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🙂視点
🙂
「BLね…」
長らく演技の仕事に触れてきて初の試み。
今までなら新しい挑戦でも特に懸念もなくこなしてきた。
ただ今回は違う。
📕
「スマイル大丈夫なの?」
昔からの親友が心配そうに声をかける
🙂
「まぁ大丈夫だろ」
たぶんその心配は、
俺の恋愛対象が男であること。
📕
「間違っても神崎青波くんに手出したりしないでね!?ほんとに!!」
🙂
「さすがにそんなことしねえよ」
📕
「ならいいんだけどね…」
俺の恋愛観を知ってるのはぶるーくだけ。
しかし俺と同じ恋愛観を持つ者は見たことない。
きっと神崎くんもそうだ。
だから彼をそんな目で見ることはないだろう。
、、、多分な。
👓
「スマイルー打合せ始まるぞー」
🦈
「もう神崎君来てるから早くしろー」
マネージャー達がでかい声でそう呼んできた。
初対面で遅刻していくなんてあるまじきだ。
🙂
「ぶるーく、行くぞ」
そういって俺たちは足早に休憩所を出た。
今日で今回のドラマの演者と会うのは初めてだ。
恋愛物においては特に、相手役に好印象を与えるのは大事になってくる。
だから俺は神崎君を見かけた瞬間、すぐに近づいてあいさつを交わした。
🙂
「こんにちは、増井です。」
📕
「降谷です、よろしくね」
ぶるーくも続けて挨拶をする。
🎤
「神崎です。今回は共演お願いします。」
そう爽やかに挨拶をした彼は、誰もがひきつけられるようなオーラを放っていた。
この顔で、演技もうまくて、歌もうまくて、丁寧な言葉遣いができるなんて本当になにもかも完璧だ。
俺から見た神崎君の第一印象はこんな感じでとても良いものだった。
今にも恋に落ちてしまいそうなくらいに…。
いや、だめだ。
ダメなことくらいはわかってる。
ただ、まあ、恐ろしく魅力的なことは誰一人否定できないだろう。
うん。
魅力的なだけだから。
📕
「同い年なんだからタメでいこ?」
俺が軽くパニックになっていることを知るわけもなく、ぶるーくは当たり前のようにそう言った。
本当にこいつはコミュ力お化けだ。
昔から。ほんとに。
それに対して神崎君も困惑しているようだったが、これから長いのに距離がある方が嫌なので俺からも押してみることにした
🙂
「だな」
🎤
「いや俺全然後輩ですが」
まさかの即答。
🙂
「同い年だろ何言ってんだ」
素早いカウンター。ここで距離を置かれては困るからとにかく詰めまくるんだ。
🎤
「ええ…。」
なんだこいつ、みたいな顔をされてしまったが、まあいい。
これで折れてくれればいいんだ。
これから普通の人間だってわかってくれればいいんだ。
結局、俺が詰めただけでは納得いかなかったようでぶるーくが一言言ったところでやっと折れてくれた。
なんだかんだでお互いをあだ名で呼ぶことも了承してくれたし、まあ順調。
そうして無事に打ち合わせを終えたところで恐ろしく慌てた様子でぶるーくが近づいてきた。
📕
「ちょっ!スマイル!!ほんとに何やってんの!?」
🙂
「なんもしてねえだろ」
俺なんかしたか…?
📕
「なんもしてない訳ないでしょ!神崎くん…じゃなくて、きんときのこと撫でてたじゃん!!」
🙂
「…は???」
慌てた様子のぶるーくの口から出たのは予想外の言葉。
🙂
「誰と勘違いしてるんだ。俺はそんなことしてない。」
📕
「無意識なの!?きんときめっちゃ戸惑ってたよ!?」
🙂
「いや絶対俺じゃないし!」
📕
「やばいよスマイル…記憶喪失だって…」
ほんとに俺そんなことしたのか?
だとしたら相当まずい。
きんときからの印象が最悪かもしれない。
やばい。
📕
「とにかく、こういうことするのは今日で終わりにして!撮影中は普通に接してよ!」
🙂
「あぁ…?」
📕
「好きなら仕方ないけど、ほんときんときを傷つけない程度でね、てことで僕は失礼するよ〜」
🙂
「じゃあな…」
ん?
『好き』…?
『好きなら仕方ない』…?
いや俺別に好きとかじゃないし!!!