アクアside
あらすじ。妹にアイドルに誘われた。
ルビー)と、いうわけで!お兄ちゃんにはアイドルになってもらいます!
アクア)どういう訳だ
ミヤコ)ごめんなさい。ルビーがアクアをアイドルにするって言って聞かなくて……
ミヤコさんも大変だな。それにしても、どうしてルビーは俺にアイドルをさせたがる。
アクア)俺は男だぞ。B子町は女性アイドルグループだ。そのコンセプトを壊してどうする。炎上どころの騒ぎじゃないぞ。俺の役者としての道と、お前のアイドルとしての道のどちらも失うかもしれない
…少し言いすぎたかもしれないが、これくらい言わないとルビーには伝わらない。
ルビー)え?私別にB子町として活動するなんて言ってないよ?
アクア)…は?
何言ってんだコイツ。『私がアイドルになったらB子町って名乗る!だからその時は応援してねお兄ちゃん!』とか言ってた癖に…。
ルビー)お兄ちゃんの顔面偏差値が高すぎて、アイドルのフリフリ衣装を着てキャピキャピしてるのが見たくなったんだもん!
アクア)『もん』とか言うな
フリフリ衣装?キャピキャピ?ルビーの奴、遂に頭がおかしくなったのか。
ミヤコ)所謂、臨時アイドルグループって感じね。ルビーがB子町のメンバーを集め終えるまでの期間、双子アイドルとして活動してもらいます
ルビー)やったー!
アクア)おい、俺はやると言ってな……
ミヤコ)因みに、書類のサインはルビーがしたわ
ーやりやがったなルビー!
アクア)なんで止めなかったんだ……
ミヤコ)止められなかったのよ……
疲れた顔でミヤコさんはそう呟いた。結局は根負けしたようだが。まぁ、そういう俺もルビーの笑顔をみたらどうでも良くなってるんだけどな。
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アクア)だからって、女装して良いとは言ってないけど!?
ルビー)きゃー!アクア可愛いー!
アクア)俺を社会的に殺す気か……
水色のパステルカラーに、白いフリルがたくさんあしらわれた衣装は、どこか不思議の国のアリスを連想されられた。やばい、めっちゃスースーする。気温低くないのに風邪ひきそうなんだけど。
ルビー)じゃーん!私も結構可愛いでしょ?
アクア)あぁ、似合ってるぞ
ルビーは赤いドレスにトランプがデコられた衣装。俺がアリスならルビーは赤の女王。俺とルビーは臨時のアイドル…らしいから、オーダーメイドの専用衣装はない。昔、アイドル部門の時のアイドル衣装をそのまま使っているだけだ。
アクア)なぁ、やっぱルビーがアリスの方が似合うだろ。衣装交換しないか?
ルビー)サイズ的に無理だよお兄ちゃん!?低予算でのライブで、事務所のクローゼットの中がこれしかなかったから我慢して!
アクア)逆になんで俺の身長に合ったサイズがあるんだよ
ルビー)細かい事は気にしない!そろそろステージに上がる準備しなきゃ!
アクア)っ、わ、分かってる
急に緊張してきた。
ルビーはアイの血を俺より強く引き継いでる。ルビーにはアイドルとしての才能がある。歌はアレだけど、ダンスはピカイチ。笑顔だって可愛い。それに比べて俺の才能もない。
アクア)ルビー、おれ、やっぱり……
ルビー)アクア
頬に手を添えられ、額にコツンと合わせられる。幼少期にルビーが落ち込んでいた時によくアイがしてた。
ルビー)アクアなら大丈夫!だって、私の自慢のお兄ちゃんだもん…きっと、ママも天国で見守ってくれてる!
暖かくて、自然と笑みが溢れる。一度もアイにされなかった事に今更ながら悔やんだが、それも仕方ないな。
アクア)そうだな
さっきまで情けなく震えていた身体は、嘘のように軽くなる。
―あぁ、これは言わないとな
アクア)ルビー
ルビー)ん?
アクア)…ありがとう
礼を言ったのに驚いたのか、アイと似た目を大きく見開いた。
ルビー)えへへ、どういたしまして!
流石、アイドルを目指してる事はある。笑顔が可愛い。
その後、双子アイドルとしてネットでバズって色々と焦ったのはここだけの話。
終わり
コメント
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かわええな…アクルビがアイドルか~…アクア声どうすんだろ、
マジであったら、発狂する(いい意味)