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ぎゅいーんっ⚡︎
コメント
6件
うわ〜!!! めっちゃどタイプでドストレートなんですけど💘💘💘💘💘
うわぁ…読んでて胸がギュッとしたよ😢💔 3年も一途に想い続けて、自分を磨いて、再会したのに「ごめん」って…。元貴の「成長しなきゃ」って言葉が、若井くんを突き放すための優しさなのが痛いほど伝わってきた。 「今日で忘れよう」って決めたラスト、泣ける。報われない恋の尊さと切なさがぎゅっと詰まってたよ。ぎゅいーんっさんの書く失恋、いつも心に刺さる…🥀
恋人と別れたのは、3年前の冬のこと。
「このままじゃ、俺たち成長できないよね」
元貴はそんなことを言って、俺の手を離した。
「行かないで」とか「離れないで」とか、「そばにいて」って言えたら、何か違っただろうか。そんなこと言ったって、頭のいい君はきっと「ほらね、成長できてない」って返してくるだろう。
ずっと一緒にいたし、色んなことを話した。こんなことしたいとか、将来どうなりたいとか、何もしていないのに語るだけ。
でも、それが楽しかった。
別れてから最初の1ヶ月は、どうにか忘れようと頑張ってみたけど、結局それは叶わなくて今も忘れられないまま。いや、忘れなくてよかったのかも。
また会いたい。また手を繋ぎたい。俺の姿を見て「成長したね」って言われたい。そのためになんだってした。体を一から鍛え直したり、内面を磨こうと意識してみたり。一緒に音楽をしたいとかも元貴が話していたから、ギターも練習した。
そんなことを積み重ねてきたからか、奇跡は突然訪れた。
その日はとても寒い日だった。うっすらと雪が降っていて、年越し前の空気が街にまで広がっていたのをよく覚えている。
「…あ」
昔から二人でよく行っていた喫茶店に、君はいた。変わらない背丈とその瞳。でもどこか大人びいていた気もして、少しだけ今まで遠い存在だったことを改めて感じた。
「……若井」
向こうと目が合うとすぐに元貴は俺の名前を口にした。懐かしい声だった。3年前までは毎日聞いていた声だったしな。
「久しぶり。元気してた?」
「まぁ、ぼちぼち」
軽く会話を交わして、数秒の沈黙。でも、それは決して気まづいものじゃなくて、むしろ早まった鼓動を落ち着かせるのにちょうど良かった。
「…ちょっと話そうよ。ほら、久しぶりに会ったし」
そう提案すると、彼は一瞬窓の外を見てから、「うん」と頷いた。
お互いに向かい合って座るのはなんだか恥ずかしくて、結局喫茶店から出て、近くの橋の周りをゆっくり歩いていた。そこは君が「春になると桜が綺麗だよ」って教えてくれた場所だった。それを君は覚えているのかな?
「まだあのバイト続けてる?」
「うん。なんだかんだ安定してきて」
「あの頃は”高橋ムカつく〜”とか言ってたもんね」
「ははっ、いつの話を……」
他愛のない会話は、静かに続いていく。笑う時に手を口元の方へ持っていく仕草とか、鳥が頭上を飛んでくとそれを見上げる癖とか、何も変わっていなかった。
強いて言うなら…少しだけ、大人になった気がした。
「…てか、別れた時にさ、若井絶対泣いてたでしょ」
「え、なんで」
「なんか”泣いてません”みたいな顔してたけど、泣いてたんじゃないの?」
「いや〜…別に?」
「絶対泣いてた。目赤かったもん」
気がつけばあの頃に少しだけ踏み込んだ話もしてて、どこか抑えていた一線が薄くなっていく。
あぁ、こんな時間がずっと続けばいいのに。俺の隣でずっと笑っていて欲しい。「好き」ってまた言って欲しい。抱きしめて欲しい。抱きしめたい。寂しかった3年間が、今の時間だけでゆっくりと満たされていくのを感じた。
その真っ直ぐな瞳はどこを見ているの?俺じゃない誰かを見ているの?あの頃の軽さはもうない、一筋の光が宿っている瞳。
なんだか、その目だけは懐かしいって言えなくて、胸が苦しくなるのを感じた。
「……元貴」
ふと、歩く足を止めて、その名を呼んでみた。
「んー?」
ふわっと髪が揺れて、優しい表情を俺へ向けた。
心臓がやけにうるさかった。指先が震えるのを見られたくなかった。かっこ悪いって、思われたくなかった。
そっと手を伸ばして、その小さな体を抱きしめた。変わらないサイズ感と、優しい体温と柔らかさ。
「っ……ちょ、若井」
元貴は少し身構えるように肩を上げたが、決して突き放しはしなかった。
突き放してくれたら、期待なんかしなかったのに。
「……俺たち、やり直せないかな?」
「ずっと好きだった。ずっと寂しかった」
「ずっと、元貴のこと考えてた」
こんなこと言ったら、重いって思われて当然だ。こんなの成長じゃないじゃないか。やっぱり俺、ガキのままだな。
「俺、元貴のこと好きなんだ」
だからお願い、と優しく抱きしめた。鼻先に届いたのは、嗅ぎなれない洒落た香り。3年前までは同じシャンプーの匂いがしたのに、今は全然違う匂いだ。
でも、すごく元貴に似合っていると思った自分がいた。
「……ごめん」
寂しげな、落っこちていくような声だった。
「…俺、今好きな人いるんだ。俺はちゃんと、あの頃から若井のこと忘れようとしてるよ」
「成長しなきゃいけないから」
その腕は俺を抱き返してくれることはなく、彼を抱きしめる俺の腕を止めるみたいに、俺の腕を掴むだけだった。
「…そっか……ごめん」
思いの外、すんなり受け入れた自分がいた。でも多分、これは強がりな俺だ。本当は、「嫌だ」って言いたかった。「いいよって言うまで離してあげない」とか、言いたかった。
あーあ、変わってない。
どれだけ見た目をかっこよくしようとしたって、内面を磨こうとしたって、音楽を学んだって、俺自身は変わっていないのだ。君に甘えてしまうのは、きっともう変えられない。だから君は、いつも答えを教えてくれる。答えへ導いてくれる。
こうやって突き放してくれるのも、君の優しさだ。
目頭が熱くなるのを感じて、バレたくなくて、元貴の肩に顔を埋めた。悔しい。悲しい。寂しい。報われなかった。神様がいるのだら、「こんなのあんまりだ」って文句を言いたかった。やっぱり俺はまだまだガキンチョのまんまだね。
「……お願い」
「あと少しだけ、このままでいさせて」
こんなの言うことはかっこ悪いのなんて、もう分かってる。
分かりやすく声が震えていたし、隠しきれない嗚咽が漏れていった。それでも元貴の手は、俺を抱き返すことはなくて、ちゃんとした一線がまたじんわりと浮かび上がっていくのを感じた。
「うん」
その声はどこまでも優しくて、そこだけは決して変わっていないと思うと、涙が溢れた。
前を向こうとしている君と、過去に縋りついた俺。今、こんなにも近くにいるのに、完全には交われていない。まるで、隣同士なのに交わることができない春と冬のようだ。
俺だけ時間が、止まっていたんだね。
それだけが静かに胸に落ちてきて、それを静かに受け止めた。ちゃんと変わらないとな。つくづくそう思う。けど、今だけは、あの頃を思い出させて欲しい。
今日で忘れよう。君のためにも、俺のためにも。
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お久しぶりの短編集!𐔌՞ᱹ ﹼ ̫ ᱹ՞𐦯
テスト期間真っ只中の作者です。今回まじでやばそうで焦ってます( ͒ ඉ .̫ ඉ ͒)💦💦そういう時に限って書きたいものが浮かんでくるんですよね……😩🤍 やっぱり作者は切ない失恋系が好きなようで、ハッピーエンドがなかなか書けません笑
一途が報われる瞬間ってすごく素敵だと思うんですけど、それと同時に報われない瞬間もすごく価値があるのかなって、勝手に思ってます。人生でする長い長い恋愛小説の中で、1つの章が終わりを告げる瞬間だと考えると、少しロマンチックじゃないですか?(՞_ ̫ _՞)💭💟
それではまた次のお話で^^