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世の中には色々なミステリーがある。
学校の七不思議や都市伝説などもその類である。
ではこの沢山あるミステリーの中で、このような物はご存知ないだろうか?
『我々探偵社』
それは必要としている人の前に神出鬼没で謎の扉が出てくるという。
中に入り、問題解決して貰ったという声は沢山上がるのだが何故か位置情報や手口。従業員の名前は記憶から無くなっているらしい。どうにも不思議だろう?
この物語はその我々探偵社の仕事を、貴方だけに特別に見せる為の物です。
それでは少しだけ覗いて見ましょう….。
私の名はリアン。国家での機密機関の隊員。今は敵国への潜入中なのだが….
敵国兵「居たぞ!追え!!」
まずい…..!見つかった!
リアン(走る)
今はとにかく走れ!!出来る限り早く!
リアン「はぁっ……はぁっ…..」
なんとかアジトへは戻ってくることが出来た。2人しかいない。他の仲間は殺されただろうか?
リアン「…..無事なのは貴方だけ?」
リアン「ったく…..情報と違うじゃない。これが上手くいかなかったら国から消され…..」
仲間「まあまあ。まだ国から与えられた期限までは2週間ある。焦ることはないさ。」
リアン「誰だって焦るわ。顔をあなたも私も見られてるもの。」
リアン「侵入どころか普通に街中を歩く事さえ警戒しなきゃいけない。」
仲間「….まあ時間も人手も足りてないからな。あんまりピリピリすんなよ。」
仲間「今は夜だ。生物の動く時間帯じゃない。たっぷり休めばいいさ。」
そんな余裕、今の私達にはない。けれど彼は彼は彼並に慰めてくれようとしているのだろう。
リアン「….少し外で空気を吸ってくるわ。」
仲間「空気じゃなくてタバコだろう?」
リアン「そうよ。」
仲間「行ってらっしゃい。」
リアン「あぁ。」
昼にはあんなに明るい街なのに、夜になれば途端に静まる。
お店も出ていないし、外出する人もいない。
……さっさと残りの仲間を見つけよう。
計画の途中にバラバラになってしまったから…..。
リアン「…..やば」
ここどこ?
複雑な道でも無かった。人から見えないところにいようと、細道に入っただけなのに。
….まぁ、迷っていても仕方が無いし。一旦来た道戻ってみましょうか。
そうしてリアンは振り返った。
リアン「!?」
後ろには来ていた道はなく、無かったはずの建物が建てられていた。
リアン「….?」
さも怪しげな雰囲気を纏う扉の上には看板があり、そこには
ようこそ……我々探偵社へ
とあった。
変な所に建ってるのね…..。まぁ探偵社なら道ぐらいは知ってるでしょう。
リアンはその扉を開けた。
ガランっ
今の時代にはそぐわない、ベルが扉の上に着いていた。
????「….あれ?お客様ですか?」
????「こんな夜遅くに珍しい。
寒かったでしょう?」
????「どうぞお座り下さい。紅茶とコーヒーがありますが、どちらが良いですか?」
リアン「そんなに長居するつもりは無いの。構わなくていいわ。」
????「いえいえ!ここの探偵社に導かれた、という事はあなたには悩み事があるはずなんです。」
????「ほら、とにかくソファに座って。紅茶でも飲んでいて下さい。」
リアン「……?」
リアン「そんなに急いでいる暇はないの。私は道を聞きたいのよ。」
????「左様でございますか。」
????「それでは帰り道をお教え致しましょう。マップを持って参ります。ソファに座って少々お待ち下さい。」
そう言って謎の女は奥の扉の中へ消えていった。
…….まぁ、お茶を飲むぐらいの時間はあるだろう。少しだけゆっくりさせて貰おうか。
少しして女が奥の扉から出てきた。
????「お待たせ致しました。それではご説明させて頂きますね」
????「ここからーーーー」
リアン「分かったわ。どうもありがとう。」
????「いえいえ。」
リアン「それじゃあ……」
????「お待ち下さいお客様。」
リアン「……何かしら?」
????「まだ依頼を受けておりませんよ。」
……はぁ?
リアン「さっきも言ったわよね?、私今は時間が無いの。」
???? 「私含め、我々探偵社は様々な依頼を解決して来ております。」
????「それは反社(反社会組織)からであったり、国の極秘組織からであったり。様々な所からの依頼を受け付けておりましたが」
????「失敗、漏洩したことは一切ございません。」
????「申し遅れました。私はライアネと申します。以後お見知り置き下さい。」
反社?極秘組織?どういうこと?
ライアネ「……例えば、」
『相手国の機密情報を全て探し出す』
ライアネ「…..というご依頼でも大丈夫ですよ。」
!!
私の考えている事だ。見透かされた?
まさか。初めましてなのに私のことを知っているはずがない。それじゃあ偶然?
私の正体なんて私の仲間でも知らないのに…..。
リアン「…..あなた何者?」
ライアネ「我々探偵社所属、ライアネと申します。」
リアン「….本当に情報が手に入るの?」
ライアネ「えぇ。保証しますよ。」
リアン「…..本当に?」
ライアネ「えぇ。お金は後払いでも構いません。」
こいつ金取るのね…..。
でも、
リアン「…..それじゃあ1つ、依頼いいかしら。」
ライアネ「…..勿論。」
このまま1週間経っても国から消されることは間違いないし、それなら後払いでここに依頼するに越したことはないわ。
リアン「…..これでいいの?」
ライアネ「少々お待ち下さい。書類の確認を致します。」
リアン「…..」
リアン「言っとくけど、私は後払いよ。信用しきれていないもの。」
ライアネ「構いませんよ。」
まぁ最悪、払わなくてもいいし…..。
ライアネ「…..もし、ルード・リアン様がご支払いされなかった場合」
ライアネ「…..ご姉妹の詩音さんがどうなるのでしょうか?」
ガタンッ
驚いて立った時に膝を机にぶつけてしまった…..。
いや!それどころじゃない!
どうして私の本当の妹を知っているの?
今のルード・リアンという名も本当の名前では無いのに!!
リアン「…..っ!あなた何者よ!」
ライアネ「私は….」
リアン「あー、もう!いいわ。」
リアン「払えばいいんでしょう?」
ライアネ「はい。」
リアン「私の家族に手を出したらただじゃおかないわ!」
ライアネ「では書類の最終確認を。」
お名前:ルード・リアン
依頼内容:〇〇国の極秘情報
支払い方法:後払い
支払い保証人:詩音様
期間:3日
ライアネ「….では、3日後。あなたの近くでまた扉が開きます。」
ライアネ「ご依頼承りました。」
リアン「えっ、ねぇ!ちょっと!!」
私ははじき出されるように扉から出された。背後で扉の閉まる音が聞こえ、慌てて振り向くとそこに謎の我々探偵社という建物は無かった….。
私は我々探偵社で働く社員の1人。
ライアネ「ご依頼承りました。」
リアン「えっ、ねぇ、ちょーーー」
ガランっ……バタン
……新しい仕事が入った。一仕事頑張りましょうか。
実は探偵社の奥には依頼者からは見えない休憩室があるのだが、そこで皆さんが寝すぎていて、今はもう仮眠室と化しているのだ。
ライアネ(仮眠室のドアを開ける)
ライアネ「…..起きて下さーい。新しい仕事入りましたよ〜?」
トントン「んー…………。」
エーミール(上体を起こす)
ベットがあるのに何故か休憩室で寝ている。それ深く眠れる?
ライアネ「ゾムさーん、ショッピさーん。」
ライアネ「……あ、タバコ切れてるかも。」
鬱「はぁ!?」
チーノ「今すぐ発注せぇ……!」
ショッピ「カートンで。」
コネシマ「……..」
ライアネ「起きないと発注しませんよ?」
ていうかこの人たちめっちゃ寝てるはずなのにめっちゃ眠そう….。
ライアネ「今回の依頼3日で終わらせなきゃなんでさっさと起きてもらっていいですかね。」
ロボロ「あと五分だけ…..」
ライアネ「今起きるか。五分後に叩き起されるかどっちがいいですか?」
ロボロ「ぅんー……..」
はよ起きんかい。
プルルルルルルルル…..プルルルル
ライアネ「はい。こちら探偵社NO.1。」
グルッペン「あー、あー…..聞こえているかね。」
!!!
久しぶりの電話だ…..。
実は今この探偵社にいる者だけが探偵社の社員という訳では無い。
派遣会社としてもうひとつ、我々探偵社があるのだ。
そこは人手が少ないため、迷惑になるかと思ってこちらから電話する事は無いに等しい。そのためこうやって話が出来る機会は多くない。
ライアネ「大丈夫ですよ。」
グルッペン「そっちはどうだ?上手くいってるか?」
ライアネ「…..ぼちぼちですかね。」
ライアネ「今も誰も起きないし。」
グルッペン「まずトン氏を起こすといいぞ。」
ライアネ「参考にします。」
ライアネ「…..そちらの派遣会社の方はどうですか?」
グルッペン「…..ぼちぼちだよ。」
ライアネ「オスマンさんとひとらんさんは仲良くしてますか?兄さんだけ仕事量は多くありませんか?
…..元気に過ごせていますか?」
ライアネ「…..もし良ければ….」
グルッペン「ライアネ。」
ライアネ「!」
つい心配性が出てしまった….
グルッペン「こっちは元気だ。そちらも相変わらずだな。」
グルッペン「これからも少しずつこうやって交流しよう。たまーにだがそちらに顔を出す事にする。」
ライアネ「本当ですか!!」
グルッペン「あぁ。」
グルッペン「派遣会社として上手くこちらは運営できている。つい先程ここの地の良い酒が手に入ったものでな。」
グルッペン「送っておいた。嗜むといい。」
ライアネ「…..はい。」
グルッペン「それじゃあまた。」
ツーーーーーーッ….ツーーーーーーッ….
切れてしまった。元気そうで良かった。
ライアネ「トントンさぁーん、起きてぇー!」(耳元で叫ぶ)
トントン「わーったわーった….」
トントン「….メガネ探してくれ。」
ライアネ(メガネを手に取る)
ライアネ「どうぞ。」
トントン「ん。」
トントン「てかお前こんなに男が寝とるとこに堂々と入ってくんな。」
ライアネ「だって起きないでしょう。」
ライアネ「ここ休憩室ですよ?なんでここで寝るんです。ベットあるのに。」
トントン「お手軽やから?」
ライアネ「早く皆さん起こしてくれませんか?」
トントン「分かった。」
ライアネ「あ、ご飯はもう作ってありますので勝手に食べといて下さい。」
チーノ「いただきまーす!」
コネシマ「そういや仕事入ったらしいな?」
ライアネ「入りましたよ。」
ロボロ「期限3日やとさ。」
鬱「え、まじ?」
ロボロ「ガチガチ。」
ライアネ「依頼内容は〇〇国の極秘情報を掴めとの事です。」
ゾム「はえ〜……」
ゾム「国の極秘情報3日で掴めってなかなかヤバない?」
ライアネ「依頼者のお方がスパイ関係のお方でして、個性的な依頼内容ですよね。」
ショッピ「どうせ今回もライアネさんがそう依頼するよう誘導したんでしょ。」
ライアネ「それが私の仕事ですので。」
ライアネ「意味不明な依頼されても困るのはショッピさん達なので別に私はいいんですけどね。」
ショッピ「ちゃいますやん??」
ライアネ「今回の依頼は情報収集なのでバレないようにお願いしますね。」
鬱「中々簡単に言うなぁ…..。」
ライアネ「依頼終わるまでにはタバコ揃えておきますよ。」
鬱「頼んだわ。」
見ての通り私は手助け役。事務のリーダーであり活動グループの助手である。
私が活動をすることは稀だが実力は活動グループに並ぶ。
ライアネ「情報収集….。」
鬱「今回も下調べしてきてや〜。」
ライアネ「えぇ〜?」
ライアネ「下調べなんか要らないでしょう。どうせ侵入して来るだけなんだから。」
トントン「お前簡単に言い過ぎやねんなぁ……。」
ライアネ「そうですか?」
ゾム「まあお前の能力ならクソ簡単そうやな。」
ライアネ「能力とは。」
ゾム「存在感を薄める?」
ライアネ「それ能力なんですか?」
ゾム「個性ぐらいにしとこか。」
トントン「ワロタ」
ロボロ「てか計画立てとん?」
ライアネ「今頭の中で。」
コネシマ「じゃあ俺ちょっくら下見行ってくるわ。」
ロボロ「確かに探るなら夜の方が良さそうやな?俺も行くわ。」
シャオロン「俺も〜。」
鬱「俺も行くわ。」
….そこまで来たなら全員行けばいいのに。
ゾム「じゃあもう全員で行けばええやん!」
チーノ「僕はお家で書類作るっていうお仕事があるんでぇ…..」
ゾム「あ、チーノも行くってよ〜?」
チーノ「ゾムサァン!!」
ゾム「www!」
ライアネ「…..それじゃあ10分だけ待って下さいよ。」
コネシマ「ん?ええけど。」
コネシマ「なんで?タバコくれるん?」
ライアネ「え?まあ良いですけど。」
実は私も吸っている。
社員でそれぞれ吸っているタバコの種類は違うため、ひとつずつカートン単位で買っているのだが。一時的に無くなった場合は1番吸う回数が少ない私のタバコを吸っているのだ。
ライアネ「高性能のスーツがあるんですよ。準備するので少しだけお待ち下さい。」
ロボロ「うぃー。」
ゾム「ロボロにはでかいんちゃう?」
ロボロ「うるさいわ。」
ライアネ「….この前寸法測ったでしょう。」
ゾム「あ、それがこれなん?」
ライアネ「そうですよ。」
ゾム「へー….?」
ライアネ「……結構似合ってますね。」
ロボロ「ほんま?」
ライアネ「えぇ。」
コネシマ「まあなんでもええけど。」
ゾム「動きやすいな?これ。」
ライアネ「特注品ですから」
ショッピ「お、それええやんチーノ。」
チーノ「まじ?お前も似合っとーで?」
ショッピ「まじ?いえーい」
チーノ「いえーい」
コネシマ「はよ行くで〜。」
ロボロ「ほな行こか。」
ライアネ「…..それでは皆様」
行ってらっしゃいませ。