時雨さんが学校行ってるかを聞かれた
正直、学校は行ってたっちゃ行ってたけど
訳あってもう行きたくない
匂いが無理
それに、人の目が気になるし
でも、急にどうしてそのことになったのだろうか
聞かれるとか思ってなかった
紫「言いたくなかったら言わなくてもいいんだよ」
桃「…行ってたっちゃ、行ってたけど…」
桃「途中で行くのやめたの…」
そう話すと、時雨さんは何も言うことなく
教えてくれてありがとう。
と、言い部屋に戻った
正直、なんの質問だったんだろうとは思ったけど
まぁいいやと思い、蒼猿さんの部屋へと向かった
青の部屋
青「そうなの?何かあったのかな」
蒼猿さんにさっきあったことを説明して
何かあったのかと聞いていたところだった
青「紫~くんはよく、人に質問しちゃうからな…」
青「何か考えがあるかもね」
蒼猿さんは本当に何も知らないみたいだし
違う人に聞いた方がいいかな
桃「時雨さんと仲良い人は誰…?」
時雨さんと仲良い人ならば、分かるかもしれない
とりあえず、なぜ聞いてきたのかを知りたい
青「仲良いのは…橙くんかな、いつも傍にいるし」
そう言われ、俺は徒波さんの場所へ向かった
橙の部屋
橙「よくあることやな、でもそれはちゃんと意味があるから聞いてるんやで」
徒波さんはやっぱり仲良いから
時雨さんが考えてる事はわかったらしいけど
俺には教えてくれない。
多分、俺には教えられないことなのだろうと
俺的には思うけど…
桃「よくあることなの…?」
徒波さんがさっきも言ってた
“よくあること”って、なんなのだろうと
思い、徒波さんに質問をした
すると、徒波さんは説明をしてくれた
時雨さんは、人の行動や物を見て判断することが多く
人によく質問をすることが多いみたいだ
橙「急やったし、びっくりしたもんな」
桃「関係あるかなって…少し思っちゃった」
多分、時雨さんは俺が学校生活を慣れてるかを聞きたかっただけだと思うし
考えすぎなくていいよね。
赤「あ、いたいた!!桃くん!!」
リビングに戻ろうとしていた時だった
紅葉さんに呼ばれた
どうやら、ずっと俺の事を探していたようだ
赤「話したいことあるから、部屋に来てくれる?」
そう言われ、俺は部屋へと向かった
紅葉さんからの話したいことは今日が初めて
一体、何の話事だろう
赤「桃くんはさ、願いたいことってある?」
紅葉さんから、急に願い事を言われた
願い事か…
前まであったけど、それ忘れちゃったし…
でも、生まれてからずっと叶えたかった物はある
桃「誰かに、✘されたい。」
これが俺の願い
生まれてきた時から、俺なんか居場所がなかった
どこに行っても、どこに向かっても
俺に”居場所”と言うものを作ってくれる人はいなかった
だから、俺は居場所はいらない
それなら、居なくなった方がマシだ。
赤「どうして、そんなこと言うの…」
俺に問いかけられた
思うことはただ一つ
“居場所”と言うものはないから。
そう言うと、紅葉さんは俺の事を掴み
声をあげるようにこう言った
赤「勝手に居場所がないだなんて、言わないでよっ!!」
紅葉さんの目は、水を流していた
どうして、俺が言ったら紅葉さんは泣くの
俺の気持ちなんか、分からないくせに
そう思っていると、紅葉さんが俺を抱いて
赤「ここに”居場所”あるじゃん…っ!!」
そう言われて
俺は思った
ここが”居場所”じゃなかったら、俺はここを逃げていたはず
そっか、俺ここにあったんだ
俺が居てもいい、”居場所”を
赤「勝手に、思わないでよ!!ばか…っ!!ばかぁっ!!」
紅葉さんは俺の中で泣いた
桃「ごめん、なさい。」
俺はいつの間にか謝っていた
そして、俺も
紅葉さんを抱きしめていた。
少し時間が経った時だった
青「桃くん、一緒に服買いに行こ!!」
蒼猿さんが、俺の服の貸しがなくなってきたため
俺の服を買いに行こうと言われた
俺も、少し行きたかったから
蒼猿さんについて行った
ショッピングモール
洋服屋
青「さ、好きな物選びな!!」
お店に着いた時
いっぱいある服を初めて見た
柄は違うかったり、ズボンはスカートみたいなのもある
俺が見たことないものがいっぱいだった
青「楽しそうだね。」
蒼猿さんが俺を見てにっこり微笑んで
俺は少し恥ずかしかった
桃「これ…欲しい」
俺の好みを見つけた
白の服で、真ん中に苺の飾りがついている
蒼猿さんに見せると
可愛らしいね。桃くんそういうの好きなんだ。
と、言われ体少し暑くなった
でも、好きなものを選んでって言われたし
本当に好きなものを選んだだけだった
蒼猿さんはかごに入れた後会計に進んだ。
青「どうせ桃くん、ひとつしか選ばないって思ってたから、僕も少し選んじゃった」
と、言われ俺に沢山見せてきた
どれも見たことがない服
俺には新鮮だった
さ、帰ろうか
そう言われ、俺は蒼猿さんについて行った
こんなに楽しい買い物は、初めてだった。
蒼猿さんとの初めての買い物は新鮮だった
知らない物や、見たことがないもの
食べたことがないものもたくさんあった
それを蒼猿さんはひとつずつ教えてくれた
とても、嬉しかった
こんな気持ちになったのは、蒼猿さんが初めてだった
青「今日、楽しかった?」
と、言われ俺はすぐ
桃「楽しかった。こんなの初めて」
と、言い
蒼猿さんは嬉しそうに微笑んだ
青「楽しそうでよかったよ。」
そう言われ、俺は嬉しかった。
紫「青ちゃん~、ちょっといい?」
青「いいよ~」
紫~くんに言われ、僕は部屋へと向かう
紫~くんが、ドアを閉め
僕に問いかけた
紫「桃くんの、学校の話なんだけど」
その話は結構重要になっていた
今日の朝、桃くんが質問していたのはこの事かと思い
聞いていた
紫~くんがわかったことは
桃くんが、学校を中途半端にやめたこと
そして、学校で何かあったか
それぐらいだった
紫「力になろうと思ったんだけど…無理だった」
顔は下を向いて
声が震えていた
僕にとってはとても良い話だったけれど
相手は力になれなかったと、自分を責めていた
青「紫~くんは、十分力になってくれたよ」
僕がそう言うと紫~くんはこちらを向いて
どこが力になってたの?どこも力になれてない!!
と、声をあげた
紫~くんがこんなことになるのは珍しい
それぐらい、桃くんのために必死だったんだなと感じられる
その後に、紫~くんは体の力が抜け
その場に座り込んでしまった
目には涙を流している
青「橙く~ん!!かも~ん!!」
僕はドアを開け
橙くんを呼んだ。
すると、すぐさま橙くんが来て
紫~くんを抱いた
橙「疲れとるんやろな、俺の部屋で寝かすわ」
青「わかった、起きるまでそばにいてあげて」
僕はそれを言い、橙くんを部屋に送った
桃「学校…?」
青「そう、学校行ってみない?」
部屋から戻ってきた蒼猿さんに
学校行かないかと言われた
正直、学校はあまり好きではない
それに、嫌な予感が漂うから
青「少しだけ、行ってみない?」
蒼猿さんにこんなお願いされるのは
はじめてだけど
そう言うなら、行こうかなと
少しは思った
俺は頷き、学校に行くことにした。
学校って行くことになると
用意が結構いるよね。
久しぶりだから、何がいるか分からないや
俺は手に持っていた
樹原さんから借りた筆箱を、かばんに入れた
そして、机に置いていたものほとんどをかばんに入れ
用意は合ってるかと、樹原さんに聞く
特にいるものは無いから
これがあればいいと、教えてくれた
学校、何も無ければいいけれど
何かあったら、本当に怖くなってしまう
そんな思いを持ちながら、布団の中へ入った
次の日
学校行くのはいつぶりだろう
不安と心配
そんな気持ちを抱きながら樹原さんと学校へ
向かう。
その一方、後ろでは時雨さんが向かってきている
時雨さんとは同級生ということだから
一緒にいる方がいいだろう、とのことで
一緒に向かっているが
相手はあまり好きではなさそう
とか思いながら、気がつくと校門に着いていた
黄「保健室に行きましょう」
そう言われ、俺は保健室に言った
保健室には優しい先生がいた
こんにちは。
そう言われ俺はお辞儀をする
あまり保健室なんて滅多に行かないから
何をすればいいのか分からない
それに、何を喋ればいいのか…
「あなたのことは聞いているわ、ここでゆっくり過ごしましょう。」
保健室に案内され、俺と樹原さんは分かれた
青「嫌がりはしなかったか、ならよかった。」
家に帰ってきた黄くんに話を聞き
桃くんが安心して行けたのかを聞いていたところだった
黄「紫~くんも普段と変わらず行ってたので、大丈夫だと思いますよ」
青「帰りのこと、言った?」
帰りも、迎えに行くという事を黄くんに
話してなかったけど、言ったのかな
黄「言われてないから言ってません。言うの遅すぎです!!」
青「ごめんって!!」
その後、三時間ほど説教された。
放課後
スマホにメールがあった
“桃くんと帰ってきて欲しい”
先生に言うの忘れたんだなって思いながら
保健室に向かっていた時だった
保健室の廊下が騒がしい
何かあったのかと、俺は急いだ
紫「え…?」
その場は最悪だった
そこには、他のクラスの人が
桃くんをいじめていた
俺はすぐさま駆け寄って
桃くんを避難させた。
その後に保健室の先生が来て
いじめてた彼と距離を離した
紫「大丈夫…?」
顔を見ると、腫れていて
目には涙を出していた
どうやら、何も怪我してないし体調も悪くないのに
保健室にいるのが気に食わなかったらしく
桃くんをいじめた、と聞いた
手には血も出てるし
さすがにやりすぎ
紫「とりあえず、他のクラス行こ」
俺はここにいると良くないと思い
他のクラスへと向かう
空き室
桃「時雨…さ…」
桃くんに名前を呼ばれ
振り向くと
地べたに座り込んでいる桃くんがこちらを見ていた
紫「どうしたの…?」
俺がそう聞くと
俺の手を掴んで足を指して
桃「足…痛いの…っ」
そう言われた
足を挫いたのかなと思ったけれど
ズボンが赤くなっているところを見た
さっきの時に傷が広がったのか…
紫「手当てするからおいで」
俺は桃くんを抱き上げ、椅子に座らせた
血は結構出ていて
結構傷は広がっていた
紫「家帰ったら青ちゃんに言おっか、傷深いもんね。」
と言いつつ、もう片方の手でメールを打つ
“桃くん虐められちゃって傷深いから手当ての用意お願い。”
送信しました。
家のドアを開けて
時雨さんが声を出した時
急な足音がして
抱きつかれた
その人は
蒼猿さんだった
青「大丈夫だった?!体傷んでない?!」
焦った表情を俺に見せ
体のあちこちを触られた
紫「血が出てたところは直したけど、完全ではないから。」
時雨さんがそう言うと蒼猿さんは俺を抱いて
リビングへと行った
ソファに座り
俺の足を見て声をあげた
青「赤くん~、お願い~」
他の部屋から紅葉さんを呼び
俺の傷を直していく
少し傷は痛むけれど
紅葉さんは痛くならないようにゆっくりしてくれていた
赤「はい、完成!!」
傷が出来ていたところは包帯で隠し
絆創膏を貼ったりしていた
青「初日学校災難だったね。お疲れ様」
そう言われ、俺の頭を撫でる
初めて、だった
学校であんなことがあったのに
誰一人、俺を見捨てたりしない
俺を、守ってくれてる
初めて、感じた
初めて…
「いつになったら、ちゃんとしてくれるかな?」
「”初めて”じゃないんでしょ!!」
何この声
聞きたくない、考えたくない
なんで、俺の事をそんなに責めるの
やめてくれ…
青「桃くん?大丈夫…?」
桃「っ…!!」
バシッ
鋭い音
俺はいつの間にか、蒼猿さんの手をはらっていた
青「桃…くんっ…?」
相手は怯えている
あれ…?
俺、どうして蒼猿さんのことはらったの
どうして…
赤「桃くん…?大丈夫?体調悪い?」
紅葉さんが俺に触ろうとしていた
その手を俺の体は反抗した
桃「触るなっ!! 」
俺は声を上げていた
無意識のうちに
みんなの視線は俺に向かれる
怖い
また、いじめられるの?
俺、やっと信頼できる人
桃「っ…!! 」
ここの空気から逃げたかった
けれど、体は逃げるんじゃなく
倒れていった
青「倒れた…」
急に桃くんが抵抗した
なぜそうなったのかは分からないけど
急すぎて誰も追いついてない
赤「俺、嫌われたの…?」
叩かれた赤くんの目には
涙が出ている
黄「赤は嫌われてないですよ。多分感情が不安定になったのでしょう」
そう言い、赤くんの頭を撫でる
急に手を叩かれ、逃げ出すのは何故なのか
青「謎、だな」
そういえば、紫~くんは後ろにいたけど
大丈夫だったのだろうか
青「紫~くん、鋭い音が出たけど大丈夫だった?」
紫~くんは鋭い音は苦手なため
さっきの音は結構鋭かったし
苦手だったかな
紫「これが大丈夫だと思う…?」
そう言い、紫~くんの体は震えている
大丈夫じゃなかったか
青「ごめん、体に出てた」
部屋の扉が開いた
その前にいたのは
桃くんやった
橙「どないしたん」
相手は何も話さずこっちに来る
そして、目には涙を出している
橙「どないしたん…?大丈夫か…?」
桃くんからの応答は無い
リビングで何かあったのか?
それか喧嘩を見たのか…
桃「…の」
橙「え…?」
桃くんが何かを話した
けど、あまり聞こえずにいた
桃「俺…嫌われたの…?」
そう尋ねられた
急すぎて俺は戸惑ったが
なぜそう思ったのかを聞く
そうすると、桃くんからの回答は来た
“みんなの目が怖い”
と、言われた
一体なんのことかは分からんかったけど
リビングで何かあったんやなと
感じることが出来た
橙「今日はここで一緒に寝よか」
俺がそう話すと桃くんは頷いて
俺の膝に座った
その時の桃くんの顔は安心していた顔だった
次の日
青「わかった、ごめんね」
青に桃くんがこっちに居ることと
昨日何があったかを聞いていた
橙「まだ怖がっとるし、会わん方がええかもしれん」
そう言うと青はこちらを見て
“でも、いつかは会わせてね”
そう言い、青は出掛けに行った
赤「橙くん、桃くんに好かれた?」
少しからかっているかのように部屋から出てきた
からかわれてもどうでもええや
橙「逆に、桃くんから赤は嫌われたかと思われとるよ」
こっちも同様にからかう
俺らの中では普通のからかいや
赤「嫌われた?!うそぉ!!」
そんなこと思ってない、と赤は議論した
相手はそう感じているから、今は近づかん方がええと話し
赤は少ししょんぼりしながら台所へ向かった
赤「あ、橙くん救急箱持って行っててくれる?」
桃くん怪我してるから、とそう言われ
俺に救急箱を渡された
橙「俺手当てしたことないねんけど」
少し時間が経ったことだった
家のインターホンがなった
橙「桃くん、一緒に行こか」
そう言われ、ついて行くことにした
ドアを開けた先には
見たことのある人だった
ロング髪で、目は黒目
そして、服はワンピース
桃「お母さん…?」
見たことのある人の招待は
お母さんだった
橙「お母さん?!」
どうして、ここがわかったのか
どうして、俺がここにいるとわかったのか
俺には理解出来ない
桃「どうしているの…」
俺が尋ねると
相手はこう返した
「あなたの事を”愛”してるからよ。」
愛してる…?
どうして
あの時、確かに俺を出したはず
なのに、急すぎない?
橙「その感情で桃くんを愛しとると言えるかよ…」
徒波さんが声を出した
そして
橙「桃くんの気持ち、なんもわかっとらんやろ!!」
俺の気持ち…?
俺の気持ちを、徒波さんは知っているのか?
俺、気持ちなんか出したこと…
その時
後ろから騒がしい音が響き渡った
樹原さん、紅葉さん、そして
時雨さんも来ていた
赤「その人…誰?」
黄「不法侵入ですか…?」
紫「桃くんの知り合い、みたい」
徒波さんの声に反応してみんな部屋から出てきた
けれど、俺の”お母さん”がいることで
そちらに目を向けている
「桃、こんなところから早く帰りましょう」
そう言って、俺の腕を握った
このままじゃ、俺はまた戻されるの…?
せっかく、”居場所”のある
“信頼”もある
俺の事を”見て”くれた
人たちを、見つけたのに
誰か、助けて
そう俺の心が叫んでいるのに
体はひとつも動かない
どうして、この時に俺は
動けないの
でも、顔は動かせる
だから、きっと…
桃「お願い…っ」
桃「助けてっ…!!」
その時だった
誰かが俺の片方の手を引っ張ってくれた
けれど、叫ぶのに必死だったせいで
意識を失った
目を開けると
ベットに寝転がっていた
なんでだろ…?
確か、お母さんが家に来て
俺を連れ出そうと…
その時に誰かが俺を引っ張って
倒れたのか
それに、ここの部屋は蒼猿さんの部屋
蒼猿さんはあの時いなかったのに…
そう考えていたら、扉が開いた
橙「あ、起きとる。大丈夫か?」
ドアを開けた人は徒波さんだった
俺の体調が大丈夫かを見に来たらしい
桃「徒波さん…俺の片方の手を掴んだ人は、誰なの…?」
ずっと疑問だったことを徒波さんに話すと
片方の手を掴んだ人は、蒼猿さんだった
あの時、騒ぎを聞いて戻ってきたらしく
俺の叫びを聞いて、俺の手を掴んだ
と、そう話してくれた
橙「あの時の顔、今でも忘れんわ」
桃「どんな顔だったの…?」
そう俺が尋ねると
誰かを✘すような目
と、言われた
橙「多分、青にとって大事な子が連れ去られるのは嫌なんやろうな」
蒼猿さんにとって…か
そんなに大事にされてたんだ
その時
ドアの開ける音がした
青「…!!桃くん!!良かった!!」
俺が起きていることを見て
蒼猿さんは俺に抱きついた
その時蒼猿さんは泣いていた
青「よかった。本当に…っ」
俺はその時感じた
これが、誰一人大切にしてくれる気持ちなんだと
今、思えた
桃「ごめんなさい。」
俺はいつの間にか、謝っていた
本当になぜか、いつの間にか
そしたら、蒼猿さんはにっこりと微笑み
嬉しそうに、こちらを見て
青「いじめのことも、全て無くしてあげたよ。」
青「桃くんはこれで、平和な暮らしができるね!!」
桃「え…?」
俺、普通に暮らしていいの?
みんなと同じ、暮らしを
そして、ここにある”居場所”に?
桃「いい…の…?迷惑じゃ…っ」
俺がそう話すと
蒼猿さんはにっこりと微笑み
青「そんな人、僕たちにはいないよっ!!」
と、言ってくれた
俺の周りには、いつの間にかみんなが集まっていた
それに、笑顔で
本当に、ここにある”居場所”に生きていいんだ
俺、嫌われないんだ。
みんなと、暮らせる…!!
桃「ありがとう…っ!!」
数年後
扉を閉め、リビングへと向かう
桃「ただいま。」
俺が一つ。そう言葉を放つと
青「おかえり!!」
一番初めに声を上げる
そしてその後に
“おかえり!!”
次々と返ってくる
俺を、待っていたかのように
青「学校楽しかった?」
桃「まぁまぁかな。」
何気ない話をしたり。
桃「怖い夢、見ちゃった」
橙「じゃあ俺が楽しい方に変えたるわ」
面白い話をしたり。
桃「ここ、教えて~」
紫「いいよ。」
勉強したり。
桃「キーボード、難しいな」
黄「慣れたら簡単ですよ」
新たな事を知ったり。
桃「赤、ごめんなさい…」
赤「も~!!」
怒られたりしたけど
青「桃くん、一緒にやろ!!」
桃「おう…!!」
俺の事を大事に思ってくれたおかげで
俺はここにある”居場所”にいる
何かあっても、この人たちは俺を守ってくれる
そして、”幸せ”という言葉に気づくことも出来た
ここにいるとやっぱり、色んな言葉に気づくことがある
俺の人生は
この5人たちの”救いの手”があったからこそ
ここにある”居場所”を見つけることができた
桃「ありがとう。」
空を見上げると
とても眩しい太陽が
俺らを導いてくれた。
❦𝑒𝑛𝑑❧
最後まで読んで頂きありがとうございます。
修正版。だったはずがほぼ変えてしまった…
気を取り直して
本当にこの長い物語を読んで頂きありがとうございます⸜🙌🏻⸝
また皆様に”最高”だと思われる物語を作れるように頑張ります💪🏻︎💕︎︎
またお会いしましょう👋