テラーノベル
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続きです
周囲の音が、完全に消えていた。 自分の荒い呼吸と、氷が生成される「パキパキ」という鋭い音。
そして、鉄製の武器が空気を切り裂く風切り音だけが、永久の世界のすべてだった。
永久 「、、もっと。ホークスなら、今の三倍は速い。、、無駄な動きが多いんだよ、私の体は、、」
一歩踏み込む。床を氷で滑らせ、摩擦をゼロに近づけて加速する。
ダミーの喉元へ一撃。翻って、背後の標的へ冷気の弾丸を叩き込む。
視界の端で、何かが動いた気がした。けれど、それはきっと集中しすぎた脳が見せる残像だ。
あるいは、さっきまでそこにいたオールマイトの気配の残り香。
永久 「、、これで、終わり、、!」
渾身の力で床を叩くと、TDLの広大な演習場の一角が、一瞬にして巨大な氷の樹海へと変貌した。
冷たい霧が立ち込め、自分の吐く息さえも白く濁る。 やり切った。
心地よい疲労感と共に、永久はゆっくりと武器を下ろした。
永久 「、、ふぅ、、。、、少しは、マシになったかな、、」
額の汗を拭い、ふと、背後に異様な圧力を感じて顔を上げた。
そこには、いつの間にか演習場の入り口付近に勢揃いした、1-Aのクラスメイト全員の姿があった。
永久 「、、、え?」
固まる永久。 最前列には、あくびを噛み殺しながら壁に寄りかかる相澤。
その隣には、なぜか誇らしげに胸を張るオールマイト。そして、切島や緑谷、
上鳴たちが、目を丸くしてこちらの氷の樹海を眺めていた。
上鳴 「、、マジかよ。今の一連の動き、速すぎて見えなかったんだけど!」
切島 「すっげぇ、、! なんだよ永久、福岡で修行でもしてきたのか!? 威力が段違いだぜ!」
緑谷 「、、今の加速の仕方、氷の摩擦を計算に入れてるんだね、、。ノートに書き留めなきゃ、、!」
芦戸 「ちょっと永久ー! 帰ってきたならそう言ってよ! 水臭いんだから!」
永久 「、、なんで、全員いるの。、、まだ朝の6時過ぎでしょ、、。
あんたたち、休日は昼まで寝てる低スペック集団じゃなかったっけ、、」
驚きのあまり、毒を吐くことすら忘れて立ち尽くす永久。 そんな彼女の元へ、
相澤が気だるげな足取りで歩み寄ってきた。
相澤 「、、朝っぱらからTDLの使用許可申請が出れば、嫌でも気づく。
お前が帰ってきたって聞いて、こいつら、朝練の名目で押しかけてきたんだよ。迷惑な連中だろ」
永久 「、、迷惑。極まりない。、、勝己、あんたまで何してんの。、、あほ面晒して寝てたんじゃないの、、」
爆豪 「あぁ!? 誰があほ面だ殺すぞ! てめぇが勝手にいなくなったから、
どんだけ腕が鈍ったか拝みに来てやったんだよ! 、、まぁ、少しはマシな動きしてやがったけどな」
爆豪はふいっと視線を逸らしたが、その耳がわずかに赤い。
相澤は永久の前に立つと、ポケットに手を突っ込み、ニヤリと僅かに口角を上げた。
相澤 「敵愛。お前、福岡で『土産』を貰ってきたんだろ。、、このバカ共、
自分が一歩先に行ってると思い込んでる。、、ここらで一つ、格の違いってやつを自慢したれ」
永久 「、、自慢、、。、、相澤先生、性格悪いね。、、まぁ、いいけど」
永久は、少しだけ得意げに、けれど照れ隠しのようにぶっきらぼうに、
スーツのポケットからあの「カード」を取り出した。 朝の光を反射して、金色の文字がキラリと輝く。
永久 「、、これ。福岡で、ホークスに無理やり取らされた。
、、仮免なんて二度手間、私のロジックには必要ないから」
永久が掲げたのは、仮免許ではない。 正式な、
プロヒーローとしての活動を許可する「本免許」――その取得証明だった。
TDLに、耳を劈くような絶叫が響き渡る。
上鳴 「本免!? 嘘だろ!? 」
耳郎 「え、ちょっと待って、、。永久、もうプロなの? 現場で一人で動けるの!?」
切島 「うおおおお! かっけぇ!! さすが永久だな! 公安直属ヒーローの推薦かよ!」
緑谷 「、、すごい、、。ホークスさんの下で、それだけの成果を
認められたってことだよね、、。おめでとう、永久ちゃん!」
爆豪 「、、っ、チッ!! 先に行きやがって、、!! クソが、絶対追い抜いてやるからな!!」
騒ぎ立てるクラスメイトたちの中心で、永久は「HERO LICENSE」を指先で弄んだ。
あんなに嫌っていた、不完全だと思っていたヒーローという肩書き。
けれど、こうして全員に驚かれ、笑われ、賞賛される中で、そのカードは少しだけ温かく感じられた。
永久 「、、うるさい。自慢したんだから、もういいでしょ。、、ほら、あんたたちも練習始めるなら場所空けるよ」
永久はそっぽを向いたが、その頬は隠しきれない熱を帯びていた。
嫌いな世界。欠陥だらけの社会。 けれど、この騒がしくて熱い連中の隣に、
自分は「プロ」として立っている。 福岡の冷たい風を乗り越えた永久の胸に、
かつてないほど確かな「自分の居場所」が、氷の結晶のように美しく形作られていた。
轟 「、、、爆豪。俺らも、」
爆豪 「あァ?!わぁってんだよんなこと!!おい永久!今度の仮免再取得試験、見に来い。」
永久 「え?」
爆豪 「来いっつってんだよ!お前ばっかに先行かせてたまるか、俺のことも見とけ。」
「「「「!!????!!!」」」」
轟 「俺のことも見ていてほしい。」
爆豪 「お前は余計だわクソ!」
はい、どうでしたか。
2321文字。
終わります。
コメント
4件
遂にかっちゃんが……行動を始めた!!そのままゴールインだ(⁇)でもヴィランルートを捨てられない!!ヒーロールートも神だけど、ヴィランルートも捨てたくない! ぁぁぁ悩む 続き楽しみすぎる!
爆豪の言葉が一瞬告白に思えたのはうちだけだろうか…🤔 今回も良かったよ!続き楽しみにしとるね〜!
面白かったです! 爆豪と永久ちゃんの絡み好きです!! 爆豪、男前がすぎるよ⁉︎続き楽しみです♪