代理と中身の掛け合いあります。
文章下手くそ
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チャイムの機械音が頭に響く。どうやら眠っていた様だ。身体を起こすのがだるく感じる。息を漏らす。ふと、横を見ると窓は空いており、外には赤い空が見える。夕焼け───黄昏時だ。冬の冷たい風が頬を撫でる。1、2回瞬きをする。外部活の声が、音が聞こえる。時刻は16時34分。確か、部活動は17時に終わるんだっただろうか。1つ欠伸をする。伸びをする。声を漏らす。頭が働いてないように感じるのに、行動1つ1つが脳から指令が送られているなど、不思議なことだ。そうしているうち、教室の扉がガラガラ声を出しながら開く。
「まだ寝てたの?早く帰るよ!」
そこに居たのは友人だった。登下校を共にしている友人、いや、”親友”と呼ぶべきだろうか。
「今起きたんだよ…先行っててくれ、すぐ向かうから。」
「いーや、外は寒いしどうせ遅いから一緒に行くよ!もー!部活に入ってないのになんでこんな時間まで……」
適当な返事をしながら帰りの支度をする。教科書類は置き勉しているため、鞄は軽い。いつもと変わらない日常。普通の日常、普通の。支度を終えると文句を言われながら、帰路に着くために足を動かす。スカートで隠れていない脚が冷たい空気に晒されて寒い。他愛も無い話をする。今日の授業は分かりずらかっただとか、嫌いな先生のここがダメだとか。信号機の前で止まったり、河原に寄ったり、海を見たり──。
そんな普通の日常だ。何の変わりもない。とうとう分かれ道まで来た。こいつと私の家は別に近い訳では無い。なんなら逆方向だ。ただ、1年生の時、初めて話しかけてくれたのがこいつだったから。それで仲良くなれただけ。それだけだ。私はこいつを大切にしているし、それは相手も同じ気持ちだろう。
「じゃあな、また明日」
軽く手を振る。
「またねー!!明日は放課後寝ないでねー?!」
そう言い大きく手を振る彼女に苦笑を返す。段々と見えなくなっていく。霞んでいく。もう空は暗い。体の向きを変え、家に向かって歩き出す。今日、課題はあっただろうか。今日の夕飯はなんだろうか。くだらないことを考える。私は1年の頃は美術部にいた。もう今は辞めている。何故辞めたか、それは────。
家に着いた。鍵を開け、玄関に靴を無造作に放り投げる。鞄を置いて、リビングに向かう。たったと木材の音が響くのが心地良い。今日の夕飯はサバの味噌煮だろうか。食卓に作り置きがぽつりと置いてある。その横には1枚のメモ。
『今日も遅くなります。自分でレンジでチンして食べてください。ごめんね。』
謝らなくたっていいのに。そう思った。両親は共働きで、毎日仕事が忙しい。基本、家には私以外誰もいない。中学に上がってからはずっとこうだった。私自身も忙しかったり疲れていた時はカップ麺のみだった時もあった。中学の時は給食が救いだったっけ。私は将来の夢が無い。高校2年生にして、将来が決まっていない。周りはだいぶ決まっているというのに。そんなことはどうでもいい。とにかく夕飯の支度をせねば。まずはお米を炊くところからだ。お米を研いでから炊飯器に入れる。ボタンを押すだけで炊ける。なんて楽なんだろうか。炊き終わるのに1時間程度。その合間に風呂に入る。5分程度で湧かせるだろう。
──────
“お風呂が沸きました”
自動音声が流れる。家着を取って、洗濯機の上にタオルと一緒に置く。髪を解いて、風呂に入る。15分間入る。この15分間はスマホを見てダラダラ過ごす。ぴちゃぴちゃと水の音が跳ねる。心地が良い。
そろそろ15分経った頃だ。そうしたらシャワーを浴びる。上がってから髪を乾かす。あと数分、米が炊けるまで時間がある。その合間に課題があるかどうか、確認をする。今日の課題は…数学のワークが3ページと、国語のプリントが1枚ある。一見多く見えるだろうが、すぐに終わるだろう。食卓に課題を広げてから書き進める。サラサラとシャーペンの芯と紙が摩擦する音が耳に入る。数学のワークが1ページちょっと終わったところで音楽を聴く。聴きながら、また書く。課題が終わって一息つくと、丁度米が炊けたようだ。そういえば、レンチンし忘れていた。やはり、炊飯器の様子を見ながら課題をしなければならないなと反省する。ラップをしてレンジに入れ、加熱する。いつものことだ。寂しいなど、一切思わない。少し待つと、レンジが鳴る。ラップを外して手を合わせる。
「いただきます」
母の料理はとても美味しい。父は料理は作れるらしいが、口にしたことは1度もない。父の方が忙しいと聞いたが、本当なのだろうか。正直、産まれてこの方、父には両手で数えられるくらいしか会ったことがない。本当に、仕事が忙しいだけなのだろうか。……こう思うのは、大きくなってからだ。まぁ、そんなくだらないことを考えても現状が変わるわけではないのだが。
「……ごちそうさまでした」
また手を合わせる。シンクに食器を置いて、皿を洗う。毎日、毎日、毎日。同じことの繰り返し。もう慣れた。今日することを終え、寝床に着く。布団に入り眠る。
─────────────
視界一面に広がる色は青だ。汗が首筋に垂れてくる。潮風が涼しい。フェンス越しに眺めているのは空だ。雲一つない空、そして海。静かな青だ。飛び込めたらどれだけ涼しいだろう。暑かった。ふと、隣を見る。知らない人間だが、すごく親しく感じれる。手を差し出される。流れに任せて手を握る。相手の手汗が気持ち悪い。きっと、相手もそう思っていることだろう。だが、離せない。離したくない。暑いのにも関わらず、手汗のせいで段々と相手の手が冷たくなっていく。手の隙間から汗が溢れる。相手の顔が確認できない。暑い、暑い。とにかく、ひたすらに、あつい。いしきがなくなっていく。とおくなって────。
────────────────
「し……きょ…?」
誰かが私の名前を呼ぶ。目の前で。
「神狂?大丈夫?」
意識が戻る。無機質で真っ白な、終わりが見えない空間。夢だったのだろうか。
「あぁ、すまない。えと…」
「本当に大丈夫?」
「あ、あぁ、大丈夫だ。」
「んー、ならいいんだけど…」
こいつの名前は “まろ” 。私の創設者…?だ。私には “ 記憶 ” がない。無い記憶を呼び起こすため、今、まろに話をしていたところだった。そうだ。思い出した。私は自分の本名を知らない。” 神狂 “ という名前は私が自ら名乗った。親友の名前も、母の名前も、父の名前も忘れた。何故この空間にいるのかも、何も知らない。分からない。ただ、今目の前にいるこの人物が、大切な人物であるということだけは分かる。海を一緒に見たような気がする。私が語れる過去はこれまでだ。私には記憶が無いからだ。この記憶が合っているのかすらも怪しいのだ。
〜まろ(中身)と神狂の出会いをちょろちょろっと…〜
神狂目線です
雨、雨、雨。視界が暗い。一体ここは何処だろうか。そもそも、私は誰だ。身体が冷たい。何故、何故、何故。雨音しか聞こえない。
足音だ。人の。
「大丈夫?」
声とほぼ同時。冷たい水が身体に当たらなくなった。傘だ。傘を持った人物が、私の前にしゃがみこんで、顔を覗き込んでいる。視線だけを送る。じっとしている。身体が動かない。段々と意識が遠くなる。ほぼ意識が無い状態で、人肌の温かさを感じた。背負われているのだろうか。揺れが心地良い。そのまま意識を失った。
────────────
気がつくとそこは、無機質な真っ白で、奥が見えない空間だった。
「あ、起きた?いやー、大変だったよ〜」
親しく話しかけてくる。
「は、?だ、誰だ…?」
「誰か?か…んー、まぁ、君の創設者…?あー、分かりずらいな。とりあえず、まろでいいや。」
「は、はぁ…」
適当な印象が伺える。
「あ、君、名前は?」
「名前?……」
そういえば、私の名前はなんだったろうか。
「?」
首を傾げている。早く答えてやらなくては。神様はいる。何故なら神は狂っているからだ。災害も病気も、全て神のせい。神はしん、狂うはきょうと読む。シンキョウ。これだ。
「し、神狂。」
「神狂?へー、いい名前じゃん!」
そういい彼女は微笑む。
「あ、そうだ神狂、なんで倒れてたの?」
いきなり馴れ馴れしく呼び捨てに…まぁ、そんなことはいい。私にも何故あぁやって倒れていたのか、分からなかった。私が考え込んでいると、まろは口を動かす。
「あー、まぁいっか!とりあえず、今日から私が君の…えと…マスター…?いや…保護者…そう!保護者!!と、いうわけで、君の記憶が戻るまで、私が手助けしてあげる!その代わりに君は私の代理になってもらう!いいね?よし!ありがとー!!」
「は?いや、まだ返事…」
「いやー、丁度代理欲しかったんだよな〜!」
勝手に話を進められた。私は今日からこいつの代理になるらしい。嫌悪感はあるが、私の記憶が戻るなら構わない…かもしれない。
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ここまで読んでいただきありがとうございました!付け足してる設定しかないです…てか長すぎましたね…。とりあえずお疲れ様でした〜!