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放課後の教室。掃除を終えた生徒たちは帰り支度をしながら、教室の隅で小声で囁いていた。
「ねぇ、絶対先生たち……付き合ってるよね」
「だよね。昨日も職員室で二人だけで話してたし」
その声が風にのって少しだけ二人の耳に届く。コビーは一瞬、肩をすくめる。
ミユはすぐに気配を察知し、鋭い目で教室の隅を見渡す。
「……生徒の皆さん、余計な詮索はやめなさい」
しかし、生徒たちは目を輝かせ、言葉よりも行動で二人の関係を探ろうとしていた。
一人の男子が、そっとノートを持ちながら二人の近くを通り過ぎる。
「……なんか、昨日より距離近くない？」
コビーは慌てず、柔らかく微笑みながら資料を手渡す。
「ええ、授業の準備ですよ。気にしないでください」
ミユは目を細め、さらに鋭く生徒をにらむ。
「もう一度言うわ。邪魔をしないで」
生徒たちは一瞬たじろぐが、目の端に映る二人のわずかな手の触れ合いや視線のやり取りを見逃さない。
「……やっぱり、絶対怪しい……！」女子生徒が小声でつぶやく。
二人は互いに視線を交わす。コビーは微笑み、ミユは厳しい顔のまま少し肩を落とす。
「まだ、バレてはいない……」コビーは心の中で安堵するが、胸の高鳴りは止まらない。
教室を去る生徒たちを見送りながら、ミユは低くつぶやく。
「……次はもっと気をつけなきゃね」
コビーはそっとミユの肩に触れ、穏やかに言う。
「ええ。でも、こうして秘密を共有しているのも、少し特別な気分ですね」
秘密の恋は、危うく生徒の目に映りかけている。
それでも、ミユの厳しさとコビーの優しさが、二人の関係を守る最後の盾になっていた。
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