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WARNING
・ナチ日帝(NL)です
・恋愛関係有という設定です
・駄作
日帝の仕事部屋の前にナチスは突っ立っていた。
「入るぞ」
そう言いながら木製のドアを開けた。
日帝は煙草を吸っている最中で、部屋中に匂いが漂っていた。
椅子に腰掛け、日帝は窓の外を少しぼんやりとした様子で見ている。
「…おや、先輩」
一瞬ナチスに目を向け、すぐに目線を窓の外に向けた。
ナチスは日帝の元に向かい、煙草を取り上げる。
「…あ、ちょっと!」
「煙草はもうやめろ、こんなの吸って何になる」
ナチスは取り上げた煙草を机にある灰皿に押し付けた。
日帝はジロっとした目でナチスを少し見た後、軽く溜息をついてナチスに聞いた。
「まぁいいでしょう。…で、なにか御用で?」
「特に何も、ただ愛する人に会いに来ただけだ」
そう言われても日帝は顔色ひとつ変えず、まだ窓の外を見つめている。
「それはどうも…しかしあなた、仕事はどうしたんです」
「そんなのすぐに終わらせた」
「流石ですね、しかし私はまだ終わってないのですよ」
「では何故あんなに悠々と煙草を吸っていた」
「休憩中だったんですよ。しかしあなたのせいで、唯一の娯楽である煙草を吸う時間が減ってしまいました」
「そうか、しかしお前はいつからそんなボスに反抗するようになったんだ」
「いつからでしょうかね」
そう言いながら、やっと日帝は窓から目を離し、ナチスに座るように促した。
「何もしないのはつまらない、なにか時間を潰せることをしよう」
「私まだ仕事あるんですが、まぁいいですよ。何をします?ポーカーで賭けでもしますか?」
日帝は机の引き出しからトランプをとり出してみせる。
「いやいい、また今度イタ王でもさそってやってくれ。ただ話をしよう」
「話って何を?今も話してるじゃありませんか」
トランプを弄りながら日帝は言った。
「ただの世間話さ」
「そうですか、ではどうぞ」
数秒静かになった後、ナチスが口を開いた。
「…お前は瞳が綺麗だよな」
ナチスに突然そう言われ、日帝はしばらく黙った後、ふっと笑って言った。
「口説くのがお上手で。でも私にとっては、あなた達のような西洋の眼の方が美しくて好きですがねぇ」
そう言いながら、日帝はトランプのジョーカーをつまみあげていた。
ナチスはゆっくりと立ち上がり、日帝の元へ歩み寄る。
「いや、お前のその黒曜石のような目が好きなんだ。俺には無い、その真っ黒な瞳が…羨ましい」
ナチスは右手で日帝の頬をなぞる。
「そ、そうですか」
日帝は恥ずかしいのか目を逸らした。
「…あ、そうだ私仕事を忘れてました。ってことでそろそろ戻っていただいても…」
そう早口で話す日帝の肩をナチスは掴み、顔をさらに近付けた。
「嫌に決まっているだろう」
「なっ……い、いやしかし、この仕事はあなたが頼んだものじゃないですか…」
「ならまだ待ってやる、また後ででもいいだろ」
「え、いや…」
数十秒前までは余裕な顔をしていた日帝だったが、今は耳までも真っ赤に染めてしまっている。
「さっきまでの余裕が嘘みたいだな。いいだろう日帝?大切な恋人でありボスのおねだりを聞いても…」
「いや、ち、ちょっと…待っ…!」
その時、扉を強くノックする音が聞こえた。
「日帝ー?いるんね?開けてほしいんね」
イタ王だった。
「せ…先輩、イタ王が来たので…ちょっとどいていただいても 」
「……」
ナチスは黙ってどいてあげた。
「どうも…」
日帝は息を整え、扉を開ける。
「どうしたイタ王」
「よかったいたんね。って…日帝なんか顔赤くない?」
「いや、き、気のせいでしょ」
「そうなんね?まぁいいや、そういえばナチを見てないんね?」
「え?あー先輩ならここに…」
「そうだったんね?呼んできて欲しいんね」
「…わかった、ちょっと待って」
扉を閉じると日帝はナチスの元へ向かった。
「イタ王が呼んでますよ」
「そうか、わかった」
ナチスは服の皺を直し、扉へ歩み出した。
その途中、ナチスは日帝へ振り返り言った。
「後で俺の書斎へ来るように。楽しみにしているからな」
日帝は黙ってこくりと頷いた。
ニコリとナチスは笑うと部屋から出て行った。
壁にかかっている時計の針の音だけが部屋中に響く。
日帝は椅子に再度座り込むと深く溜息をつく。
「はぁ…どうしようかなぁ…」
そして日帝は自分の頬に触れ、ただ熱が引いていくのを待った。
あの時のナチスの顔が何度も頭によぎり、再度顔が熱くなっては冷め、熱くなっては冷めを繰り返していた。