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目を覚ますと私は霧に居た。
「異世界転生!?」
渡舟で一人の男は声を荒げるがこの川には山彦が響く気配すらない。
事を理解したのか少女は櫂の動きを止め話しかけた。
「それは異世界転生ではないです、しかし奥ゆかしい言葉だ。」
意味に惑いていると、ふと記憶が目映く、
「江戸川…」
私の目の前にある巨大な川には見覚えのある河川が敷いていたのだ。
「穢土川…素敵な川を知っているのですね。」
「ほらつきました」と少女が言うので私は彼女が差し掛けた手に添えて立ち上がる。
「では五文ください」
私は却下する、すると首が重くなった。
そう彼女の重さが首にのしかかった。
「沼に沈めるぞ」と声を荒だけて言う彼女に私は困惑し、目が覚めた。
母親とはなぜ事を荒立て目を覚ませるのか不思議だ。
ウソクソババアの気持ちなど私にはわからぬ。
眠たい目を擦る暇無く顔を冷水で覚まさせ、固まる体を動かした気がつくといつの間にか私はそとへと赴いていた。
ウソクソババアはこの私を外に追いやったのだ。
イラつきを隠せぬまま体を動かし歩いていると、ふと横目に誰かが移った。
気がついた時には少し重い瞼も目をギョロりとあけていた。
やつはバイセコーに乗っていたのだ。
「っすー…」
とやる気無さげに謝る彼に私もとっさに会釈をした、ことは荒だずにすんだが、また怒りがつのった。
その後足音をたて歩くこと五分か、駅へとついた。その駅は当たり前と人がいる
私もその一人である。例に乗じて私はその電車へと入る。
目の前には人は居らずただ無機質に揺れる風景があった。
その川はあの時見た江戸川そのものだった。
目的につくと私は自然と目の前でため息をついた。
そしてまた息を吸う。