コード・レイン

最終話　終焉の刻印

巨大な地下核基地の中心、赤い警告灯が絶え間なく点滅している。カウントダウンは残りわずか、秒針の音が耳をつんざくように響く。

「30秒…29秒…」

エリックは息を呑み、発射制御パネルの前に立つ。冷や汗が額を伝うが、目は決して揺らがない。

「解除コードは…まだだ…間に合え！」

彼の指は震えながらも、暗号入力を続ける。背後からは敵の足音が迫り、銃声が間断なく鳴り響く。

「奴らが来る…！」

突然、ドアが激しく蹴破られ、敵の隊員たちが乱入。エリックは反射的に銃撃を交わしつつ、コードを打ち続ける。

「あと10秒…！」

仲間が無線で応援を送るが、通信は途絶えがちだ。

「7秒…6秒…」

最後の1文字を打ち込む瞬間、敵のリーダーが銃を向ける。

「ここで終わりだ、レイン！」

エリックは瞬時に反撃、銃撃戦の中、鍵となるボタンを押す。

「解除完了！」

警報音が止まり、カウントダウンが消えた。敵は唖然とし、やがて撤退を始める。

しかし、エリックは倒れ込む前に最後の言葉を呟いた。

「戦いは終わらない。だが、今日…一つの未来を守った。」

外に出ると、朝焼けが基地を染めていた。新しい希望の光が、静かに彼を包み込む。