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①の続き作でございます。
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「ねぇ、シャケちょっと時間ある?」
「あ、いや~..、ある。いいよ。」
企画会議終了後、きんときに声を掛けられてしまった。用事があると言って断ろうと思ったが、昨日のなかむからの大ブーイングが身に染みていた事もあり、承諾して2人で少し話すことにした。
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近くのファミレスに来たのだが、やはり空気は重たい。なんだかきんときの目付きも怖く見える。そんな静寂を切り裂いたのはきんときからだった。
「えっと、とりあえず、あの時話聞いちゃってごめん。俺もシャークんの聞こうとしてたとしてた訳じゃないんだよ。」
真剣な顔で話してくるものだから自分が失言してしまったという事への自己嫌悪と気を追わせてしまっている申し訳なさが入り交じって倒れてしまいそうだった。
「いや、俺もあんな所で変な話してたってのも悪かった。それに..、あんな変な話聞かせちゃったし、さ。
俺はもう大丈夫だからさ、ホント撮影とか迷惑かけてすまん。」
全然大丈夫ではないが、きんときを心配させないためにも自分が忘れる事が1番だと思った。昔から自分を犠牲にする事は多く、それで友達が幸せになれるなら俺も幸せだった。
「ねぇ、シャークんが良ければさその話俺が相談に乗ってあげるよ。丁度聞いちゃったってのもあるし、シャークんの役に立ちたいしさ。」
先程まで考えていた事が一気に崩れた。きんときに助けて貰う?きんときという今目の前にいる人物への恋心をきんときに話せと?そんな事できる訳無かった。
「いや、えっと、あー、、いやきんときには無理かな。うん、」
「俺だけ?なかむには相談していたとかなかむから聞いたけど、ほかのメンバーには言えるのに俺はダメなの?なんで?俺が勝手に盗み聞きしたから?俺が嫌いだから?」
急にずい、と前に来るきんときに思わず後退してしまった。確かになかむには相談していたのは事実だが、本人に伝えられないから相談していたのだ。
「いや、違う。そういう事じゃなくて、」
変な勘違いを起こされていると思って俺は全力で否定した。きんときが嫌いだからでは無い。寧ろその真反対できんとき。お前が好きだから言えないんだ。
「そういう事じゃなかったらなんなんだよ..、俺はシャークんの力になりたいだけなんだよ..。」
どんどん下を向いていくきんときを見て、もう言ってしまった方が良いのではないかと次第に思ってきた。これ以上きんときに勘違いをさせたくないというのもあったし、自分自身彼を騙し続けるのは罪悪感に潰されてしまいそうだったからだ。
これでまた、自分だけ我慢すればいいんだ。俺はその考えに至ったのだ。
「俺は、俺はさ、
きんとき。俺はお前が好きなんだよ。
お前が、とかじゃなくて、お前が好きだから、お前の事だからどうにもしようがないんだよ。
早く諦めるから許してくれ。頼む。」
俺はずっと下を向いていた。きんときの事を直視は出来なかった。どんな表情をしているか不安だったってのもあると思う。
「…、シャケ、顔上げてよ。こっちみて。
俺もシャケが、好きだよ。」
ぎゅ、と目を瞑って下を向いていたのを急に顔を上げた。まさか、自分に返って来るとは思っていなかった返事が返ってきて動揺してしまった。
「え?え、え?え?、俺が好き?きんときが?」
頭がぼ~っとして、知らぬ間に頬を涙が伝う。実感が湧いていないのか脳が上手く働かない。俺の今まで叶わないと思っていた数年間が報われたような気がした。
「え、シャケどうした..?なんで泣いてるんだよ~!泣くな、泣くな。」
「なんか、勝手に、えっと、嬉しい。のか?」
袖で涙を拭って早く話そうと何とか抑えようとするが、涙は溢れるばかりで。顔を擦り過ぎてより、目が赤くなってしまった。
「、そっか。なら良かった。無理しないで、俺は落ち着くまで一緒に居るよ。多分色々気持ちの整理が追いついて無い~のかな、」
俺が落ち着くまでゆっくり隣にいてくれたきんときにやっぱり何年経っても敵わないな、と思わされた。何をやっても結局彼の方が一枚上手で、そういう所に惹かれたと実感した。