テラーノベル
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続きです
桜は、自分の人生において今が最大の分岐点――
いや、文字通りの「崖っぷち」に立たされていることを確信していた。
数時間前、廃墟同然の風鈴高校の門をくぐった時の自分を殴ってやりたい。
楡井の強引なペースに巻き込まれ、1年1組という伏魔殿に足を踏み入れたのが運の尽きだった。
桜 「待て。楡井、ここ、、本当に学校か? どっからどう見ても、
ヤクザの事務所か廃校にしか見えねぇんだが」
楡井 「あはは、風鈴は街を守る『ボウフウリン』ですよ!
ほら、クラス表が貼ってありますよ! 1組、、おぉ、蘇枋さんに桐生さんも!!有名どころばっかりだ!
え、、あ、、やばい、、あ、あの人とも一緒、、?!」
桜 「誰だよ、知らねぇよ! 、、おい、楡井。一つ言っておく」
楡井 「? はい、なんでしょう?」
桜「二人でいる時以外、俺の名前を口にするな。もし誰かの前で呼びやがったら」
(親からも、街の連中からも『化け物』と呼ばれ、疎まれてきた。名前を教えるということは、
自分の内側に他人を踏み込ませるということだ。そんなこと、絶対に許さない)
桜 「殺すからな」
楡井 「ヒィッ!? はい! 絶対に言いません! だからその、物騒なオーラをしまってください!」
しかし、教室内から溢れ出す野郎どもの熱気に気圧された桜は、一瞬で「帰宅」を決意した。
桜 「、、楡井、先入ってろ。俺は、その、、忘れ物だ」
楡井 「えっ、ちょっと桜さ――」
バタンッ!
教室の扉を閉め、脱兎のごとく逃げ出した。だが、迷路のような校舎が彼を阻む。
桜 「チッ、階段はどこだ、、この学校、構造がおかしいだろ、、!」
??? 「お困りか?」
背筋に冷たいものが走る。振り返れば、昨日自分を追いかけてきた、
あの鋭い眼光の男――柊が立っていた。
桜 「(っ、逃げ、、、っ!)」
??? 「お~っと? 逃がさないわよ!」
行く手を阻むのは、艶やかな長い髪をなびかせた人物。
桜 「(強行突破だ! 女だろうが関係ねぇ、邪魔だ!)」
桜の鋭い拳が風を切り、その顔面を狙う。だが。
パシッ!
??? 「あんた、、良い! フォームに無駄がなく、美しく、強いわ!」
桜 「は!? 何言ってんだ、こいつ、、」
(呆気に取られた瞬間、背後から強靭な腕に組み伏せられた。)
??? 「さぁ、観念するが良い!! さっさと俺たちの質問に答えてもらうぞ!」
(時刻は正午を過ぎた。9時に登校してから早3時間。
桜は屋上のフェンス際まで追い詰められ、風鈴の幹部(?)らしき面々に囲まれていた。)
椿野 「ねぇ! ねぇ! ねぇってば! 名前教えてくれよー!」
梅宮 「いいじゃん、減るもんじゃないし! なぁ、教えてくれよー!」
柊 「いい加減に白状しろ。お前、昨日からずっと逃げてばかりだろうが」
水木 「早く言ってくれないか。時間の無駄だ。9〇〇時から3時間も経っている。」
杉下 「速く、、言えやぁぁ!!! 梅宮さんに無駄な時間を使わせるなぁぁぁぁ!!!」
桜 「(うるせぇ! つーか、どいつもこいつも距離が近すぎるんだよ!)」
(周囲には、ひたすらスケッチブックに何かを描き続けている無口な男まで増えている。
さらに追い打ちをかけるのは、懐に入れたニコチンの薬の効果切れだ。
苛立ちを抑える術を失い、桜の脳内にある細い糸が、音を立てて弾け飛んだ。)
ブチッ。
桜 「だから!! 言わねぇっつってんだろ!!! 言いたくないって言葉、理解できねぇのかよ!!!」
梅宮 「えぇー、、教えてよー、仲間になるんだろ?」
桜 「好きに呼べよ!!! なんで俺がテメェらみたいな他人に、
名前なんて大事なもん教えなきゃいけねぇんだよ!! めんどくせぇ、うざい、消えろ!!!」
(今の桜にとって、この場所は学校ではない。自分の殻を壊そうとする侵略者たちの巣窟だ。)
桜 「、、、もういい。勝手にしろ」
梅宮 「おっ、やっと話す気になったか?」
桜 「、、、」
タッタッタッ!
(桜は全速力で助走をつけると、迷いなく屋上のフェンスを蹴り上げた。)
梅宮 「なっ、、! まさか!!!」
(眼下に広がるのは、風鈴高校の敷地。桜は、自分を縛ろうとする全ての手を
振り切るように、高高度の空へと身を投げ出した。)
桜 「誰が、、信じるかよ、こんな奴ら、、、!」
(白い髪が風に舞い、黄昏色の瞳が、驚愕に染まる梅宮たちの顔を見下ろした。)
はい、どうでしたか
1911文字!終わります。
コメント
1件
最高だった! 桜、梅宮たちを信じろー!梅宮たちは良いやつだぞ‼️ あと屋上から飛び下りるなー???? まぁとりあえず今回もめちゃ良かった!続き楽しみにしとるね! けどルナのペースで書きなねー!