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思わずそんな言葉が口から漏れてしまった。ベッドから起き上がったものの、体がまだ重くて、動くたびにほんのりとした疲労感が全身に広がっていく。特に足元がふらついて、立ち上がったはいいものの、すぐにまたベッドに戻りたくなってしまう。あれだけ無理して走ったせいか、全身に力が入らず、まるで重い鉛のように感じる。 もうちょっと休んでればよかったかな と、また少し後悔の気持ちが湧いてきたが、同時に授業にも戻らなければならないという現実がじわじわと迫ってくる。 とりあえず、席に座るだけでもするかあ..? と、なんとか気持ちを奮い立たせて、ゆっくりと歩き出す。一歩一歩踏み出すたびに、体が重く感じるけれど、ここで休んでばかりもいられない。少しずつでも動かしていけば、また元気を取り戻せるだろうと信じながら歩いた。
。。
3時50分 __ 。
「んー、やることなーい」
下校中、彼女は今日も部活には入部していないので、特に用事もなくそのまま帰っている最中。学校が終わってからも何か打ち込めるものがなく、毎日帰る時間がただの暇つぶしに感じていた。鞄を持ちながら、無意識にその鞄をぶんぶんと回している彼女。周りに人がいないことに少し安心しながら、特に誰かに見られていることを気にすることなく、その動作を繰り返していた。周りの人々に気づくことなく、ただ自分の世界に入っていた彼女だったが、次の瞬間、突然 ”ドン” と何かにぶつかる音が響いた。その音に驚いた彼女は、すぐに目の前を見てみると、予想外にも誰かが立っていたことに気づく。どうやら自分の鞄を無意識に振り回して、ちょうどその相手とぶつかってしまったらしい。最初は謝ろうとしたものの、その相手の顔を見て少し戸惑ったが先に謝る事を優先する事にした。
「す、すみません!か、奏良く周り見てなくって..」
そう言いながら、彼女は慌ててぺこぺこと頭を軽く下げ、鞄をぶつけてしまった相手に謝罪の言葉を並べる。その声は微かに震えていて、普段なら何でもないようなことでも、今のように急に起きた出来事だと余計に動揺してしまう自分に気づいていた。頭を下げる姿勢のまま、彼女は相手の顔をちらりと見ようとするが、どうしても視線を合わせることができず、ますます申し訳なさや恐怖がこみ上げてくる。鞄を軽く持ち直しながら、言い訳がましくなるのを避けるために、すぐに謝り続けた。
「ほんとにごめんなさい!何も見ずに振り回してたから..」
と、少しの間を置いてから再度言葉を発し、相手がどんな反応を示すのか心配でたまらなかった。自分が何か間違ったことをしてしまったのか、それとも大したことではないのか、わからずにとにかく謝るしかなかった。その時、相手が口を開き何かを言おうとしている事に気づいた。それを見てはどう反応するのか、彼女の胸はドキドキと早鐘のように鳴っていた。
『大丈夫、大丈夫〜!w これくらい平気平気!』
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