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元貴side
「え、受けてくれたの!?」
涼ちゃんが、早朝のスタジオで大声を出す。
朝から元気な人だ。
若井も、ポカーンと口を開けている。
とは言え、その反応をするのは、おかしなことではない。
俺だって、内心、とても驚いているのだから。
事の発端は、次のライブをどうするかという会議からだった。
現在、「BABEL no TOH」、「CEREMONY 2026」の開催が発表されているが、バベルまでに、何かできるんじゃね?となって、ここに至る。(※会議は6月下旬)
俺が言うのもなんだが、無茶が過ぎると思う。
「で、今できそうなのは、この辺りですかね…」
スタッフがテレビに映ったPowerPointを動かす。
俺は、一つの言葉が目に入った。
「…対バン」
「え、対バン?」
左隣に座っていた涼ちゃんが、驚きの声を上げる。
「対バンやろう。俺、一緒にやりたい人たちがいるんだよね」
俺のその一言で、JO1さんにオファーすることが決まった。
JO1さんとは、交流が深い方…だと思っている。
ずっとやってみたかったのだ。
”音楽ジャンルの垣根を超えたコラボ”とやらを。
そこで、俺たちバンドとジャンルが違う、そしてある程度交流があるJO1さんをオファーしたのだ。
まぁ、俺がJO1さんの「Trigger」のライブ映像を見てファンになったからというのが大きいのだが。
オファーした側が言うのもなんだが、まさか、受けてくれるとは思いもしなかった。
向こうも忙しいだろうに。
「来月の15日、打ち合わせしようと思う」
「予定は延期にするから安心しろ」
安心しろってなんだ。
圭史が、今後の予定を言った。が、一言余計な気がしなくもない。
その夜。
俺は、家のベッドに潜り、これからのことについて考えていた。
「対バンねぇ…」
…なんか面白いことできないかな
「…曲作るか?笑」
そう考えてしまってはもう戻ることができない。
深夜0時、俺はパソコンの電源を付け、すぐさま曲作りに取り掛かった。