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前回の続きです!ちょっと長いです
👓視点
👓
「きんとき!ごめん、遅れた」
その姿を確認できると、自然と口角が上がる。
🎤
「おせえよ早くいくぞ!」
口は悪いけど、俺を見た瞬間表情が明るくなったあたりから、本当は楽しみに待っていたというのが見てとれる。
こいつは案外わかりやすい。
そういうところがかわいいんだよな。
👓
「ごめんて~」
🎤
「罰として次も奢りな」
👓
「さすがに財布が悲鳴上げるわ」
🎤
「きりやんがわるい。」
👓
「え‘‘」
多分こいつにとってはいつも通りのやり取りだけど、俺からしてみたらきんときの仕草の一つ一つに目が行ってしまい胸が高鳴って仕方がないのだ。
だって俺はこれからこいつに全部言うんだ。
もうすぐどうせ卒業するしフラれたっていい。
さすがにそれは嘘だけど。
とにかく、俺は彼に思いを伝えたい。
わかってほしいのだ。
俺の3年間の高校生活はどれだけきんときが占めているのかを。
俺がどれだけきんときに狂わされたかを。
俺がどれだけきんときを愛しているのかを。
きっと言葉じゃ足りない。
それくらい大好きだ。
きんときは俺の人生の中で、これまでも、そしてきっとこれからも、一番想った人になるだろう。
だからこそ、伝えたい。
🎤
「きりやん?行かないの?」
そういって俺より身長の低いきんときは上目遣で俺の顔を覗き込む。
あざといって。
👓
「飯行く前にちょっと話したいことあるから公園寄らん?」
🎤
「あぁ、いいけど」
きんときはそういって不思議そうに首を傾げた。
こいつは今から告白されるとは思ってないんだろうな。
俺が真剣に話をしたいと言ったことなんてほとんどないんだから気づけよこの鈍感め。
こいつちっとも赤面したりしない。
まあ意識してないってことなんだろうけどな〜
👓
「ありがと」
🎤
「早く行って早く飯食おうぜ」
なんだ、思ってたより乗り気じゃん。
心配して損したわ。
👓
「はいはい」
適当に返事をしながら足早に進む彼に着いていった
🎤視点
🎤
「で、話って何?」
わざと冷たく言ってみた
まあ正直少しイラついている。
とにかくこれ以上期待させないでほしいのだ。
くだらないことでイラついてるってわかってるけど、もう俺はそれくらいこの金髪メガネが好きになってしまっていたのだ。
わざわざ公園にまで行って話すことってなんだろう、とか純粋に思えたらいいんだけど。
ワンチャンを期待している自分の顔面を殴りたくて仕方がない。
できるならこんな叶わない恋したくなかった。
どうせなら自分の想いくらい伝えたかった。
こんな虚しい思いをするくらいなら
好きになんてなりたくなかった。
👓
「え、ちょ、なんで泣いてんの?俺なんかした、?」
🎤
「あっ、、」
言われて初めて気づいた。
生暖かいものが冷たい頬を伝う。
🎤
「ッなんでもないから、、」
何やってんだ俺は
話しづらい空気にさせてしまった
泣いてるのはきりやんのせいじゃないのに
悪いのは俺なのに
好きになった俺が悪いのに
きりやんに八つ当たりして
勝手に泣いて
こんなんで好かれるわけないよな。
👓
「なんでもないわけないじゃん、ゆっくりでいいからちゃんと話してよ」
優しくしないでほしい
もっと好きになる
🎤
「やだッ、、」
その時、体に圧力と温かさを感じた。
きりやんにハグされている、と気がつくのにはさほど時間はかからなかった。
🎤
「やめろッ、、」
その瞬間、俺はきりやんを突き放した。
耐えられなかった。
どんどんきりやんを好きになる自分に耐えられなかった。
👓
「え、、ごめん、、」
こんなことしても怒らず謝ってくるんだ
そんな彼なら受け止めてくれるだろうか。
俺のこんな気持ちに嫌な顔をしないだろうか。
彼を信じていいのか。
🎤
「ッ俺、きりやんが好き」
👓
「、、、え?」
🎤
「きりやんが俺に触るたびにずっと触っててほしいって思うし、きりやんと話してたら死ぬまで話してたいって思うし、きりやんが女子と話してたりしたら狂いそうになる。」
👓
「ッ、、、」
🎤
「今日だって話あるって言われてワンチャンあるかもなって普通に期待したし一緒にご飯行くのだってめっちゃ楽しみだったし」
👓
「きんとき、」
🎤
「ごめん、本当にごめん。俺だってきりやんとは仲のいい友達でいたかったよ。何度も諦めようとしたんだよ。でもその度にどんどん好きになって、」
👓
「きんとき聞いて。」
口を塞がれた。
もっと言いたいことあったのに。
もっと謝りたかったのに。
どうせなら潔く振ってほしい。
👓
「一回落ち着こ?深呼吸して?」
🎤
「うん、、」
👓
「きんときはさ、バカなの?」
🎤
「ッ、、、」
👓
「俺はきんときとずっと友達でいたいとか思ってないからね」
🎤
「え、、」
そもそも俺のことなんて嫌いだったの?
俺と喋るの嫌だったの?
じゃあなんでそんな優しくするの?
なんで、?
👓
「俺はきんときのこと大好きだよ、付き合いたいの」
🎤
「、、、」
👓
「あれ、聞こえてなかった?俺はきんときの事大好きで、付き合いたいの」
何も理解できない
きりやんが何言ってるのかわからない
さっきまで潤っていた目がどんどん乾いていく
🎤
「、、、?」
👓
「理解してないね」
🎤
「、、?」
👓
「きんときは俺が好き、合ってる?」
🎤
「うん、、」
👓
「それと同じで、というかそれ以上に俺はきんときが大好き」
🎤
「うん、、」
俺はきりやんが好きで、、
きりやんはそれ以上に俺のことが大好き、、
🎤
「ッは!?!?////」
👓
「リアクションさいこーだね」
🎤
「なに!?は!?もう一回言って??」
👓
「仕方ない、これでラストな。
俺はきんときが大好きで付き合いたいと思ってる」
🎤
「ッ、、////」
乾いていた目がまた潤っていく。
どんどん潤って、
やがて飽和して、
手に涙がついた。
それは止まらなくて、
愛が溢れるみたいに流れて止まらなくて、
気づいたらきりやんに抱きついていた。
🎤
「ばか」
👓
「唐突な暴言だな」
🎤
「うるせえばか」
👓
「そんなこといいながらも抱きついて離れないんだ、かわいい」
🎤
「ッ、、うるさい!!//」
👓
「きんとき、俺と付き合って、これからもずっと一緒にいて?」
🎤
「返事なんて言わなくてもわかるだろアホ」
👓
「仕方ないな、許してやろう」
テストは勝てなかったけど、
それでもいい。
きりやんとこうして一緒にいられるならなんでもいい。
まあ口には絶対出さないけど。