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続き待ってくれてる人がいたので続編
書いてみました……!! 展開急だったり
望んだ結果では無いかもしれません。
なんでもありな方だけ、
よろしくお願いします🍀
ピンポーン、と音が鳴る。
「るぅちゃん!」
「りいぬ~!!!」
ドアを開けた瞬間、るぅちゃんが勢いよく抱きついてきたものだから一緒に後ろに倒れて俺は下だから結構痛い。うん。でも目が真っ赤なるぅちゃんを見たら俺の痛みなんて吹っ飛んじゃうぐらい泣き跡が酷い。可哀想。
「とりあえず俺の家上がりな?」
そう優しく言うと、うんと言ってるぅちゃんは俺の手をぎゅっと握った。俺も握り返して俺より身長の高いるぅちゃんを見上げると 嬉しそうに微笑んでいた。
彼氏いるのに わんちゃんみたいに俺に抱きついてくるるぅちゃん、ほんとに良くないよ。
「はい、るぅちゃんどうぞ」
そう言って、目を赤くしたるぅちゃんに 俺の
家にちょうどあったグミを渡した。
「え!いいの?」
「うん!食べな!」
ありがとう、とるぅちゃんはソファーに座りグミを食べ始めておいしい!とはにかんだ。
るぅちゃんの泣いてる顔も怒ってる顔も、全部俺は好きだけど やっぱりるぅちゃんには笑顔が一番だな。俺だったら泣かせないよ。
「…俺にすればいいのに」
そんな独り言は、夜の幻想に消えた。
るぅちゃんがグミを美味しそうに食べているところで、俺はおいだされた原因を聞くことにした。
「それで、るぅちゃんなんで追い出されたの?」
「ん…… えっと」
「これ片付けといてくださいね、これ終わらしといてくださいね、って言ったのにころちゃん何日か経っても全くしないから 忘れてるのかなって思って……言ったんです。
そしたらころちゃん怒っちゃって。そこから火がついちゃって言い合いになりました」
僕が悪いのかな、と泣きそうになりながらグミを食べる彼に るぅちゃんは悪くないよ と即肯定した。
「全く言われたことをしてなかったころちゃんが悪いし、怒ったころちゃんが悪い。
追い出すのはほんとに意味わかんないから
るぅちゃんはなにも悪くないよ」
そう言うとるぅちゃんは鼻を啜った。
「りいぬは、やさしいです」
優しく微笑むるぅちゃんが、儚くて。
天使のようで、消えてしまいそうだ。
そして、俺の、お決まりのセリフ。
「ころちゃんと、別れたら?」
そして、るぅちゃんの、お決まり。
「それでも、すきなんです。」
いっつもすれ違って喧嘩してるころちゃんもるぅちゃんもどうかと思うけど。 いつもこんな会話をする俺らもどうかと思うよね。
そう思うと、ころちゃんと俺は 案外似た者同士なのかも知れないな。
本当は今すぐにでも、彼らを引き裂いて 俺とるぅちゃんのカップルを作りたい。
でも、なんだかもう俺はお手上げだよ。
何されてもそれでも一途に好きなるぅとと、何回も彼女泣かせるけど愛が重いころんと。
なんだかさ、もう、お似合いじゃんね。
「るぅちゃん」
聞いて、るぅちゃん。
どうしても、届けたい くらい。
「るぅちゃんはさ、やさしいよ。
いつも泣かされて、いつも何かしら傷つけられて、いつも理不尽にされて。
でも、るぅちゃんは許しちゃうじゃんか。
ころちゃんもさ、るぅちゃんみたいなやさしい人とそばにいるのって初めてだと思うよ
だから、なにもわかんないんだと思う。」
「……りいぬ、」
気づけば俺はるぅちゃんを抱きしめていた。
「二人は、お似合いだと思うよ。
ころちゃんのことで何かあったら いや、ころちゃんのこと以外でも。寂しいことも辛いことも俺がだきしめてあげるから。」
「だから、幸せになって。」
そう言うと、るぅちゃんはボロボロと涙を流して俺の頬に伝えた。そんなるぅちゃんも、るぅちゃんの涙も愛おしい。好きだよ。
「う、う、」
そんな母音しかいえなくなったるぅちゃんが赤ちゃんみたいで可愛い。
月明かりが照らす俺の家は、
るぅちゃんと二人きり。
るぅちゃんへの恋を、忘れた訳じゃない。
るぅちゃんの彼氏枠を、手に入れたい。
でも、なんだかさぁ。
るぅちゃんの中の俺って どうしても彼氏にはなれないんだなって気づいちゃったよ。
いつも甘やかして、いつも泣かせないで、いつも笑顔に俺はるぅちゃんのことさせるよ
でもころちゃんは違うんでしょ?
いつもだらしなくて いつも泣かせてきて いつもケチつけてくる そんなころちゃんと、
いつも根が真面目で、いつもやさしくて、いつもかかえこんじゃうるぅちゃんはさ。
彼氏の悩み、彼氏に相談出来ないじゃない。
だから、俺がいないとダメなんだよね?
でも、俺はそれでもいいかなって思ったんだよ。
彼氏に頼れない分、俺に頼って欲しい。るぅちゃんのぜんぶ、俺が見たい。彼氏がいるのに その彼氏に見せないで俺に見せて欲しい。 だから 俺の立ち位置も悪くは無いかなって。
本当は、彼氏が良いけど、さ。
感情線からまった今じゃ 俺はるぅちゃんの幸せを願うことしか出来ないんだよ。
るぅちゃんが幸せなら、それでいい。
それがきっと、るぅちゃんの望む莉犬。
「るぅちゃん。」
“ 誰よりも幸せに ”
「るぅちゃん、またね」
ころちゃんから連絡が来て、仲直りをする落ち着きも取り戻したるぅちゃんは 来た時よりもっと目を赤くしていたけど。 俺が泣かせたと思うとそれも愛おしい。でも俺は悪く泣かせたんじゃなくて るぅちゃんに甘い言葉をかけてたらるぅちゃんが泣いちゃったんだよ。
「うん!りいぬ、ありがとっ」
そう微笑むるぅちゃん。 良かった、来た時よりも笑顔だ。
そして、追い打ちをかけるような言葉。
「りいぬ、だいすき!」
その言葉にうっ、と衝動が走る。だいすき なんて恋の武器が来るとは思わなかった。
俺もだいすきと普段なら返す。それでも、二人を応援するって俺は決めたから。
「それ、ころちゃんに言ってあげてね!」
「わかった!」
素直なるぅちゃんが、かわいい。
名残惜しいけど、そろそろこの愛しい時が終わりのようだ。
「ちゃんと仲直りしなよー!!」
「ありがと!りいぬ!」
そして、ドアを閉めかけたるぅちゃん。
目を細めて 優しく微笑んだ。
「りいぬは、やさしいね」
そう言って、ドアがバタンと閉じた。
るぅちゃんは、ほんとに罪な人。
やっぱり、俺はこう思ってしまうよ。
“ その幸せを歌うのは、俺が良かった ”
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