いけないと分かってる。
信じてもらえないと分かってる。
それでも「好き」の気持ちが止まらない。
黙って想うだけにしよう。
そう決めて3か月。
分かってしまった。
向井は渡辺のことを想って3か月。
だけど、渡辺の1番の仲良しは目黒だと分かってしまった。
2人は互いの家を行き来し、一緒に出かけたりもする。
敵うわけない。
そんな仲良しの間に入り込めるはずないじゃないか。
向井は楽屋で自分のカメラでメンバーを撮ることがある。
もちろん、渡辺も撮った。
だがいいなぁと思う笑顔は目黒に向けたもの。
目黒ー康二、俺のこと気にしなくていいよ。
向井ー何のこと?
目黒ー康二が誰を見てるか分かっちゃった。
向井ー何言うてんのん?
目黒ー言っていいの?
向井ー何わけわからんこと言うてんねん。
目黒ーしょっぴーをよく見てるよね。
向井ー・・。
目黒ーどういう気持ちか分からないけど見てるよね?
向井ー綺麗で写真撮りたいからや。
目黒ーじゃあ、横にいる俺は邪魔だね。
向井ーかまへん、めめも格好ええから写真撮り甲斐がある。
目黒ーでも、撮りたいのは、しょっぴーだけだよね。
向井ー・・何で?
目黒ー俺と、しょっぴーじゃ、気持ちが違うよね?
向井ー何が言いたいねん。
目黒ーしょっぴーだけ、見つめてるでしょ?
向井ーそんなことあらへん。
収録の時間がきた。
目黒は話を打ち切り渡辺のそばに戻っていく。
収録が終わり、渡辺と目黒は一緒に帰って行く。
その後ろ姿を見つめながら向井は小さくため息を吐く。
渡辺ー収録前に、康二と何話してた?
目黒ー誰を撮りたいか聞いてた。
渡辺ーお前か?
目黒ー違う。
渡辺ー誰でもいいんじゃないか?
目黒ー違うんだなぁ。
渡辺ー何?
目黒ーしょっぴーだった。
渡辺ー俺?
目黒ーうん、認めなかったけど。
渡辺ーホントに俺?
目黒ー良かったね。
渡辺ーホントならな。
目黒が向井に聞きに行ったのには理由がある。
渡辺は、向井が可愛いから好きなんだそうだ。
可愛いだけてなく、あぁだこうだと好きの理由を目黒に話している。
だから、目黒は向井に確かめに行ったのだ。
もし、向井も渡辺を好きなら渡辺の気持ちを教えてやろうと思っていた。
目黒ーどうしても、認めないんだよね。
渡辺ー俺、言ってみようかな。
目黒ーしょっぴーから好きだって言うの?
渡辺ー変か?
目黒ー康二が言ってくれるの待ってたら?
渡辺ー言ってくれるかなぁ。
目黒ーお兄さんに任せなさい。
渡辺ーバカ、俺の方がお兄さんだ。
目黒ーまぁ、いいから。
笑いながら帰る2人。
今日は一緒に晩ご飯を食べるのだろう。
一緒の移動車に乗って帰って行った。
向井はまた小さくため息を吐く。