テラーノベル
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…………て………手………お手々………………。
私はぐるぐる回る頭で頑張って頑張って考える。
…肩がぶつかる距離にさもくんはいて…………それに……それに………………っ。
うっ……びっくりして緊張して目すらぐらぐら回る可能性があるかも…………っ
……だって!…私は今…………!
さもくんと手を繋いでいるんだもんっ!!!!!!
この事実だけでやっぱり恥ずかしくて悲鳴を上げたくなる。
あのねっ、何回手を繋いだって、改めてこう言うデートの場だと、恥ずかしいったら恥ずかしいのっ!
Q………いやいや、私たち、付き合って何年目だよ…!?
A一ヶ月だよっ!!!!!!!(多分)
頭の中で冷静に……いや冷静じゃないけど、自分の問いに答えを返す。
…………………………
私たち、キ、キ……キ……キ…………キス…と、とかさ!!するときとか、いつになるんでしょうね!?
5年は先だよ!
私が恥ずかしさで倒れるもんっ!!!!!!
私はさもくんの手を握り返しながら、延々とそんなことを考えている。
それをどう思っているのか、さもくんが穏やかな笑みでこちらを見てくる。
うーん、今日も王子様スマイル。
王道イケメン。
かっこいい、好き。
私はさもくんの笑みを見た途端、そんな感じに思考力が下がることが度々ある。
………………手を繋いでるのも相まって、私、冷静に物事を考えられないんですけどぉ!!!???
……私は自分の顔が熱を帯びていることだって知っている。
だからこそ、なおさら恥ずかしい。
……………………さもくんをお姫様抱っこでもしてやろうかな。
あっ、すんごく良いんじゃないですか!?
だって、そうしたら、恥ずかしさ分けてあげられるんじゃない!?(絶対に違う意味で恥ずかしい)
「あっ、ななっし〜、見てみてっ!クレープ!」
さもくんがそう、あるお店を指さす。
「わぁっ、美味しそ……っ」
私はそのお店の看板を見て、そう言葉をこぼす。
そしたら、横にいるさもくんは、下から見ても分かるぐらいに、目を輝かせて口を開く。
………はしゃいでる、可愛いっ。
「俺、折角だから、買ってくるっ!ななっし〜、何味がいい?」
さもくんが今にでも駆け出しそうな勢いでそう言ってくる。
その問いに私は少し考えて、答える。
「う〜ん、私は大丈夫!………あっ、でも少しだけさもくんの買ってきたもの味見させてもらいたいかも……っ」
「…えっ」
その途端、さもくんがそう言葉を漏らし、ガッと動きを止める。と言うか、固まる。
…………………?
「?……あっ、お金の問題なら、食べる分ちゃんと払うから安心してっ!」
私はハッとお金のことを思い出し、慌ててそう言い直す。
だけど、それに対して、さもくんは思いっきり首を横に振った。
「えっいやっ、違っ、お金は良いの!……お金は…っ」
さもくんがそう日の光のせいか私から見て少し頬を赤くさせながらそう声を少しだけ大きくして、伝えてくれる。
えっ、じゃあ、なんだ?
私はしばしの間沈黙する。
と、数秒したあと、ある考えに結びついて、一瞬でカァァッと顔に熱が昇り始めてしまう。
「ってあっ、あっ、あっ、あっ、あっ、かかかかかかかかかん、かんせ、関節キス!!??」
それを思い浮かべたあとに、後悔する。
ちょっと、関節キスは難易度高いのでは!?と。
そして、さもくんに対して申し訳なさでいっぱいになる。
「さ、さもくんっ、ごめ――」
「…最初に言い出したのはななっし〜だからね?」
私が謝ろうとすると、さもくんの指が唇に当たる。
…………少女漫画の世界か、これ…
私はもっと顔が赤くなったんだろうな…と思う。
…………えっ、と言うかそのさもくんの発言って……?
私は顔を赤くしながら、首を傾げる。
戸惑っていると、さもくんが「ちょっと近くの場所で休んでてっ、すぐ戻ってくるから」と風のようにクレープ屋の方にどう意味?と聞く間もなく向かったのだった。
………………これ…は………どういうことだ!?
私は熱のこもった顔を手で仰ぎながら、思考する。
そして、結論はいとも簡単、分からない。
もう、恥ずかしさMAXで、陽キャ・さもくんの考えなんてわかるはずがないのだ、諦めよう。
考えても仕方がないと結論づけた私は、椅子を確保しようとベンチとか色々と座れる場所を探す。
大体は、もう先客がいるな…………
ここらへん、人通り多いし仕方がないかぁ…とも思いながら、頑張って探していると、一つ、ベンチが空いていた。
わぁぁぁっ、もう空いてないかと思った!
私は感動で前が見えなくなりそうになりながら、そのベンチに腰掛けようとする。
と、通行人の一人と肩がぶつかった。
「あっ、ごめんなさっ」
私は反射的に謝ろうとする。
…が、そのぶつかった人は、よくある「イッタァ〜カタハズレタンダケド〜セキニントッテヨネ〜」と同レベル程度のことを口にしてきた。
「おい、痛いんだけど?これ重症だわ、慰謝料もらわないとw」
そのぶつかった男の人は、全然痛くなさそうに、ちょっぴり笑いながら言ってくる。
………演技は上手であれよ。
と言うか、後ろにいる他の男たち、ニヤニヤこっち見てくるのやめて?
見世物じゃないんですけどっ!
……と、私は現実逃避のあまり、そんなことを心の中で思っていた。
いやだって、こんな人たちと絡むことになるとは思わないじゃ〜〜んっ!?
うぅ…慰謝料なぁ………こんなんで慰謝料払うのはなんか、違う気がする…………裁判起こそう、そうしよう。
「おい、聞いてんのかぁ?」
スネ夫みたいな笑い方をするぶつかったその男性は、俯いていた私の顎を突然持ち上げ、無理やり前を向かせてくる。
…………これが、顎クイですか、そうですか。少女漫画の風上にも置けない奴らだぜ()
………と言うか、こういう奴らは、謝っても、許してくれないし、去ってくれない、マジで本当にそう。
アニメで見た、こう言うのっ!
………アニメの知識が全てかは分からないけどさ!!??
と、私が現実逃避でそんなことを考えている時、「ふ〜ん…」とそいつらが私の顔をまじまじと見てくる。
…えっ、私アイドル?
国民的アイドルになっちゃった?
顔いいし、知名度もあるから、そんなに見てきちゃう感じ?
んっ?サイン欲しいって?
それに、ファンサも欲しいの?
え〜、困るなぁ…………
……………はぁ……きっっっっっつ。
私は自分の考えた事に呆れる。
てか、肌寒いわ。
誰だ、寒いギャグ言ったやつ!
……私だよっ!!!
「意外と顔可愛いじゃ〜ん?やっぱ、俺らとお茶しねぇ?」
スネ夫みたいな笑い方をしているその男は、古臭い誘い文句を使ってくる。なんだよ、お茶しねぇっ?って。平成かよ、ここは令和やぞ。
と言うか、意外とってなんだよ、意外とつけないといけなかったのか、おい?その通りだよっ!!!
私、意外とつけても足りないぐらいに、顔別良くないのよっ!
えっ、こいつ、失礼!!!!もう少し敬って!?(?)
ってかさぁ、切り替えはぇよ!
やっぱ、陽キャ&ヤンキーは住む場所が違うね、私と!!
意味分かんないもんっ!
さっきまで慰謝料請求しまくってた奴に普通、お茶誘う!?
………と、私は何度目か分からない現実逃避をする。
……ダル絡みは生まれて初めての経験で。
それに、この人たち、身長高いし、髪染めてるし、体格いいし、大人数だし………ただの少女を怖がらせるにはちょうどいいものだった。
ドッ、ドッ、ドッ……と言う心臓の音がうるさい。
「黙ってんのぉ?まぁ、良いや、一緒に行こうかぁっ?」
その男の人は、私の肩に腕を回そうとしてくる。
…………男子(+ヤンキー)に女子(+陰キャ)が勝てるはずもなく、抵抗虚しく連れて行かれそうになる。
逃げようと思っても、護身術も何も知らない一般学生が、それも運動音痴が、そう簡単にできるはずがなかった。
なんか、こうダル絡みを実体験してみると、結構怖いし、陽キャも別に全員顔がいいわけじゃないんだなと思う。
私の周り、キラキラしてる人達しかいなかったから、結構新鮮。
うーん………死ぬ前にクレープ食べたかったなぁ(?)
…もう、現実逃避しすぎてるかもしれない。
本当は今逃げないとなんだろうな……とか思いながら、何もできないでいると、突然腰をグイッと引っ張られた。
!?
私は少し目を見開く。
そして、気づいたら、誰かの腕の中だった。
………一瞬あいつらに引っ張られただけかとも思ったけど、違う。
第六感全てが、違うと言う。
それに、めっちゃ安心する。
……………この腕、この匂い、抱き方………全てが、私の世界一大好きな人だと物語らせる。
そして、やはり斜め上から聞こえた声は……
「俺の彼女に、手出さないでもらえますか」
さもくんだった。
その声を聞いた途端、柄にもなく安心し、力が少し抜けた。
………あぁ、安心する人は、そばに居たいと思う人は、大好きだと思う人は、最初で最後、この人だけなんだなと思った。
「ごめん、遅くなった」
さもくんが私の耳元にそう呟く。
耳にさもくんの声と吐息がかかって、こんな状況なのに不覚にも少し頬を赤くしてしまった。
…………だけど、まだ鼓動は収まってはいなかった。
ほんとに柄にもなく、さもくんの服の裾を掴み、目をギュッと瞑る。
そしたら、近くにさもくんを感じられて、安心するからだ。
…………さもくんを毎回、困らせてばっかだな。
前のデートの時も、飲み物のこととか、ヘアピン事件のこととかあったし………申し訳ないな。
それに、こんなので怖くなってしまった自分がなんか嫌だ。
…………アニメとかで、こういうシーンを見る時、「ヒーロー側カッコいい!」ぐらいにしか見てなかったけど……ヒロイン側が結構怖い思いをしてるなんて思いもしなかった。
……と、そんなことを考えていたら、さっきのスネ夫みたいな笑い方をする奴らは帰ったようだった。
それに心の中でホッと息をつき、胸を撫で下ろす。
……………さもくんがもう少し遅かったら…どうなってたんだろ…
「ごめん、怖かったよね」
さもくんがそう、私の頭をくしゃくしゃと撫でてくれる。
…………さもくんは、強いし、優しい。
――本当に自慢の彼氏だ。
………前にさもくんが逆ナンされてる時と同じようなこと言ってるかも。
気のせいかな……。
「ううん、大丈夫っ!こっちこそ、ごめんっ、迷惑かけちゃって!ほらっ、さもく早くんクレープ食べなきゃ!」
私は笑顔でさもくんに言う。
そしたら、さもくんはすこし間ができたあと、ぎこちなく頷いてくれる。
「……迷惑なんて思ってないし、さっきの、ななっし〜が悪い要素なんて一つもなかったからね、あいつらとななっし〜を一人にした俺が悪い」
さもくんはそう言って、一口手元に持ってるクレープを食べる。
「……さもくんが悪いことなんて……」
私はそう、言葉を続けようと思ったけど、さもくんの顔を見てこの話は辞めようと思った。
だって、さもくんの顔が一瞬幸せそうに微笑んだ気がするもん。
可愛い。
…なーんて思ってたら、突然、目の前にクレープを差し出された。
「えっ」
私は少し目を見開き、固まる。
「……じゃ、ほらっ、ななっし〜も」
さもくんが穏やかに笑ってそう言ってくる。
だけど、目力は結構強い………!
えっ、だ、だけど……これって、関節キスじゃ……?
「んっ?ななっし〜?ほら、早く食べよ?」
さもくんがスーと私の口元にクレープを持ってくる。
……ぐ、ぐぬぬぬ………
私が一歩後ろに下がると、さもくんは一歩前に出てくる。
ドッ、ドッ、ドッ
「ほーらぁっ、観念して食べなさいっ!」
さもくんがグイッとまた私の口元にクレープを近づけるものだから、もう食べるしか選択肢がなくなってしまった。
「〜〜〜っ!失礼しますっ!」
私は頬を赤くしながらも、クレープの、端を少し食べた。
すると、口の中で甘みが一気に広がる。
「わぁぁっ、美味しいっ!」
私は笑顔になる。
ドッ、ドッ、ドッ
「でしょ〜?」
さもくんが得意げに笑う。
それに私も、「うんっ」と頷こうとする。
が…………
「それに、ななっし〜と関節キスもできたからねっ」
と言う発言によって、私の思考は爆発したのだった。
……………本当に、恥ずかしいっ!
さもくんって、恥ずかしい発言をなんの躊躇いもなく言うんだから……!?
私はそんなことを思いながら、無意識にさもくんの服の袖をぎゅぅっと握るのだった。
ドッ、ドッ、ドッ
鼓動がやけにうるさい。
……これはきっと、恥ずかしいからだ。
私はそう思うことにした。
だから、さもくんの心配そうな視線や、投げかけてくれようとする言葉は全て知らないふりをした。
ーーーーーー
(ここまでナンパとかいうやつ擦っておいて、これが初のちゃんとしたナンパネタかもしれない)
コメント
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ななっし〜ちゃんかわいすぎん???😭💕💕 現実逃避しまくりの頭の中がエモすぎて草! でもダル絡みのとこはヒヤッとしたよ…さもくんが颯爽と登場して「俺の彼女に手出さないでもらえますか」ってアニメのワンシーンすぎて叫んだわ! そして関節キスからの無自覚間接キス…もうお腹いっぱい幸せです😇💖
こころ
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#死ネタ注意
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