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啓祐side
レストランで食事しながら公美子が初心者でも簡単に出来るコーデ術3パターンのこっくりカラー(落ち着いて地味な控え目のワンカラー)、ドッキングカラー(はじめから襟やベスト付き)、アニマル柄(特に蛇柄今年の流行)を雑誌を見ながら説明を熱く語るので真剣に耳を立てて聞いていると、
自分で出来そうだと思ったドッキングカラーを選びボールペンでレ点をつける。
公美子「啓祐がそれを選ぶんじゃないかって実は、直感で思ってたから、ふたつのパーツが予めひとつにドッキングしてるから凄くコーデしやすいアイテムなんだよ♪ナイスなチョイス(右親指を立てて)」
公美子は嬉《うれ》しそうにほめてくれた。
公美子「これで行くブティックが決まったね♪ご馳走《ちそう》さま。それと今日は仕方ないとして、、ホントは食事しながら何かをするのは非常に行儀悪いんだよ。あと、食べる前にはテーブルの上に用意してあるナプキンを予め膝《ひざ》に乗せると良いよ。幸いワンピに汚れとんでないようでよかったけど、次からはちゃんとマナーとか教えるね」
それを早く言ってくれと思いながらも、、
「色々教えてくれてありがとう。うん♪次からも頼りにしてるよ。ご馳走さま」
あれから30分ほど経過、オレたちは支払いを済ませるとレストランをあとにした。
色々おしゃべりしながら歩いていたら最終目的のブティックに着いていた。
早速、マネキンが身に付けているドッキングカラーを右手で触れてみると公美子を呼ぶ。
「公美子、、これボクに似合うかな?」
公美子「どれどれ、うん(顎《あご》に右指を立てながら考え込んでいる)。そうね。デザインは悪くないと思うけどグレー色で地味だからもっと明るい色の方が良いと思うけど、それに合わせるなら明るめのコートを上に重ね着してもっていくのも良いかも♪先ずは試着室に行って着替えてきなよ♪わたしそのあいだにそれに合うコートや小物類見てくるね」
「あ!公美子、、ちょっと待って、、」
声かけるにも既《すで》にかなり奥の方へ行きオレの声が届かなかったらしく視界から見えなくなる。
公美子には悪いけど、なんかしっくり来ないので他のを選ぶ事にして《《これ》》はやめることにした。
また失敗するといけないと思い、近くにいた丁度、商品を畳んで棚に品出し作業している女性店員がいたので試着室の場所を教えてもらうついでにオススメのドッキングカラーは何か訊《たず》ねると、近くにディスプレイされたマネキンが着ているブラウンのワンピースにアクセントとして茶系白系色の襟付《えりつ》きチェック柄のベストがドッキングされた物をススメられた。
こんなのはじめてみるけど初心者のオレがみても凄くおしゃれだと思った。
店員さんは急に品出し作業の手を止める。
店員さん「少々お待ちくださいませ。もうひとつオススメがございますのでお持ち致します。」
そう言うとバックヤードへ向かい、オレは暫《しばら》くその場で待っているとハンガーにかかった茶系のワンピ?を持ってきてくれた。
店員さん「お待たせ致しました。」
何だか申し訳なく思い
「お忙しいのにすみません」
と言うオレに店員さんは爽《さわ》やかな笑顔で
「お気になさらずに、お客様のお役に立てることができて宜しかったです。」
試着室の場所も教えて貰い、自分で選んだ服を返すと、店員さんは嫌な顔せず再び爽やかな笑顔で受け取り対応してくれた。
オレは店員さんにお礼を言うと笑顔で会釈され品出し作業の続きをやり始めた。
早速、試着室へ、店員さんオススメアイテム2点を右腕に抱えながら向かう。
試着室のカーテンの表面にお一人様二枚までとチラシが貼り付けてあった。
それを見て、公美子には悪いけど自分で選んだ方、返して正解、、あとで公美子に謝らないといけないなとふと思った。
試着室はカーテンで覆《おお》われていて、何故か、試着室前の床にはサンダルが綺麗に揃《そろ》えて置いてある。
もしかして?ここに靴を脱いでから中に入るよう見本としてアピールしてるのかもな、、
試着室入って着るなんてまだ慣れてねえから、、こう形としてアピールしてくれると非常にわかりやすくて助かるぜ。
そういや、下着売場も試着してから買ったなあ、、
女の子に戻るのって意外と面倒で大変なんだなあ、、何だか、、あちこち周りすぎて疲れてきたぜ、、
靴を脱ぎ、中に入ると目に入ったのは大きな等身大の鏡、そして鏡の右横の壁にはハンガーをかけられるようフックが二つ付いていた。
カーテンはマジックテープで止めるようになっていて、、
施錠《せじょう》じゃないんだ、、こんなんで大丈夫なのか?
慣れねえから随分時間食ったよな、、
今、着ているロリータ全部を脱ぎ、ブラウンのワンピの方を着てみた。
「ふーん、これならロリータなんかより胸元出ないから恥ずかしくないかも♪」
やっぱり見本のマネキン見るより実際に着てみる方がわかりやすいのな~
この色、オレに似合ってる気がする。
さて、今度は茶系の方着てみるか、、
ブラウンの方を脱ぎハンガーに掛け直しそれごとフックにかける。
次は茶系色のワンピを着てみると丈が短いのに気づいた。
もしかしてワンピじゃねえんだ~てっきりワンピかと思いきやどうやら公美子に貰ったファッション雑誌に載ってたトップスというヤツなのでは?
覚えたてのアイテムを見て、思わずにやけてしまった。
なんだろう、、めちゃオレ好みでかなりおしゃれな気がする、、デザインがかなり凝《こ》っていて、大人しめの然《さ》り気無《げな》く可愛いデザインで、、袖の部分が花柄で刺繍《ししゅう》されレースのように透けている。
それ以外は無地でポリエステル素材で出来ていて肌触りが心地《ここち》好《よ》くて夏にぴったりな一言で言い表すとしたら爽快感《そうかいかん》、、そんな感じだ。
丈が短すぎるので、ズボンとの組み合わせが一番だと咄嗟《とっさ》に閃《ひらめ》いたけど、、オレが考えたコーデで公美子はなんて言うかだな、、
あとで公美子に可笑《おか》しいって言われたら、公美子のセンスに任せて選んで貰おう、、
いずれにしても、その方が無難なのは間違いねえよな、、
オレとしてはこっちの二枚目のコーデの方が正直なところ凄く気に入ってしまった。
特に花柄の刺繍の部分が、凄く可愛いからで、、
オレって、、自分で言うのもなんだけど実は、昔から可愛いの好きなんだよな、、、男が可愛いの持ってたら変だと思われ兼ねないから男の振りをする上でずっと我慢して買ったことないんだよな、、
どうせ女の子に戻るんならこっちを着て帰りてえ、、
なんか洋服選びでこんなに楽しい気分、嬉しい気分、幸せ気分になるのはじめてかもしんねえ、、オレって男の振りしててもそんな風に素直に思えるようになっているって事は内心はやっぱり女の子なんだなって自分に驚愕《きょうがく》していた。
そんな自分に酔いしれているともうそろそろかなっと思い、少しカーテンを捲《めく》って見ると、公美子が小物類などをかごの中に沢山積んでこちらに近付いてきていた。
捲れたカーテンを戻すと公美子に声をかけることにした。
「公美子?お願いがあるんだけど今着ている茶系のトップスに合うズボン選んで来てくれねえかな?ズボンの組み合わせで良いと思うけど、オレ、いやボクのセンスあてになんねえし、、兎《と》に角《かく》
公美子、、中に入って見てくれ、率直《そっちょく》な意見が聞きたいし、、」
カーテンが揺れているかと思ったら突然、公美子の顔だけが中を覗《のぞ》き込んできたので、驚いて身体が少しよろけた。
公美子「啓祐、、そんなに驚かなくても、(笑)あれ?ついさっき選んだグレーのワンピは?率直な意見もなにも、、わたしは啓祐の選んだコーデ自信もって良いと思うよ」
「ありがとう。そう言ってくれると少し自信が持てたかも、、公美子、折角小物とか選んでくれたのにごめんな。なんか思ってたよりしっくりしないから店員さんに返しちゃった。」
公美子「そんなこと気にしなくていいのに、、啓祐には自分の気に入った物を選んで欲しいから、、それと色んな色に合わせやすい無難な色のコートにしたから大丈夫だって」
「公美子、かごどうした?めちゃ沢山入ってたようだけど」
公美子「エヘッ、、つい欲張り過ぎちゃって、、ここまで持って来るの大変だったんだよ~もう持つの限界、、かご《《ここ》》に置いてるよ」
急に心配になったオレは、、
「公美子?《《ここ》》ってもしかして?試着室の近くってこと?公美子居なくならないよな?」
公美子「大丈夫、居るから盗まれる心配ないよ。あとでもうひとつかご持って二つに分けよう。この重さを会計まで持って行くのは、いくら部活の自主トレで身体鍛えてても流石に無理だしね。ハアハア(息切れ)」
「公美子?大丈夫?何だか申し訳ねえよな」
公美子「ほんと気にしなくていいからね、、わたし好きでやってんだから、、あと不要なのあったら言ってね。そうすれば軽くなるし、あとで必要になったらまた来れば良いよ。焦《あせ》らないのがおしゃれの秘訣」
そう言うと試着室に入ってきて
公美子「どれどれ、へぇ~初めてなのにすごい素敵なの見つけたね♪わかった!それに合うズボン見てくるね♪」
「ちょっと待って!ズボンで大丈夫?可笑しくない?それと公美子がズボン選んでいるあいだ、このかごこのままにしたらやばくない?」
公美子「あ!ごめん。二つに予め分けとく?直ぐに戻って来るから待ってて、先ずはかごよね」
そう言うと公美子はかごを取りに行き数分で戻ってきて適当に二つに分けてくれた。
公美子「これでよし!軽めに積んだ方にズボン何枚か選んで追加して持ってくるね。啓祐、、?、、、そんな心配そうな顔しちゃって、、クスッ、、もしかして、かご盗まれるんじゃないかって心配してるでしょ?図星かな?店員さんにかごを見ててもらうようお願いするから、これで心配ないでしょ?」
「公美子、、そんなに顔に出てた?気を回してくれてありがとな、、実は今着ているアイテム店員さんからのオススメなんだ~凄く気に入ってしまって、確かに素敵だよな、、何だかたびたびすまない。ほんと助かる、、ありがとな~あとは公美子のセンスに任せた」
そして数分後、「持ってきたよ」と公美子の声が聞こえると、スラックスとスカートを持っている右腕だけがカーテンの隙間からニョキッと出て「受け取って」と言うので素早く受け取った。
店員さんが見ててくれたお陰でかごは無事だった。
スカート?頼んでねえけど、、、折角持ってきてくれたのに違うって言えねえよな、、
とりあえず今着ているトップスに合うかどうか、スラックスを試してみたら、大人びすぎて自分にはまだ早いと思い却下。
次にスカートを履こうとしたらスカートじゃないことに気づき、これってズボンのように履くキュロットって奴では?
公美子から貰ったファッション雑誌で拝見したばかりのそれを試してみることに、、
普通のスカートだと下がスースーして落ち着けねえがキュロットは、ズボンをゆったりした感じで見た目とは違い、スースーしなくて動きやすくて初めてのオレには良いと思った。
色も落ち着いた深緑色で無地かと思っていたら
トップスにも合う刺繍がされていてとても気に入ってしまった。
公美子に任せて良かった。
ここまで来ると公美子のママに悪いのだが、ロリータに再び着替えるのに物凄く抵抗があったので、
今日、一番のお気に入りのトップスとキュロット購入するので着て帰っても良いか店員さんに聞いてみて欲しいと公美子にお願いする。
すると公美子は近くにいた店員さんに確認すると右指でOKの合図、どうやら交渉成立したのだと悟ると試着し終えたタグ付きの洋服を着たまま、ようやく試着室から解放された。
長時間上手い具合にお一人二点?洋服の試着をしていた気がしたのでウィッグ乱れてないか公美子に訊ねると
公美子「大丈夫。崩れてないよ♪ようやく終わったね♪結局、お一人二点試着を無視しちゃった気がするけど(小声)、、店員さん優しいよね?注意されなかったし、でも次回こそは必ず気をつけようね。他のお客様にも迷惑だしね。(小声)次はお会計しに行こう♪るんるん♪」
「そうだっけ?、、、洋服選びってムズいんだな、、うん、、ファッション雑誌で予め決めてから次回こそはルール守るようリベンジするよ、、、(小声)」
会計時、オレは着たままなのでタグのバーコードを店員さんに見せると店員さんはやりにくそうにタグのバーコードの数字をテンキーで打ち込むこと2回繰り返したあと、タグをハサミで切ってくれた。お会計も無事に済むと、駄目元でロリータ服を入れるのに別に袋下さいとお願いするも店員さんは嫌な顔ひとつも出さず袋くれて爽やかな笑顔でニッコリし
女子店員「本日のご来店ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」
と深々と丁寧にお辞儀された。
結局、購入したのはお気に入りのコーデのみで、ブラウン系ワンピ、小物類などは買うのをやめていた。
決して気に入らなかったわけではなく、持って帰る自信がなかった訳で、、、またの機会に買うことにした。
買い物も無事に済んで、さあ外に出ようと自動ドアに近づき
外に出た瞬間、オレは、固まってしまった。
公美子が、そこにいる者に挨拶をする。
???「よ!こんばんは」
聞き覚えのある声が公美子に挨拶を返す。
その声はオレが、初めて女として好きになった飛騨誠だった。
動悸《どうき》が止まらない!
こいつのためにどんだけ苦しいおもいしたか数知れないが、
いざとなると女姿で会うなんて恥ずかしすぎるだろ//////
誠と一瞬目が合うと明らかに誠はオレを見てびっくりしている、
もしや、ばれた?とにかく咄嗟に公美子の後ろに隠れた。
公美子「あ?彼女?恥ずかしがりやなのよ!」
公美子のフォローがはじまる。
そのあいだオレは、喋らないでいられるから助かるけど、
でも公美子がオレのためにここまでしてくれてるのに、逃げてばかりじゃ駄目だ。
どこかで話せるタイミングがきっとある筈だから
それまで待とうと思っていたとき公美子の一言で、
誠のいつもとちがう異変に気づく。
なんかおとなしいというかいつものチャラオーラがかきけされている、まるで昔の誠のような清楚《せいそ》な懐かしい雰囲気が、、
もしかしてオレだって気づいた?
それともオレに似た女の子だと思って目の当たりにして緊張してる?
なんで公美子に名前聞くの?
直接なんでオレに聞かないの?
公美子も良くもまあ上手い嘘思い付くよな、、、
神条啓子か、、、啓祐の、、オレの従妹か
なんか嬉しいような複雑な気持ちで
オレは、暫《しばら》く公美子の後ろで二人の会話を聞いていた。
誠「あの、、、その、、啓子ちゃん?はじめまして、俺、飛騨誠って言います。その、怖がらせたようでごめんね!」
今の誠らしくない昔懐かし誠実な眼差《まなざ》しになんかオレの心は、持って行かれそうになる。
誠のこんな一面を見るのは久しいような、、昔の誠を思い起こす、思わず誠に歩み寄って行く自分がいた。
大丈夫、誠は女の自分をきっと受け入れてくれる。
今は、神条啓子と言う偽りの自分だけどそれでも構わないよ。
でもいつか神条啓祐は誠に正々堂々とほんとは女の子だって打ち明けたい。
そう、心に何度も叫びながら誠に啓子としてとりあえずは
「よろしく、、、お願いします。」
とようやく言えた。
誠の前でこれからは女の子でいられる嬉しさで、
さっきまで女姿見られるのが恥ずかしかった筈が
何処かに吹っ飛んで行ったようで今ではあまりの幸福感を
身体全体で味わっていたい衝動に駆られていた。
コメント
1件
感想、めちゃくちゃ良かったです! まず、試着室で啓祐くんが「可愛いの好き」って自分に気づくところ、すごく胸にきました。今まで我慢してたぶん、あの瞬間のときめきがまぶしくて。 それに、店を出て飛騨誠くんにバッタリ会う展開は、一気にドキドキが加速しましたね。公美子さんの咄嗟のフォローも見事で、でも啓祐くんが「啓子」として誠くんと向き合おうとする決意が、じんわり熱かったです。 最後の「幸福感を身体全体で味わいたい」という一文に、物語全部の温かさが詰まってる気がしました。続き、すごく気になります…!
天使好きな天使 テスト期間中
58
雪
54
#なつこさ
かは
1,609
朝晴ももか/新作出した✌️
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