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京介side
INIフォルダの撮影で地方に泊まり。
外は嫌な音がしていた。
遠くで空が割れるような、低い響き。
「‥‥大丈夫」
誰にも聞こえない声でそう言い聞かせる。
耳を塞いでも、雷の音は容赦なく胸の奥まで落ちてきた。
柾哉「京介?」
名前を呼ばれて肩が揺れる。
振り返ると、そこには不思議そうにこっちを見る柾哉くんの姿。
柾哉「撮影、再開するけど行けそう?」
いつも通りの顔を作り、撮影を再開した。
撮影が終わり、旅館にやってきても雷は止まなかった。
また、鳴った。
空気が一瞬重く沈んでから、遅れて胸を叩くような低い音が鳴り響く。
想像以上に近くに落ちて、思わず立ち止まった
廊下の蛍光灯が、ほんの少し揺れる。
その小さな揺れに体が反応してしまう。
「‥‥っ」
呼吸の仕方がわからなくなる。
吸っているはずなのに、息が入ってこない。
光でも、振動でもない。
体の奥まで入り込んでくるあの”割れる音”が怖かった。
早くみんなのとこに戻りたいのに、足は言うことを聞いてくれなかった。
洸人「京介、どうした?」
後ろから声がして、びくっと肩が跳ねた。
反射的に耳を抑えそうになって、慌てて手を下ろす。
「なんでも、ない」
そう言った瞬間。
ーードンッ!
今までより近い位置に雷が落ちた。
音が、体を貫いた気がした。
怖くなって、その場に座り込む。
洸人「京介!?」
洸人くんが俺の名前を呼ぶ。
でも、言葉として届かない。
“また来る”
“次はもっと近い”
そんな考えが、頭の中を支配する。
無意識に音を遮るように膝を抱え、頭を伏せていた。
「雷‥‥やだ‥‥‥ 」
声にならない声が、喉で震える。
雷の音がまたひとつ。
その音を合図に俺の記憶はINIになる前に遡った。
それは夜の出来事だった。
窓の外は真っ暗で、雨が強くガラスを叩いていた。
「大丈夫」
誰もいない部屋で、自分にそう言い聞かせていた。
この時も、“音”が1番怖かった。
ーーーードンッ!
体が震える。
布団を頭まで被って耳を塞いでも、音は布団を通り抜けてきた。
「……やだ……」
小さく声を出しても、返ってくるのは雷の音だけ。
誰かを呼びたいけど、家には誰もいない。
1人でひたすら雷を耐え続けた。
過去の記憶が、雷の音と重なる。
「‥…1人に、しないで……」
小さく溢れたその言葉は、自分でも気づかないうちに今の世界に落ちていた。
雷の音が少し遠ざかったあと、俺の背中に手を当てる洸人くんに気づいた。
洸人「‥…京介」
低くて落ち着いた声。
名前を呼ぶだけで、それ以上は何も言わない。
今洸人くんを見たら泣いちゃいそうで顔を上げられなかった。
洸人「ここ、寒くない?」
そう言って、上着をかけてくれる。
触れ方はとても慎重で、不思議と安心できた。
洸人「無理に話さなくていいから」
「ただ、一緒にいさせて」
そのことばに、胸がぎゅっと縮む。
“1人じゃない”
その事実が、怖さの隙間に少しづつ染み込んでくる。
雷が、また小さく鳴った。
体が反応しかけると、すぐそばで洸人くんの声が聞こえた。
洸人「……大丈夫。今の遠いから」
洸人くんの声に、体温に少しづつ安心していく
洸人「みんな怖いものくらいあんだろ 」
「今まで、1人で頑張って偉かったな」
その言葉に、目頭が熱くなる。
「……黙ってて、ごめん」
声が震える。
洸人「また俺が助けてやるから」
「京介はINIに必要だから」
顔を上げると優しい目をした洸人くんがいた。
雷はまだ鳴っている。
でも、俺の心はさっきより静かだった。
その後、洸人くんに言われ雷恐怖症のことをメンバーに話した。
勿論誰も責めてこない。
遠くで鳴る雷も11人でいれば怖くなくて、
いつの間にか深く息ができるようになっていた。
「……みんな」
小さく、でもはっきりした声でみんなを呼ぶ。
「ありがとう」
ただそれだけの言葉。
でもこの言葉だけで全てが伝わった気がした。
大夢「当たり前でしょ」
「俺らは家族なんだから」
大夢の言葉にみんなが賛同する。
外はもうすっかり静かになっていた。
窓の外を見て初めて気づいた。
ーー嵐はちゃんと終わる。
「怖いの、なくなったわけじゃないけど」
そう前置きをして言葉を続ける。
「1人じゃないって思えた」
1人じゃない。
雷はまた鳴るけど、俺には最強の仲間がいる。
だから、絶対に大丈夫。
これから先何があってもこの10人となら乗り越えられる気がした。
なかなかいい感じに仕上がったかなって思います!!
次は恋愛系かなー?
ぜひ楽しみにしててください!!
♡×300で次出します!!
それじゃあまたね〜🐉