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私はその日、珍しく夢を見た。
暖かくて、雲のようにふわふわとした何かに包まれている夢。
こんな幸せがずっと続けば良いのに…なんて思っていたら、再び私の意識は暗闇へと飲み込まれていった。
『んん〜…、』
やけにふわふわな何かの上にいる。
その時、私は不思議に思った。
昨日は家から追い出されて…それで、
段ボールの中で寝たはず…
あれ、?段ボールってこんなにふわふわだったっけ?
よくわからない状況に頭が混乱しつつ、ゆっくりと目を開けた。
『は、ぁ??』
そこは昨日寝た汚いゴミ捨て場ではなく、やけに質素で綺麗な家が広がっていた。
状況に頭が追いつかず、とてつもなく混乱する。
fw「あぇ?起きたぁ??」
『ビクッッ』
私は心底驚いた。何処の誰だろうと、怪しい人なのではないかと。
でもすぐに落ち着いて、此処はこの人の家で私を助けてくれたのではないかと気がついた。
『あの、私…』
そう、声を掛けようとした所で
fw「昨日君がゴミ捨て場で倒れとったから俺の家連れてきちゃったぁ」
fw「おはよぉ。よく眠れた?」
『ぁ…お陰様で…、』
なんてありきたりな事しか返せなかった。
どうやら予想通り私は、この男性に助けられたようだった。
『えっと…その、ありがとうございました』
私は軽くお辞儀をした。
fw「ええよ、ええよ笑そんな硬くならんで笑」
ふわっと笑う男性は、何とも言えないような、目の奥が光らない笑い方をした。
その目に私は少し…見惚れてしまった。
fw「俺は不破湊、君の名前は?」
『みよ、です。』
fw「みよちゃんか、始めまして笑」
また同じ笑い方をした。
『はじめまして…、』
fw「なぁ?もしみよちゃんが良ければさ、昨日なんで彼処におったのか教えてくれん?」
私は少し躊躇った。自分は母親に殴られて家を追い出された。そんな事を言ってしまえばこの…不破さんも母親と同じになるかもしれないと思ったから。
でも少しだけ、話してみようと。なぜかそんな気になれた。
『…お母さんを怒らせちゃって、、それで…』
そこまで話た所で不破さんが何かを察した様に言葉を繋ぐ。
fw「そうやったんかぁ。」
fw「…家、帰れそうに無いよな?」
私は無言で首を振る。
fw「せやなぁ…」
fw「なぁ…?もし、みよちゃんが良ければさぁ、しばらく家で過ごさん?」
『ぇ?』
fw「ここなら安全やし、自由に過ごしてええからさ」
私は安全という言葉を聞いて心が揺らいだ。
『お願い…、しても良いですか?』
fw「にゃは笑、もちろんええよ!」
fw「子供は我儘言ってなんぼなんやし!」
これが私にとって初めての我儘だった。
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