生まれ持って僕は本能で動く愚かな生物だった。
何を目的に生き、何をする為に生まれたのかさえ分からなかった。
いや、そもそも生物とはそういうものなのだろうか。
何かを得るために生き、動き、そして息をする。
全てが目に映るようになった後、本能から理性や感情が生まれ、同時に痛みまで生まれてしまったのだと確信している。
そしてそれらは、自分自身の夢を捨てさせてまで存在、互いを傷つけ排除しようとする。
僕は、そんな自分が嫌だった。
誰かを愛することもできない自分が嫌いだった。
いつも願っていた。
いつか僕も人を愛し、生きる目的ができるのだろうか。
そんなある日、目が覚めたら頭に異変が起きた。
いつもとは何か違う、やる気が起き、何事にも集中できた。
その状態の僕は、自分を愛することができた。
しかし、そんな僕の頭と身体に対する異変は、
これからこの世界に起こる異変の1つ、そしてその最序章に過ぎなかったのだ。
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