お、お久しぶりです…()
この前投稿できるかもって雑談で言って何日たったんですかね…(
あ!題名変えました!!後から見てあれは無理だった今のやつも気変わったらかえます!!(
4400字あるんで頑張れくださいね🙃
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永久不滅
ぼーっとしながらシーシャをふく。頼んだのは自分だがやっぱり甘い。 「とびきり甘く」なんて注文を通してしまい、出てきたのは注文通りのとびきり甘いの。ゲロ甘すぎてやばい。
中学からの親友、まろの家に住み着いて1週間が経った頃。まろのブートニエールが帰ってくるらしい。だからソロソロ出てけと言われた。酷い。ネカフェを渡り歩いて家を見つけるしかない。仕事場近くの家を適当に探そう。
いむとの生活が無くなり、はや4ヶ月。結局職場に泊まり家に困ることは無かった。
しかし時の流れというのは幾分早いらしい。最近はバタバタしてたし特に。
もういむがいなくなって随分経つのに生活の端々にいむの面影を感じてしまうのがなんだか憎らしい。住んでるとこが近いからだろうか。このスーパーは週末いむと買い物に行ってたところだし、ここのカフェは喧嘩した時にお世話になった。あのコンビニ横にある写真機の中で溺れるぐらいのキスをしたこともあった。目から落ちる花を見るとデートに迷ったら必ず行った公園を思い出す。ちょうどこの花が咲き誇る公園でいむと俺のお気に入りだった。
どれだけの苦痛があってもそれ以上の幸せがいむを許してしまうんだろう。だからきっと足が家の方に向いてるのはこの思い出が悪いんだ。きっとそうだ。きっと。
でもここは元々俺の家だ。だけど妙に緊張する。鍵を差し回す。留守なのか靴も無く電気も付いていなかった。
靴も電気もなかったがいむは居てソファで死んでいた。いや死んだように眠っていた。あの明るいいむはいなかった。死体のようになったいむに少しの恐怖感が湧き出でる。
いつもは何も思わない時計の音や自分の足音がとても大きな音に感じそれが更にいむを起こすのを躊躇わせる。ソファ前の机には大きめの瓶4つが転がっていて微かにどこかで嗅いだことがある匂いがした。
「いむ、ねぇ起きて」
軽く揺するも目を開ける。気配は無い。本当に死んでしまったようだ。強めに揺すってやると「んん…」と声を出した。
やっと起きた 寝ぼけながらも俺がいることを疑問に思っているらしい。
「ないちゃん…?!」
目が冴え始めたのかぽやぽやとした雰囲気が無くなった。でもやはり困惑した顔をしていて状況が上手く掴めないらしい。そしてこっちもあれから会ってなかったのと別れ方があんなだからどう声をかけたらいいか分からない。 そもそもなんでここにきたっけ。
「いむ別れよ」
もうほぼ別れているような状態だがここをはっきり言っとかないといむが納得しない。いむはまだしっかりと付き合ってる状態だと思っているだろうから。顔も見れず俯いていむの反応を待っていると頭から声が聞こえた。
「嫌に決まってんじゃん。なんで?ぼく何かした?殴るのが嫌だった?もうやめるからやめようよ、別れるの。嫌だよぼく」
早口でつらつらと言葉を並べる。さっきまで死んだように眠っていたとは考えられない。しかし俺だって引くつもりはない。もう限界なのだ。なおすと言ったがそれがいつまで続くかも分からない。だが別れるのは冷めたなんかでは無い。むしろ今でもすごく好きだ、ちゃんと大好き。ただDVが辛すぎたんだ。ただ惚れた弱みとは恐ろしい。既に心が動き始めていた。
「…じゃ、じゃあ、」
やってしまった。許してしまった。好いた相手には俺はとことん弱いようだ。ただ条件をつけることはできた。
1、DVを無くす 花を食べるのを我慢しろとは言わないが催促もしない
2、1回でも殴ればすぐに別れる これからは必要最低限の接触にする
これを絶対守るようにと必要以上にいむに聞かせた。
週末にいむとスーパーに買い物をする。
喧嘩をしたらいつものカフェで仲直りする。
コンビニ横の写真機の中でキスをする。休みが被ったら花が群生する公園にデートに行く。暗い部屋の中 電気は付けずに白いシーツに身を預ける。白いシーツの上で水音と身体の打ち合う音、甲高い甘い声と荒い鼻息。押し寄せる快感と射精感は幾らヤっても慣れない。目から零れるのは水ではなく桃色の花。手で掬い口に流し込む。シーツに落ちた花も残さず全部飲む。
何故かそれが可愛いと思い、頭を撫でた びっくりしたような顔をして手を頬に持っていくとほっぺで手に寄せすりすりと擦り寄せてきた。
「んふ…どうしたの」
「んー?なんとなく、いむがかわいかったから」
笑いながら重ねた身体は今までで1番気持ちよかった。
今思うと家に帰ったのは自分の家だからとかなんとかじゃなくていむに未練があったからだと思う。
DVされても許すのは、何ヶ月離れても思い出すのは、なんでも許してしまうのは、いむに依存してしまっていたからかもしれない。
臆病な心は惚れた弱みが吹き飛ばしてしまった。
幾ら喧嘩しても幾ら別れても結局はここに戻ってくるんだと思う。ずっとずっと永久に。
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ないちゃんはよく泣いていっぱい花を落としてくれる。ゼラニウムの小さな花を。泣くのは玉ねぎ切ったり映画見たりセックスしたりするよりもないちゃんの意識がない時によく流していることが多い。寝てるときはほぼずっと。魘されてる時も楽しそうな時も無反応な時もずっと。でも何故か昼寝とかでは出ない。原因は分からないけど出す量少ないと溜まったりするんだろうか。それはともかく、これのお陰で花を食うには困らなかった。まだまだストックはあるしこの調子だとこれからも流してくれるだろう。今だって僕の横で花をひらひら落としながら寝ている。
でもどんどん1回食べる量が多くなっていって、花びらひとつ落としているのでは足りなくなっていって、
ないちゃんを殴った。喉の奥で変な音がなってやってしまったと後悔した。
大きなひとつの花が落ち、唾を飲み込みないちゃんを抱きしめた。
こんなことはもう辞めようと思ってたけど花まるまるひとつは花びらひとつの比じゃなかった。
そこから週にに2回3回、1日に3回4回と増えていき半年たった頃にはないちゃんが見間違えるぐらいぼろぼろになった。
「いむ、もう殴るのやめてよ」
すっかりボロボロになった身体で言ってきた。声は強がってたけど身体は情けないぐらいぶるぶる震えてる。
「ないちゃん、僕が怖い?殺したい?
僕、ないちゃんに殺されるなら本望だよ」
急にこんなことを言われてないちゃんは困惑したような顔をしていた。そりゃそうだよね、僕だってする。
ねぇないちゃん、僕はずっとないちゃんを見てきた。大学での再会も偶然なんかじゃない。ないちゃんの弟に頼み込んで高校、大学、サークルまで教えてもらった。再開したのは全部偶然を装った必然なのだ。
ずっとずっとずうぅーっと見てきた。ないちゃんが何をしたら喜んでくれるのか、何をしたら嫌がるかも全部知ってる。
困惑してるその顔も最っ高に可愛いよ。
それほどまでにないちゃんに依存してたんだろう。ほどなくして出てったないちゃんが家を出ていった時は怒りで我を忘れ、部屋がぐちゃぐちゃになった。
数日経ったときこれまで怒ってた反動か、妙に落ち着き、こんなことしたらないちゃんに怒られるなって部屋の掃除を始めた。こんなことしてもないちゃんは戻ってこないのに。
片付けが終わると大きな瓶を4つ出した。中にはないちゃんが出した花がびっしりと入っている。いや、詰め込まれているという方が正しいか。
ソファに腰をかけて瓶を開け食べ始めた。食べ始めたら止まらなくなる。戻ってなんかこないのに、もうこれしか残ってないのにあと少しあと少しとどんどん減っていく。瓶ひとつ分が無くなり、2つ分3つ分と無くなっていき、ついに花弁が尽きた。1時間と経っていなかった。やることもなかったから来世はないちゃんと一緒がいいなと変なことを思いながら死んだように夢に体を預けた。
いつかないちゃんときた桜が大きく咲き誇る場所にきた。
遠くからも近くから見ても壮観で2人で笑い話しながら歩いたことを思い出す。まだ暴力もなく花を執拗に求めず平和にお付き合いしていた頃だった。またあの頃に戻れたらな────。
「いむ!!」
ないちゃんの声がして夢から現実に引き戻される。なんと戻らないはずだったないちゃんが目の前にいるではないか。しかも話を聞くと関係修復もできそうだ。なんと嬉しいことだろう。
週末、いつものスーパーに行って買い物する。
喧嘩したら仲直りはいつものカフェで。
コンビニ横の写真機の中でキスをする。
休みが被ったら花が群生する公園へデートに行く。
こんなどこにでもあるような今までどおりの生活を。
暗い部屋の中、甲高い喘ぎ声が聞こえる。これが男の声とわかるのはいったいどれだけいるだろうか。
手を伸ばしてきたから頬擦り寄せ受け止める。
「んふ、どうしたの」
「んー?なんとなく、いむがかわいかったから」
僕が可愛いのは気に食わないが、笑いながら言う君は何より大切なものだった。
大切なものでもいつか傷をつけてしまう。そんなことに気づいたときないちゃんもなにかに気づいたような顔だった。
「ないちゃんは僕のこと殺したいって思わないの?」
「もちろん思うよ、今も昔も」
僕に僕がさせた怪我の手当てをさせて微笑みながら言った。
「じゃあなんで殺さないの?この前だって殺したいって言ってたじゃん!捕まるのがいや?「ちがう」じゃあ捕まらないように計画立てよ、「だから違うって」
「俺ね、いむがいなくなるのが怖いの。日に日に自分でも怖いぐらいいむが好きになってく。こんなことされても好きだから、いむのこと。だから殺さない」
なんでこんなに笑っていられるのだろうか。前は日が経つほど僕に怯えていた。
「あー、でもやっぱりいむ殺したくなるかも
そしたら心中しよ、ね?」
まるで誕生日のプレゼントを選ぶ子供みたいな笑顔で言った。
「心中しようね」 頭の中で繰り返される自分の表情がみるみる明るくなるのがわかる。嬉しい。うれしい!いつ死んでもないちゃんと一緒に死ねるんだ!
死ぬのは怖いしまだやりたいこともあるけどないちゃんに殺されるなら本望だ。それに加え心中だなんて!僕だけが死んだらきっとないちゃんは悲しむだろうからないちゃんだけが生きちゃっても呪い殺してあげるね。
大好きだよ愛してる。
死んでも来世でもずっと一緒にいようね。僕とないちゃんは永久不滅。
愛してるよないちゃん
…なんてことをいむは考えてんだろうな〜
俺だけ生きてたら呪い殺されそう。
心中しようなんて言ったときいむは満面の笑みで頷いた。
大嫌い大好きなんて言ってやらない。
俺を好きなとことか粘着質なとことか大嫌い。来世はいむとは遠くで暮らしたいなぁ
愛してるよ、いむ
コメント
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これはハッピーエンド.....?バッドエンド...?水くんにとっては戻ってきてくれて幸せなんだろうなぁ 桃さんは憎んでるけど惚れてしまったものは仕方ない的な心情なのかまた違う気持ちなのか.....でも2人とも相当不安定な状態だぁ( ᐛ ) 4000文字お疲れ様!すげぇっすわ姉貴 赤青楽しみにしてるぜ!!!✨️
これで水桃編終わりになります!!! またココから赤青書けるまで何ヶ月かかるか知りませんがよろしくお願いします!!! 4000字超えたのはクソビビりました!!! あとバースどこやってなってます。すんません