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鍵の掛かった扉、板が貼られている窓。
ふかふかのベッドに、私好みの可愛い洋服とぬいぐるみ。
付けられた首輪、鎖で繋がれた脚、こちらを眺める監視カメラ。
不自然な自由…痛みは無い、けれど痛い。
私の胸に空いた穴は何をやっても埋められない。
そろそろ昼になるかな、そう思いながら寝たフリをした。
しばらく経つとドアの向こうから足音がして、 彼が部屋に入ってきた。
彼は持ってきた昼食を机に置き、私の方へ近づいてきた。
動けない私を彼は細くて綺麗な手で優しく撫でてくれた。
少しだけ嬉しい気持ちと、とても悲しい気持ちが滲む。
彼が私を触る度、恐怖と欲で溢れる身体。
彼は優しいけれど、とても哀しそうな目をしてる。
手首に巻かれた包帯、赤茶色のシミが目立つ。
彼は私を抱きしめ、私の身体を隅々まで愛撫すると、
私の顔を見て、安堵した様に微笑みゆらりと部屋から出ていった。
そして部屋はまた、恐ろしいほど無音な状態に戻った。