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「私も同じ学校なの」メイドさんの口から驚きの一言が飛び出る。「学校で見たことなかったので分かりませんでした」「僕もです」
「あ、まさか、」「どうしたの?」なにか思いついたように葉月先輩が話そうとすると、メイドさんが反応する。
「噂で聞いたことがあります。3年生に伝説の不登校がいるって」「そうなんですか!?」
「うん、違うよ?」即答で否定される。
「3年生ってところまでは合ってるよ」
「ただね学校では目立たないようにメガネつけて大人しくしてるの」
そういうことかと葉月先輩が納得した顔をする。僕も納得した顔をしておく。
「あ、ここでバイトしてること内緒にしてね」
「わかりました!」「はい」
「よろしい!」と微笑んだ。
「ところで話したいってそれだけですか?」
と葉月先輩が問いかける。
するとそのメイドさんは少し恥ずかしそうに
「学校で人と話してないと友達いなくて、そのーお友達になってほしいなー、みたいな」とちらちらと僕らを見ながら言う。
光太は「僕でよければ!」くしゃりと笑顔を向ける。結羽はそんな光太を横目に見ながら頬を赤らめ「私もいいですよ」と快く返事した。
するとメイドさんはおもちゃを買ってもらった子供のような笑みを僕らに向けた。そして
「私は高梨飛鳥《たかなしあすか》。好きなように呼んで!」と元気よく言った。
「僕は氷川光太です。高梨先輩って呼びますね。」「私は葉月結羽です。こうっ、氷川くんと同じように呼びます。」途中何か言いかけたが聞き取れず、分からなかった。
「じゃあ光太くん、結羽ちゃん、連絡先教えて!」
「はい!」「わかりました」光太くん?なんでそんな。
少し結羽の顔が引き攣っていたが光太にはその理由が分からない。
連絡先を交換したあと、店長らしき人に呼び出されてこっぴどく叱られていた。
その後葉月先輩を家まで送ろうとしたのだが用事があるらしく、その場で解散した。
今日はいいたかったことを全部言えたのでよかった。数日間の精神的なストレスが吹き飛び心が軽くなった。
一方結羽は少し不満気味だった。用事があるというのは嘘っぱちだ。2人きりの時間が出来ると思い楽しみにしていたのだが、予想外の人の乱入があり期待はへし折られたのだ。光太が可愛らしい笑った顔を自分以外の女に見せているのが少し嫌で嫉妬もしていた。それに飛鳥が光太のことを光太くんと呼んでおり、先を越されたと焦燥感もあった。また飛鳥は整った顔をしていた。それこそ誰が見ても美少女の結羽と並んでも引けを取らないほどに。そんなこともあり結羽は飛鳥をライバル視せずにはいられなかった。