何でも許せる方向け
・出てくる全てのこと、物、人に関係なし
・ド捏造
・CP表現無し
・シリアス
・首絞め表現アリ
・若干死ネタアリ(夢)
上全て理解出来た方のみお読み下さい。
つぼ浦が悪夢を見る話。
深海のように青く暗い瞳がこちらを見ている。
ヒュー……ヒュー……と、か細い呼吸音が聞こえる
俺はその人の首に手をかけている。
頭では嫌だと思っているのに、
身体が反応しない。
寧ろ、どんどんジワジワと体重を乗せている。
青い瞳のその人は、今まさに馬乗りされ、身動きを取れない状態で殺されかけているというのに、一切顔色を変えない。
その人とは違って、俺は今きっと酷い顔をしていると思う。自分の顔は見えないので憶測だが。
でも、明らかに喉がヒュッ、ヒュッ…と普通じゃない呼吸音をしているし、腹の底がぐるぐると渦巻いているように感じる。背中は冷や汗でじっとりとしていて、過度な緊張で身体は震えている。
けれど、やっぱりどう頑張っても手が首を離れることは無い。
1分とも、1時間とも、1日ともとれる時間が過ぎて、ふと、その人が絞められている喉から声を出す。
「…….━━━━━━━━」
バッと勢い良く起き上がる。
ここはロスサントス警察本署の2階、特殊刑事課つぼ浦匠が寝泊まりしているソファである。
キョロキョロと周りを見回し、夢だったことに心底安堵し、ほっと息をつく。
懐から無線を取り出し、警察無線に繋げる。
“………………”
一切何も言わない無線に冷や汗が出る。
コホン。咳払いをして無線に手をかける。
“『…..特殊刑事課つぼ浦匠、ONDUTY』”
緊張しているのか、声が少しかすれている。
“ナイスDUTYー!”
“ナイスー”
“おはようございまーす!”
“つぼ浦さんおはようございます!”
温かい挨拶が帰ってきてよかった。今のつぼ浦にとってこの挨拶の温かさは、真冬に暖炉の前で暖まるように幸せなことだった。
あれは確実に夢だった。状況がおかしかったし。最近はよく 仲のいい人の首を絞める夢 を見る。まぁつまり悪夢だ。元々は1ヶ月に1回見る程度だったが、ここ1週間くらいは毎日悪夢を見ている。なので絶賛寝不足だ。
ウザったらしく思いながらも階段を下る。すると、奥から青髪の女性が走ってくる。
「匠ー!おはよーー!!!」
つぼ浦の同期であるオルカ・トヴォロだ。
『、オルカじゃねぇか。おはよう』
彼女も悪夢に出てきたことがある。
悪夢の中の彼女は驚き、少し抵抗した後、苦しさに顔を歪めながらも頑張って笑顔を作り、
「匠が、…そんなに、苦しそぅ…な、…顔す、…….するなんて、….何か事情が、、、あるん、だな、?だぃじょぅぶだ…!オルカ、…オルカは…匠のこと、…嫌ったりなんて…しなぃ、..ぞ、!」
涙を流しながらそう言った後、死んでいった。
声をかけられた時、悪夢を思い出してしまって少し肩が揺れたが、彼女は幸いそのことに気づいていないようだ。
「おーいオルカ〜って、つぼ浦もいるじゃん。おはよう」
そんな彼女の後ろから、オレンジのマッシュヘアの男性が歩いてきた。オルカと同じく、つぼ浦の同期である花沢まるんだ。
『まるんもいるのか。おう、おはよう』
彼も悪夢に出てきたことがある。
悪夢の中の彼はつぼ浦の首を絞めている手を震える自分の手で優しく掴み、
「つぼ浦…..コホッ…ゴホッコホッ…ごめん、ごめんな…..俺が、…もっと話を聞ぃて….やってたら..変わって、…たかな、、?」
優しく問ように言って、死んでいった。
でもそれも全てつぼ浦の夢の中の話。現実では無いので、オルカもまるんもいつもどうりだ。
2人と会話しながら署内から出て階段を下り、皆が集まりチルタイムを過ごしている駐車場に行く。
「あ!つぼ浦パイセン達おはざぁーす」
話していた輪を抜け、こちらに話をしに来てくれたのは成瀬力二。つぼ浦の後輩である。
「力二おはよう!!」
「おはよ力二。」
『カニくんおはよう。』
成瀬が3人に挨拶すると、他の話していた署員たちも挨拶してくれる
「オハよウ!」
「おはざます」
「つぼ浦さん!!おはようございます!!」
「おはよぉ〜」
「3人ともおはよう」
猫マンゴー、安保さぶ郎、職無ニトロ、二十日ネル、ミンドリーなどなどが声をかけてくれた。
みんなみんなみんな、夢の中で殺した事がある。
『、……..おう、おはようございます。』
「、?つぼ浦さんなんか調子悪いっすか?」
『!…….そうか?』
成瀬に図星のことを言われ少し動揺する。
「うーん確かになんか、…なんか変だぞ!!」
オルカにまで言われてしまう。
『あーー………まぁ、な…..ちょっとした…夢をみたんだ』
「夢…すか?」
『おう。まぁ悪夢みたいなもんだ』
「へー?どんな夢みたんすか?」
『それは…………』
言い淀む。すると
「なんの話してんのー?」
本署からスタスタと鬼の仮面を被った警官、青井らだおが出てくる。
「あ らだおおはよう。今悪夢の話してんの」
サッと成瀬が挨拶と説明をする。
「ん、おはよ〜。 悪夢?なんでそんな話になったのさ」
「ツボウラがアクム見たンだっテ」
「ふーん…….?」
興味があるような、ないような曖昧な返しをする。
『ま、まぁ、…そんな事別にどうでもいいだろ?夢は夢だ。』
自分に言い聞かせるように言う
「……..悪夢、ね。」
つぼ浦。と青井が呼ぶ。
無言で青井を見つめ返す。
深海のように青く暗い瞳と仮面越しに目が合う。
「今日、俺の首を絞めて殺す夢、見た?」
『……..は、?』
普段の声とは比べ物にならないほど力のない声を出す。
『いや、なん、…な、なにを……….』
明らかに酷く動揺している。
「え?どゆことっすか?」
「オルカもよくわからないぞ!?」
「誰か説明シテ」
「うーんと、?」
その場にいる成瀬、オルカ、マンゴー、二十日もよく分かっていないらしい
ただ青井は何かを確信したようで
「あぁ、やっぱりそうなんだ。」
と言い仮面の中ですぅっと目を細める
『な、なに…なん、、………なんで……?』
酷く驚いたように、怯えたように青井に聞く
「俺も、見たんだよ。夢。…お前に首を絞められて殺される夢。」
は、と息を吐く音が漏れ、ヒュッと切羽詰まった息を吸う音がなる
『ぁ、…..ご、ごめ….は、ごめん、ヒュッ、、…ごめんアオセン、…おれ、おれは、』
ぐるぐると目が回り、焦点が合わない。
息をうまく吸えない。
汗が止まらない。
足に力が入らない。
つぼ浦はその場でドサリと足から倒れる。
「つぼ浦さん!?」
「ツボウラどウシたノ、!?」
「つぼ浦!?」
「つぼ浦くん、?」
皆が慌てて駆け寄る。
でももう何を言っても聞こえていないようで、ずっとごめん、ごめん、と謝っている。すると、
「つぼ浦。大丈夫。お前ならきっと上手くできるよ。夢の中の俺の言葉を、よく聞くんだよ。…それじゃあおやすみ。」
青井がつぼ浦に近づき、手でつぼ浦の目を覆う。
数秒すると、すっと手をどかす。
つぼ浦が寝ている。苦しそうに顔を歪めてはいるが。
さて、ここからが大変だ。
一部始終を見ていた署員たちが青井に近づいてくる。
「…ま、こうなるよねぇ」
「「「「「どういうことか説明して」」」」」
「はぁ〜い」
深海のように青く暗い瞳がこちらを見ている。
ヒュー……ヒュー……と、か細い呼吸音が聞こえる
俺はその人の首に手をかけている。
頭では嫌だと思っているのに、
身体が反応しない。
寧ろ、どんどんジワジワと体重を乗せている。
青い瞳のその人は、今まさに馬乗りされ、身動きを取れない状態で殺されかけているというのに、一切顔色を変えない。
その人とは違って、俺は今きっと酷い顔をしていると思う。自分の顔は見えないので憶測だが。
でも、明らかに喉がヒュッ、ヒュッ…と普通じゃない呼吸音をしているし、腹の底がぐるぐると渦巻いているように感じる。背中は冷や汗でじっとりとしていて、過度な緊張で身体は震えている。
けれど、やっぱりどう頑張っても手が首を離れることは無い。
1分とも、1時間とも、1日ともとれる時間が過ぎて、ふと、その人が絞められている喉から声を出す。
「…….お前は本当に、俺の事を殺したいの?」
息を呑む
「…俺、このままだと、死ぬけど。」
ガタガタと手が震える
「……..ダウンじゃなくて、..本当の死。」
バッと身体が飛ぶように青井から離れる
「ゴホッ、ケホッケホッ…はぁー…なぁんだ、離れれるじゃん。」
むくりと起き上がり首を擦りながら目を細めて笑う。
『は、……は、……』
放心状態。あと少しで、俺はアオセンを殺すところだった。….ダウンではなく、本当の、死。
「この夢は、歪みのひとつ。」
ポツリと青井が話し出す。
「覚悟、を試す歪みだよ。」
『……覚悟、、?』
「そう、覚悟。ロスサントスでは人を殺しても生き返る。それは本当の死じゃなくて仮の死、ダウンだから。けど1歩ロスサントス外に出れば、そんなのたちまち変わってしまう。この悪夢は、覚悟を決めて死ぬ気で離れなきゃ、ずっと苛まれ続けるんだよ。」
『..なん、なんだそれ。てか、俺はずっと離れようとしてたぜ』
何故青井がこんなに詳しく知っているか疑問に思いながらも自分の思いを話す。
「そうだね。けど、心のどこかできっと思ってた。ここはロスサントス、もしくは夢の中。だから殺しても大丈夫って。」
『………』
「なんでこんなに知ってるか、って言うのは、俺もこの歪みを経験してるから。」
『!アオセンも、?』
俯いていた顔を上げ、問う
「うん。ぺいん達同期、成瀬達後輩、ネルセン達先輩。年齢問わずみーんな、仲いい人達殺したよ。」
無表情のまま言う
「俺が歪みから出れたのは、つぼ浦。お前のお陰だったよ。」
『俺…?』
予想外の名前に反応する
「つぼ浦が俺の夢に出てきた時、もうすんごい抵抗してきてさ笑 他の人たちは全然抵抗してこなかったんだけど…めちゃくちゃ抵抗するんだよ。けどやっぱり俺の手は全く離れなくて。そしたらつぼ浦が、」
【本気で殺す気あんのか!?おめェが殺す気ないんなら俺が本気でアオセンの事殺すぜ!!!ちょっと足りてねぇんじゃねぇか!?!?覚悟ってやつがよォ!?!?】
「ってさ。面白いよね。俺が作り出した夢の中のつぼ浦だけどさ。それを聞いた瞬間スって手が離れて。不思議だったな。後から市長に色々聞いて歪みだってことがわかったんだけど、市長にもよくわかんないみたいで。今回俺がつぼ浦の夢に入り込めたのも不思議だよねぇ…俺が前に歪んだことあったからなのかな?」
『おう……なんかムズいな』
「まぁー…取り敢えずもうお前は悪夢を見なくて済むよって話。」
もう寝不足にならなくて済むと思うとほっとする
『それはありがてぇぜ』
「ん。…じゃ、もうみんな待ってるし起きな。心配してたよ〜俺も今寝てる状態だし。起きるわ」
『わかった。』
目を閉じる。
すぅっと意識が戻るのを感じる。
目を開ける。
「おはよ。つぼ浦。」
『……おはざいます。アオセン。』
夢通うー終ー
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