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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#年の差
水無月 京
84
#大人の恋
月詠 涼
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追い立てられて、口に入れてみる。
おぼろ豆腐がゆずの風味とともに広がって、思わず「うわ」と声を出してしまった。
「どうですか?」
「おいしいです! こんなにおいしいお豆腐食べたの初めて」
「まあ良かったわ。ほら、こんなに素直に食べてくれるお客様、いじめちゃ許しませんよ? 貴誠」
「分かった。分かったが、こっちは大事な話をしているんだ。しばらくふたりにさせてくれ」
「はいはい。どうぞごゆるりと楽しんで召し上がってくださいね。この人がいじめるようなら私に言ってくださいな」
「あ、ありがとうございます」
思わぬ味方を得て、私は縋りつく勢いで頭を下げる。
それにしても、客と女将の会話にしてはどうなの……と思って深山さんをじっと見ていると、彼はバツが悪そうに、眉をひそめた。
「店名でバレているだろうとは思うが、母だ」
「えっ」
「本当ですよ。貴誠が女の子連れてくるなんて珍しいから、ついつい自分が出てきてしまったの」
うふふ、と笑う女将さんはこんな年齢の息子さんがいるようには思えない。
「うそっ、いくつの時の子ですか。女将さん、まだお若いじゃないですか」
「あら。あなたいい子ね」
女将さんが前のめりになろうとするのを、深山さんが止めた。
「若作りなだけだ。いいからあっちに行っていろよ。今日の俺は客だ」
「はいはい。後でゆずのシャーベットを持ってきますから。それまでにちゃんと食べておいてくださいね」
女将さんは、深山さんに追い立てられて出て行ってしまう。
ああ、おいてかないで。お母さんだっていうなら、一緒に話を聞いてほしいくらい。
懇願するような顔を見られたのだろうか。「君は本当に考えが顔に出るな」と呆れたように言われた。
「だって、深山さんと二人きりは怖いです」
「母親の店で女を襲ったりしない。ここを選んだのは君の警戒心を解くためでもある」
だったら先に親だって教えてくれればいいじゃない。
恨みがましく見ていたら、彼は困ったように続けた。
コメント
1件
うわ、この話めっちゃ好き……! おぼろ豆腐の柚子風味とか描写がリアルで、思わず「うわ」って声が出た感覚が伝わってきた。女将さん登場で空気が一気に柔らかくなったし、深山さんが「母だ」ってカミングアウトしたときはちょっと笑った。警戒してた主人公が「置いていかないで」ってなるのも分かるし、親子の関係性がじわじわ効いてていい回だった🍮