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── 刹那 一月四日 20時50分 ──
「あ…もうこんな時間……」気がつくと洗面所で30分も過ごしていた。鏡の中の自分を見ると、中学時代の時のような、何も映さないような目をしていた。朝はこんな目じゃなかったのに。こんな顔、友達に見られたら心配かけちゃうな。あ、もう友達いないから心配されないか。
「ははは」もう、笑っちゃうわ。こんな過去をなぞっているみたいになるなんて。
── 刹那 十月十二日 8時 ──
またか…。自分の席がなくなっているのはこれで三回目だ。何を間違えたんだろう。惟月の誘いを断ったこと?違う。分からない。でも、クラスメイト全員からいじめの標的にされてる事はわかる。
見ろよ、化け物が来たぜw
痣だらけとかキモwしかもリスカ痕あるじゃん
みんなはいいな、痣がなくて。リスカしなくて良くて。
「やめろよ」一人の声で、クラスに静寂が訪れた
「大丈夫か?」さっきとは打って変わってとても優しい声が自分にかけられた。顔をあげると、笑顔が似合う、青髪の男の子がいた。
── 刹那 十一月三日 16時 ──
あの後、彼は“空”と名乗った。彼は私の痣を見ても同情も、嫌悪も、なにも向けないで、何も無いように接してくれた。彼と関わっているうちに、クラスメイトからいじめを受けることが無くなっていって、一緒に遊ぶようになった。
今日、彼が行方不明になったと担任が言った
誰かと駆け落ちした、とか裏社会の人間になった、とか色々な噂が流れたけど、結局謎のまま放課後になっていた。