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Side: A
現在元貴の家。
「お邪魔しまーす」
「邪魔すんなら帰れー」
「笑」
バタンッ
元貴に押し倒される。
今日はそういうことじゃない。
「ごめん、今日そういうことじゃない」
「へ?」
確かに、俺がいつも家に来る時はそういうことしかねぇもんな。
「相談相手になってくれない?」
俺たちはソファに座り直した。
「あの、好きな子できたんだよね」
「おー良かったねー」
なぜかすこしだけ元貴が悲しそうな寂しそうな顔をした。
「で?どんな子なの?」
「えっと今日来た子で可愛くてなんかホワホワしてて、本当に優しい子。まぁ俗に言う「女装男子」ってやつ?まあ俺が言えないんだけど」
「へー、いい子じゃん」
まだあの子と会ったことはないんじゃないの?
「まだ会ったことないのに?笑」
「ははっ」
元貴は乾いた笑い声を上げた。
顔が戻らないな、いつもの笑顔が見えない。
「それだけ、ありがとう。」
「いいえ」
そんな感じで俺は家に帰っていった。
あー!
あの子のこと忘れるつもりだったのに!
Side:M
嗚呼、俺はたった今失恋しました。
俺はずっと綾華のことが好きだったんだ。
今日こそ話を聞いて欲しかった。
叶わない恋だってわかってたんだけどなー
プルルルル
俺は親友の若井に電話をかけた。
「もしもし」
「こんな時間にごめん。話聞いて欲しくって。
俺失恋したんだよね。」
「まだ付き合ってないんだろ、諦めんな。」
そうだな、頑張るだけ頑張ってみよう。