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何のために作業をしているのか、わからなくなる。送受信機器が壊れているなんてとっくに分かっているのに、チェッカーをつなげて結果なんかを待っている。
チェッカーに、青ランプが灯っている。
郷田は何度もまばたきをした。自分の目を疑う。
送信部の開閉バーに、祖父の命日を打ち込む。指が絡んでなかなか上手くいかない。何度か失敗したあと、入力完了。
カバーがゆっくりと開く。
覗き込む。
メーターが現れる。
針が……触れてる!
受信部のバーに、祖母の命日を打ち込む。蓋が、一層ゆっくり開く。
こっちは……
……生きてる! 通信が、生きてるぞ!
今身体が動かないのは、服の間接が固いからではなさそうだった。固まっていた身体中の血液が、一滴ずつ流れはじめるのを感じる。生き残れるかもしれない!