テラーノベル
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咲かせた花を枯れさせないためにはどうするのが良いと思いますか?
目が覚めると、部屋は薄暗く、カーテンの隙間から月光が差していた。隣には年下の男が寝ている。俺を寝かしつけたあとにおそらく我慢できず2、3発は抜いたのであろう。(その通り)いつもは相手が満足すればいいと思ってたし、どうでもよかった。でもこいつは違った。俺のことを心配してくれた。こいつの隣は安心するし心地いい。迷惑をかけたし、朝顔を合わせるのが気まずいから先にホテルをでようと思ったが、もう少し隣で眠りたいと思い、2度寝をするために再度ベットに横になった。こいつの隣はよく眠れる。
朝になり太陽が昇った日の温かさと顔にかかる日光の眩しさを感じ目が覚めた。昨日は確かなつさんを寝かせた後に俺も寝たんだった。隣に目をやると彼の姿は無く一瞬帰ったのかと思ったが、確認のためにベットから起き上がり数歩進むとシャワーを浴びる音がきこえてきた。どうやら彼は俺より少し早く起きてシャワーを浴びているらしい。ほっと胸を撫で下ろして再びベットに腰を下ろす。昨日はなつさんが疲れていたとはいえ、無視して無理やり寝かせてしまったので少し反省している。なつさんが出てきたら謝ろうと考えていたらシャワー室の扉が開いた。
🍍 「あ…おはよ、、」
📢 「おはようございます…」
📢 「…あの______」
🍍 「昨日はごめん!!!!」
昨日のことを謝ろうと言葉を発した瞬間、なつさんに先に言いたいことを言われてしまった。
🍍 「俺が誘ったのにいるまを満足させられなかったし、迷惑かけた… 」
📢 「いや、疲れてる人を平気で抱くほど相手には困ってないんでね」
🍍 「…そっか、もう俺以外も…」
📢 「…けど、なつさんから連絡来たとき正直嬉しかったんすよね」
🍍 「え…」
📢 「なつさん2回目はしないって噂だったし、連絡くれるとは思ってなかったから… 」
🍍 「え、俺の噂って…」
📢 「だってなつさんって”魔性の花”でしょ?」
🍍 「あー…あの噂知ってたんだ…」
🍍 「よく俺だって分かったな…」
📢 「あんたほど綺麗な人間ってそんなにいませんから」
🍍 「そっか…//」
📢 「バーに行ったときに先輩から聞きました…絶対に気をつけろって」
🍍 「気をつけろってそんな笑」
📢 「沼らせ男らしいんでね笑」
🍍 「…まぁ、実際本気にする人が圧倒的に多くて、2回目はしないって言う噂は本当だよ」
📢 「なのに俺と連絡先交換して良かったんですか?彼岸花さんw」
🍍 「おまッ!!バカにしてんのか!?」
📢 「だってw名前分からないからそう呼ばれてるって」
🍍 「色々とめんどうだからな」
📢 「なるほど…」
この人の別の一面を見れた気がする。普段の余裕たっぷりな雰囲気とは違って不器用さが垣間見えている。この人は本当は人と関わることが苦手なだけなのかもしれないなと彼の俺へのアプローチの仕方から感じ取れた。他の人へはしないことを俺にはしてくれる。2回目も許してくれるし、連絡先も名前も教えてくれる。ひょっとしたらこの人の特別に俺がなれるのかも期待してしまう。期待してる時点で俺はもうこの人を好きなのかもしれない。だが、期待したらどうなるかなんて分かりきっている。この感情が薄まるのを待ち蓋をする。
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🍍 「今日土曜だから大学休みだろ?」
📢 「あ、はい」
🍍 「ならちょっとデートしようぜ♡」
本日の天気は晴れやや曇り。半袖を着るのは少し寒い気がする気温が居心地が良く俺は好きだ。場所はなぜか動物園。俺の隣にはひよこを手に乗せながら愛おしそうに微笑む可愛い人がいる。
📢 「ひよこ好きなんすか?」
🍍 「ん〜可愛のって癒されるじゃん?」
📢 「…それはそうすね、、」
🍍 「いるまは触らんの?」
📢 「あー…俺キュートアグレッション発動するんで、遠慮しときます」
🍍 「…そっか」
ホテルでデートに誘ってきたなつさん。体調が心配だったが、本人も大丈夫だと言っていたし昨日より顔色が良かったので付き合うことにした。にしてもなんで動物園なのだろうか。なつさんが楽しんでいるのなら別にいいんだが。
🍍 「あーまじ癒し…」
📢 「なんで動物園なんすか」
🍍 「え?だってデートの定番でしょ」
📢 「あーなるほど…?」
🍍 「いるまは今までどんなデートしてきたの?」
📢 「え?あぁ…俺デートしたことないんでわかんねぇです」
🍍 「え?じゃあ…俺が初めて?」
📢 「はい」
🍍 「やば笑がちの遊び人じゃんww」
🍍 「…そっか、、いるまの初めてもらっちゃった」
📢 「…ッ」(ドキーン♡
貴方があまりに嬉しそうに笑うから不意にもキュンとしてしまった。そんな可愛いことを言われるとこれ以上大きくしたくないなつさんへの思いがどんどん増していってしまう。この気持ちは恋では無いと言い聞かせ葛藤しながら耐えることしか俺にはできない。俺は誰かを好きになったことがないから”好き”がよく分からない。分からなければ好きになったことにすら気づかない。そうやって誤魔化していればいつかこの人へのこの感情も薄まるだろう。
ひとしきり動物園を堪能したあと、お腹が空いたとなつさんが言うのでカフェに入ることにした。少しレトロな雰囲気が落ち着きを与えてくれる空間でリラックスしながら珈琲を楽しめる。俺の座っている前の席にはなつさんが珈琲を啜りながらその香りを堪能している。
🍍 「ここの珈琲美味いな」
📢 「ですね」
🍍 「いやぁ〜今日はありがとな…付き合ってもらっちゃって」
📢 「いえ、俺も楽しかったです」
🍍 「俺あんま誰かと出かけたりしないから…というかそんな相手もいないんだけどな…」
📢 「なるほど…?」
なつさんにはセフレが山ほどいるだろうし、こんなに性格もいいのなら友達の一人や二人はいるだろうに、そうではないのだろうか。1度寝た人とはもう寝ないタイプの人だからセフレと出かけることはしないだろう。ひょっとしたらプライベートでも友達無しの一匹狼なのだろうか。
🍍 「俺友達とかいないからなぁ…友達がいたらこんな感じなんかな笑」
📢 「はは…そうかも」
🍍 「いいなぁ〜いるまみたいな友達欲しかったなぁ…」(ボソッ
📢 「友達…」
“友達”。その言葉に少し胸がきゅっと締め付けられた。なつさんは俺と友達になりたいのか。別に期待してたわけではない。いや、期待していたと認めるのが嫌でそう言い聞かせていただけなのかもしれない。なつさんにとって俺は意識するに値しない存在だったのだ。暇な時に遊んでくれる友達で顔が少し良いからセックスもする。その程度の存在なのだ。
📢 「じゃあ…なります?友達」
🍍 「え…いいのか!?」
📢 「はい笑」
🍍 「じゃあ、決まりな!よろしく!!」
📢 「こちらこそww」
俺が提案するとぱぁっと花が咲いたように笑顔になったなつさん。そんな笑顔を見せられたら余計に胸が痛くなってくる。だが、なつさんの笑顔を見ているとそんなことはどうでも良くなってきてしまう。
そのまま少し会話をしているとなつさんが注文したチーズケーキが届いた。今は絶賛ダイエット中だと言う彼だが、今日は楽しかったから特別なと言ってその後もケーキを3つほど平らげていた。どうやら甘いものが好きらしい。俺は甘いものが苦手なわけではないが得意な方でも無かったため、アップルパイを1つ食べてその後はケーキを頬張るなつさんを眺めていた。
🍍 「じゃあ…今日はありがと」
📢 「はい、じゃあまた」
🍍 「あ…来週はいつ来る?」
📢 「特に決まってないっすね…約束してる人が居るわけないですし」
🍍 「え…連絡とったりしないの?」
📢 「いや、経験上関わるとめんどくさいんで1回しかしませんよ」
📢 「なつさんなら分かるでしょ?」
🍍 「まぁ…そうだね、、」
📢 「連絡くれたらバー行くんで」
🍍 「そっか!ならまた連絡する」
📢 「じゃあ」
🍍 「うん!ばいばい」
日が完全に落ちた頃に俺となつさんは解散した。今日もホテルに誘われるのではと身構えていたが、そうではなかったので少し残念なのと期待してた自分に死にたくなる。
📢 「まぁ…”友達”とはしないか…」
今日一日だけで彼のことが色々わかった気がする。初めは大人で余裕たっぷりなまさに”魔性”って感じの男だと思ったら、その本質は不器用なただの寂しがり屋だった。これがキャップ萌えというやつだろう。そんなところを見せられたらもっと沼ってしまうではないか。いや、沼っていると認めなければいい。そうすればきっと傷つかずに済む。
今日はすちに呼ばれてバーに来ている。なつさんと友達になってからは週に1回は会っており、色々なところへ行っては夜はホテルに泊まって朝までコース。友達とはそういうことはしないと思っていたが、セフレは継続らしい。今日はなつさんは来ないと言っていたが、すちに相談があると言われ行くしかないと先輩に連れ出されてきた。
🍵 「俺みこちゃんに告白したいんだけどさ」
🌸 「お!?ついに!?」
🍵 「脈ナシじゃないと思うんだけどさ、なんか恋人っぽい雰囲気?みたいのになると途端に居心地悪そうにするんだよね」
🌸 「あーなるほど?」
🍵 「だからひょっとしたらみこちゃんって俺と恋人になりたいわけじゃないのかなって」
🌸 「ふーん…」
📢 「…(恋人っぽい雰囲気か…)」
俺となつさんも何度かそういう雰囲気になったことがある。友達でもセフレでもない雰囲気。そういう雰囲気になる度に俺は居心地の悪さを感じていた。この人は俺のことを友達(セフレ)としか見ていない。ただの都合のいい相手なのにそういうことをしてくるのは魔性を超えて人たらしだ。自分が惨めになる。この人と出会わなければ良かったと思う。
📢 「ッあ…ひょっとして…」(ボソッ
🌸 「いるま?」
📢 「ひょっとして、みことは怖がってるんじゃない?」
🍵 「え?」
📢 「ほら、すちって大人な雰囲気で何でもそつなくこなすじゃん?」
📢 「だから、みことみたいなピュアっ子からしたら自分なんてただの遊びだって思ってるんじゃない?」
🍵 「ただの遊び…」
📢 「すちが本気で好きって伝わってないんだよ…期待して違ったとか怖いし、すちみたいに慣れてる相手だとそのパターンの確率高いわけだし」
🍵 「…そっか、、」
🍵 「俺、やっぱりちゃんと言おうと思う」
🌸 「よッ!流石男すち!!」
📢 「応援してる」
🍵 「ありがとう」
🌸 「てか、いるま今のアドバイスすげー的確だったけど、ひょっとして自分のことと重ねてたりする?」
📢 「…どうだろうな」
🌸 「えー絶対なんかあったじゃーん!」
こいつ…普段はおちゃらけてやがるのにこういう時だけ勘が良くてまじ嫌になるわ
俺は普段自分の話をあまりに2人にしない。すちみたいに相談したいとも思わないし、勝手に誰かに話すのをなつさんが嫌がると思って話していない。それに1度話すと止まらなくなって見せたくない自分を晒してしまう気がする。
🍵 「いるまちゃんはまだ連絡取ってるんだっけ?」
📢 「あ、うん」
🌸 「よく会ったりしてるよな!ッくぅ〜!!彼岸花に気に入られるとか羨ましい〜!!」
📢 「別にそんなんじゃないっすよ、友達なんで」
🍵 「セックスフレンドってこと?」
📢 「いや、普通の友達w」
🌸 「いやいや絶対そんなことないだろ」
📢 「いや、本人にちゃんと友達って言われたんで」
🌸 「俺会ったことないから知らんけど、そんなことないと思うんだけどなぁ〜」
🍵 「あ、でも最近その人の良くない噂出回ってるから気をつけな」
📢 「良くない噂?」
🍵 「なんかやばめな仕事してるらしい」
🌸 「あ!その噂か!なんか、誘ったら仕事があるからって断られたり、1ヶ月近く姿消したかと思えばやばい顔色で帰ってきたりするらしいね」
📢 「…なるほど?」
そういえば、会った当初は全然連絡無かったな…久しぶりに会ったと思ったらひでぇ顔色だったし…
🍵 「名前も分からず年齢不詳だから、確かにちょっと怖いかもね」
🌸 「いるまは名前知ってるんだろ?」
📢 「けど、年は…」
俺はなつさんのことをまだまだ全然知らない。知りたいと思ったことが無いわけではないが、聞かせるのは嫌そうだし、めんどくさいやつになりたくない。
週1ペースで会ってるが、会う度なつさんの目の下のクマが濃くなっている気がする。俺と寝た次の日は顔色が良くなっているが、1週間で何があるのだろう。そういえば、なつさんとは今週はまだ会っていない。最後に会ったのは、確か9日ほど前だ。
🍵 「いるまちゃんは誘い断られないんでしょ?」
📢 「あぁ…てか、大抵向こうからかも」
🌸 「へぇ〜彼岸花さん前もちょくちょく仕事で誘い断られるって話聞いたけど、最近はしょっちゅうらしいよ」
📢 「そうなんすね…」
🌸 「いるま以外嫌になったんじゃね? 」
📢 「なわけ…w 」
ぺちゃくちゃと冗談じみた会話をしているとい覚えのある人物が店に入ってきた。空色に桃色と紫のメッシュの入った髪の毛の人物が2本のアホ毛をぴょんぴょん跳ねさせながら誰かと2人で奥の席に入っていった。
📢 「今の…こさめじゃね?」
🌸 「え!?いや、今日は来ないって…」
📢 「いやでも今の…」
🍵 「しかも、1人じゃなかったよね」
🌸 「え…2人きりで、、俺意外と…?」
🌸 「どんなやつだった!?見たことあるやつだった今度見かけた時締めてやる 」
📢 「いや、帽子とマスクで顔分からんかった」
🍵 「あんまりこういうところ来るような人の格好じゃなかったよね」
🌸 「まさか…こさめに童貞食いの趣味が…????」
📢 「ダメだこいつ、ぶっ壊れてやがる」
🌸 「あぁ”〜!!!!もうッ!突撃だ!!!」
📢 「はぁ!?先輩!?!?」
🍵 「らんらん!だめだって! 」
俺たちが止めるより先に先輩はこさめたちがいるであろう方向へ向かった。幸いこさめが座っている席と同じ方向にトイレがあるため、トイレに来たと言い訳をすれば誤魔化せそうではある。
俺たちが席に到着すると先輩は話し始めるところだった。ふとこさめの向かいの席に座る男を見ると慌てた様子で帽子とマスクを取り出した。一瞬だったので顔は見えなかったが、なぜ顔を隠すような行為をしたのかが気になる。
🌸 「…こさめ?」
🦈 「らんくん、、、?」
🌸 「今日来ないって…」
🦈 「あ、うんそうなんだけど…」
「うわーん😭そんなつもりじゃないんだよ〜!!お願い助けてぇ🥺🥺🥺」とでも言いたげな視線がこちらに飛んでくる。こちらもどうにかしたいが、こうなった先輩を止めるのはかなり厄介だ。
📢 「先輩、こさめにも事情があるみたいだし、落ち着いて話聞こ?」
🌸 「俺は至って冷静だよ?」
🦈 「いやぁ〜ちょっと他の人と約束してたからさぁ〜らんくんには店行かないよーって言ってたんだよねぇ」
🌸 「もちろんこさめと俺は付き合ってないから誰と何してようがこさめの勝手だけどさ、嘘つくのは違う無い?」
🌸 「何?俺にバレたらまずいこと?別にセフレにバレてもやばいことなんてないじゃん」
🦈 「いや、違くて…!」
🌸 「こさめのことは気に入ってたけど、そんなんならめんどくさいから切るね」
🦈 「違う…!待って!!こさめ…らんくんのこと好きなの…!」
🌸 「…」
こさめが告白をすると先輩は固まってフリーズしてしまった。このまま2人にさせておけば無事にくっついてそのままホテルインだろうと思ってすちと目配せしてバーを出ることにした。こさめの連れも2人にしてあげましょうと声をかけると気まずそうに会釈してきた。そうしてその人が立ち上がるとカランカランと聞き馴染みのある音が聞こえた。
📢 「…なつさん?」
次の日。俺は空きコマの時間つぶしに机と椅子があり、飲食が許可されている多目的スペースでブラックコーヒーを啜っている。
…まさか、昨日の人がなつさんだったとはな…
結局昨日はその後らんとこさめはすぐさまくっつき俺らは呼び止められてこさめに色々説明された。要するに、こさめはらんに告白したいのだが、相手はあの遊び人のらん先輩でどうアプローチしたらいいか困っていたらしく、なつさんに相談するために呼び出したらしい。こさめとなつさんは別の店でも認識があったらしく、その頃からの友人らしい。お互いネコ専だからお互い話したいこともあるのだろう。それにしたって、先輩に嘘つくくらいなら別の場所で会えば良かったのに。
時計に目をやると後30分くらいで今の授業が終わるところだった。少し課題を進めようとノートパソコンを開くとカランカランと聞き馴染みのある音とともに聞き馴染みのある声で話しかけられた。色素の薄い茶髪に深く被った帽子と前髪のせいで目元はほとんど見えていない。ぶかっとしたパーカーやズボンのせいで体のラインは分からず、お洒落かと言われると何とも言えない。それでも相手が誰なのかははっきり分かった。
📢 「なつさん…?」
綺麗な赤い花を咲かせるにはどうすれば良いと思いますか?
____隣で眠ってあげましょう
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