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彼に鎖を繋がれて

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彼に鎖を繋がれて

1 - 挙動不審

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2024年06月20日

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鍵の掛かった扉、板が貼られている窓。

ふかふかのベッドに、私好みの可愛い洋服とぬいぐるみ。

付けられた首輪、鎖で繋がれた脚、こちらを眺める監視カメラ。

不自然な自由…痛みは無い、けれど痛い。

私の胸に空いた穴は何をやっても埋められない。

そろそろ昼になるかな、そう思いながら寝たフリをした。

しばらく経つとドアの向こうから足音がして、 彼が部屋に入ってきた。

彼は持ってきた昼食を机に置き、私の方へ近づいてきた。

動けない私を彼は細くて綺麗な手で優しく撫でてくれた。

少しだけ嬉しい気持ちと、とても悲しい気持ちが滲む。

彼が私を触る度、恐怖と欲で溢れる身体。

彼は優しいけれど、とても哀しそうな目をしてる。

手首に巻かれた包帯、赤茶色のシミが目立つ。

彼は私を抱きしめ、私の身体を隅々まで愛撫すると、

私の顔を見て、安堵した様に微笑みゆらりと部屋から出ていった。

そして部屋はまた、恐ろしいほど無音な状態に戻った。


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