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『 まーろっ！何してんの〜？』
そう言って笑いかけて来た君はもう居ない。
春。
……いつだっけな。君と約束した日は。
『 絶対賽子学園に行こう。』
あの時の真面目な、どこか誇らしげな君の目を未だに覚えてる。
『 ….さん！…い…さん！いふさん！全くあなたって人は…….』
何度聞いたか分からないほど言われてきた言葉。
『 聞いてるんですか?!
このままだと留年ですよ?!』
別に留年しようと停学になろうと退学になろうと構わない。
あの日。君が賽子学園に行こうなんて言わなかったら俺はきっと高校なんて行って無かった。
いつだって君は俺にとってのヒーローで。俺の全てだった。
….それなのに。君は変わった。
俺が好きだった明るいピンク色の髪を黒に戻して。あの頃の無邪気な笑顔も消えて。今じゃただ大人の言うことを聞くだけの操り人形だ。
いや…君だけじゃないか。
みんなそうだ。寧ろそれが普通だ。みんな他人にバレないように、本心を悟られないように、仮面を被ってるんだ。….俺はあの頃の君の方が好きだったのに。
なんて思いは君に届くことはない。
君は人気者だから。太陽だから。俺みたいな日陰に住んでる奴が太陽に近づいちゃいけないんだ。
そう思い込む事で誤魔化そうとしてた。
やっと諦めが付きそうだったのに。
君が。ないこが。
『 ねぇ好きだよ。まろ。』
そこに居たのは。あの頃と変わらない目をした君だった。
そっか。変わったのはないこじゃない。
俺が大人になれてなかっただけだったんだ、
『 …俺も好きやで。ないこ。』
友達以上恋人未満。
この関係を今日終わらせます。
コメント
12件
なんか続きが気になるような... 続編とかあったり(((
